M.スモリー+MÁV響=ザードル「管弦楽作品集」

　先日買ったCDを聴いた．M.スモリー指揮+MÁVブダペスト交響楽団による，ザードル・管弦楽作品集．

　ハンガリーの作曲家ザードル・イェネーの代表作を網羅したナクソスシリーズの一枚．初めて聴くザードルはどの曲も，ごくシンプルな構想とオーケストレーションの中から，エキゾティックかつメロディアスな素材が次々に流れてくる軽やかなポストモダニズム．耳当りはとことん良いが，そのあまりにストレートな作風が音楽的な陰影に欠ける嫌いも．その点，アルバム最後の「エチュード」では，人が変わったような厳しい音遣いやジャズへの傾倒が聴かれ意外．スモリー率いるMÁV響は，特徴には乏しいながらも，明るく安定したアンサンブルに一貫しており快適．録音も鮮明．


ZÁDOR: Divertimento・Elegie and Dance
László Hadady (oboe)，
Budapest Symphony Orchestra MÁV，
Mariusz Smolij (conductor)，
Naxos，8.572549