くまのお気楽日記

好きな漫画や映画の話を主にその日あった事や感じた事等をお気楽に書いていきたいと思います。宜しくお願いします。

「お借りしているマンガ①」

2008-04-04 06:28:45 | マンガ好き
みなさん、こんにちは。
超お久しぶりです。くまです。
約半年ぶりのブログ更新でございます…
もうこれだけお久しぶりだと、お恥ずかしくて言い訳も思い浮かびましぇん(って言うかただ単に怠けてただけなんすが…
流石にこれだけお久しぶりだと、日々変化の乏しい生活を送っているくまにも、多少のブログネタは出来ているので、ブログタイトルを「超~~お久しぶりです」にでもして最近のつれづれでも書いてお茶を濁……もとい、楽をしよう…うにゃうにゃ…まずはリハビリに短い文章で済まそう!と思っていたのですが、長い間お借りしたまま、レヴューも書かずにいる名作マンガが沢山あることに思い至りまして…まずはこれらについて書こう!と。
長くなるかもしれませんが、どうぞ宜しくお付き合いのほど。

さてまずは、たれぞ~さんにお借りしている
「イリヤッド~入矢堂見聞録~」魚戸おさむ画 東周斎雅楽作 全15巻 です。

「アトランティス」
古代ギリシアの偉大な哲学者・プラトンが、その著書の中で語った幻の古代文明を探すという極秘プロジェクトが、世界の名だたる富豪たちを集めて動き出した。
主催者のエンドレが<トレジャーハンター>として指名したのは、東京の下町で古道具屋を営む入矢修造という日本人。
だがその直後、エンドレは、何者かに暗殺されてしまう!!
エンドレの娘・ユリは、父の遺言に従い、入矢に会うため日本を訪れるが、ユリもまた何者かに襲われ…!?
(第一巻 背表紙、紹介文より抜粋)

と、以上のような出だしで始まるお話です。
アトランティスと言えば、萩尾望都さんの「百億の昼と千億の夜」や高階良子さんの「はるかなるレムリアより」(これはムー大陸ですが)などのSF物しか知らなかったんですが、この作品では、綿密で膨大な歴史的知識に基づいた、しかし想像の余地を残す部分には説得力があり尚且つハラハラドキドキもさせられるようなお話作り、がされているようで、ジャンルで言えば「歴史ミステリー」と言うんでしょうか…とにかくしっかりと作りこまれたお話です。

また作中では、アトランティスの謎に絡めて、イソップ寓話やアーサー王の聖杯伝説や死海文書におけるキリスト人間説など、様々な歴史的謎についても語られるんですが、くまが最も興味をひかれたのは、やはり<山の老人>の謎です。

アトランティスの謎を追う者を抹殺しようとする暗殺集団として彼らの名前が出てくるんですが(実際にマルコ・ポーロの東方見聞録に、伝説の暗殺結社として、その名前が記されているそうです)その理由が、「アトランティス人のみが語り伝え得たある真実が、人類にとって破滅を招きかねない絶望と衝撃を与えるであろう禁忌であるから」という設定で、結局この謎については最後まではっきりとは明かされません。
くまの知識や読解力では、作者の意図した回答が読み取れない、というだけの話なのかも知れませんが、よく考えてみれば「知れば人類の破滅にもつながる様な禁忌」をはっきりとした回答をもって描く、なんてこと、しない方が読者それぞれの想像に任せられて、お話としてはリアリティが増して、面白いのかもな~なんても思います。

少しネタばれになりますが、主人公・入矢が最終話で語る言葉に、
「だが俺は信じている…人類は知るために夢を見る。どんな真実を知ろうと、きっと乗り越えるさ。」
というのがあるんですが、この「夢を見る」というのはこの作品を通してのキーワードとなる言葉で、人類最大の謎を解き明かそうという「夢」をはじめ、内戦による悲劇で自らの手で誤って妻子を殺してしまい「夢」を見れなくなった暗殺者、ヘロドトスの「歴史」に記されたアトランティスに関するたった一行の記述「アトランティス族は動物の肉を食さず、けっして夢を見ない」…などなど、物語の中に何度も出てくる言葉です。
それらを読んだ上で、この最後の主人公の言葉を読むと、「夢を見る」という言葉の中に、希望、というだけでなく、人生だったり、人類の進化、といったような意味まで含まれているように感じられ、その言葉の前に置かれた「知る」ということの意味も、深く考えさせられます。

いずれにしろ、くまのように歴史の知識が全く無くても面白く、おそらく歴史に興味のある人なら、作中幅広く古今東西の歴史について語られているので、尚更面白く読めること請け合いの名作です。

つぎにご紹介するのは、こちらもたれぞ~さんにお借りしている、
「宗像教授伝奇考」 星野之宣 全7巻(文庫) です。

この作品の続編にあたる「宗像教授異考録」の第1巻もお借りしたんですが、一話完結形式で、主に日本の古代史や民俗学をベースに、未だ解明されていない謎の部分を、説得力があり且つエンターテイメントとしても優れたストーリー作りや緻密でシャープなリアリティ溢れる画力で、読者に魅せてくれる、そんな作品です。

登場人物もとても魅力的で、主人公の<宗像伝奇>(むなかたただくす)は、名前のモデルはどうやら<南方熊楠>(みなかたくまぐす)のようで、熊楠が晩年をすごした自宅が実家のすぐ近くにあるくまにとっては、それだけでなにやら親近感が持てるのですが
堂々とした体格に意志の強そうな濃い眉、眼光鋭い眼差しに口髭をたくわえたスキンヘッド、ベストの上に黒いマントを羽織り、ポケットには懐中時計手にはステッキ頭には山高帽、という、いでたちそのままの、知性と行動力に溢れた「漢気のある紳士」?って感じで、まさにくま的には、柳沢教授と並んで、「叔父さんになってもらいたいキャラ№1」と言えるでしょうか(お父さんだとキャラが濃過ぎて少し大変かもしれませんので…笑)
そういう部分も読んでいて本当に面白いです。

勿論最も読み応えのある部分は、やはり歴史を読み解いていく、と言う部分にあるのでしょうが、イリヤッドもそうですが、そこに絡められた登場人物たちの人生の物語も同時に読むことができ、歴史と言うものが遠い過去の話ではなく、連綿と続けられてきた人の営みの連なりなのだ、ということが感じられて、何とも言えない読後感を味わわせてくれます。

こちらも興味のある方は勿論、歴史や民俗学の知識が全く無くても、十分に面白く読める名作だと思います。

さて、他にもたれぞ~さんには、
「ヤマタイカ」 星野之宣 全5巻(文庫)
(現代の沖縄に、1700年の時を超え、日本古代史の伝説の都市<邪馬台国>の巫女王である<卑弥呼>と意識を共鳴する、生まれ変わりともいうべき後継者が現れる!古代縄文人と弥生人との対立をベースに、現代人の血の中にも流れる、破壊と再生の祭への渇望を描く、歴史SFミステリー)
 
「黒の李氷シリーズ」 白井恵理子 全7巻
(夏王朝から清王朝末期までの中国を舞台に、時空を旅する不老不死の少年<李氷>と、転生するたびにその時代のキーパーソンとなる<セイちゃん>との出会いと別れを軸に、中国史を新たな切り口で語る、歴史ファンタジー)

「お嬢様と私」 加藤四季 全3巻
(中国古代史に有名な「巫蠱の獄」により、父である武帝との戦いに敗れて自害した戻太子の孫にあたり、ただ一人処刑を免れ民間で育っていた劉詢(後の宣帝)と権力闘争に巻き込まれ暗殺される悲劇の皇后・許平君の、この時代では珍しい?純愛物語を、史実に忠実に描きながら、何故か四コマギャグ漫画としても成立させている、不思議な魅力溢れる、歴史ギャグ四コマ漫画)

「天才ファミリー・カンパニー」 二ノ宮知子 全6巻(スペシャル版)
(早くに父を亡くしながらも、母<良子>の仕事の企画ブレーンを務めたり株を操作したりで17歳にして家を建てる天才高校生<勝幸>。順風満帆に思えた彼の人生に、母の再婚によって「超天然親子」<荘介>と同い年の義弟<春>が現れ、様々な騒動を引き起こす!?、といった始まりの、ファミリーハートフルコメディー)

等々、沢山の名作、面白マンガをお借りしました。
こんなにも長い期間お借りしていたのに、もうちょっとマシなレヴューを書きたかったのですが、くまの語彙力とキャパシティーではこのへんがいっぱいいっぱいで…
せっかくの名作たちをご紹介しきれていないようで申し訳ないのですが、本日のところはこれで終わらせていただきたいと思います。

最後になりましたが、たれぞ~さん!面白くて心に沁みる、素敵な漫画をこんなにも沢山、大変長い間お貸し頂きまして、本当にありがとうございました!!


それでは。






  








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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
1番乗り~! (のあ)
2008-04-04 22:45:23
お帰りなさ~い!って言うのも変ですね~。
お元気でしたか?
お久しぶりでもいいですよ。
続けていただければ、嬉しいです。

マンガは全く読まないので、感想は書けませんが、
くまちゃんどうしてるかな~とフラっと覗いてみました~。
返信する
二番目(^o^)。 (tooru_itou)
2008-04-05 01:14:03
ついに(くま)ちゃんの更新が・・!!(笑)。
待ってました、長いこと♪(^o^)。
(たれ)さんにマンガを借りたら・・
そりゃ~、歴史モノになるわな~!(笑)。
「某歴史マンガトピ」のメンバーだもん(^o^)。


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おお~ (満天)
2008-04-07 11:15:27
久しぶりだがね~~~(笑)

イリヤッドっと宗像教授は読んでます~~~
イリヤッドは良いのだけれど
宗像教授はどうじゃった?
最初はフムフムっと思っていたけれど
だんだん常軌を逸してきませんかね(アハハハハ)
面白いのか眉唾なのかが不明になってきた(笑)

黒のは興味があって…どんなんかな~?っと思ってました~韓国を含め中国の歴史も大好きなので
勉強になるかの?

私も~読んではいるけどレビューには至らない作品が
多く…纏めてレビューしちゃおうかの?っと
最近考えておりますだ~~
んで…次回の記事UPは…
また…半年後かね?(ガハハハハハハハ)
できれば月一にしてくれ~~(笑)
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お疲れ様~(笑) (たれぞ~)
2008-04-07 11:59:23
そんなに慌てなくて良かったのに(笑)
漫画のレビューって意外と大変だよね~
私もせっかくお借りしたんだから、レビュー書いて・・・と思ってて、それが出来ないが為になかなかお返しできないという事もあります(笑)

歴史モノって、史実とフィクョンを何処まで融合させるかで又変わってきますよね~
解釈と言うか、同じ題材でも作者さんよって全く違うのが面白いと言うか・

星野さんや諸星さんは歴史モノは多いけど、史実ではなくフィクションが柱の「伝奇もの」という新しいジャンルだと思ってます

親交のあるお2人だから、読み比べると面白いよね
もちろんくまちゃんが紹介してくれた「太公望・無面目」も面白かったよん
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のあさんへ (くま)
2008-04-07 21:08:18
早速のコメント、ありがとうございます~~!!
亀レスになってしまってすみません!

やさしいお言葉もありがとうございます!
ただいまです。

>くまちゃんどうしてるかな~とフラっと覗いてみました~。
ありがとうです!
アッシものあさんのブログにいつもお邪魔させていただいてるんですが、ついご挨拶が出来ていませんで…すみません。

こんな失礼で怠け者なアッシですが、どうぞ今後とも仲良くしてやってください!

それでは。また~♪
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tooruさんへ (くま)
2008-04-07 21:19:10
tooruさんも早速のコメント、ありがとうございます~~!!
それなのに亀レス…申し訳ありません!

たれぞ~さんにお借りした本、そういえば「歴史」ものづくしですね!(笑)
あ、だけど「イリヤッド」とか「宗像教授~」とかほぼリクエストさせていただいたんですが。

アッシは歴史の知識が全然ないんですが、「歴史もの」って読むとホントに色んなところでつながってたりとかして、面白いですよね~
いつも「もうちょっと歴史の勉強しよっかな~」って思います…(結局怠けちゃってしないんッスけど…

また(今度は半年も間があかないように)ボチボチと更新していきたいと思いますので、どうぞ今後とも仲良くしてやってください!

それでは。また~♪
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満天さんへ (くま)
2008-04-07 21:34:31
満天さんも、コメントありがとうございます~~!!
半年も怠けてたのに、コメントいただけるなんて…幸せ者ッス…!

>宗像教授はどうじゃった?
「宗像教授~」アッシはどっちかというと、最初のお話(「ダイダラボッチ」のお話)だけは妖怪?みたいなのが出てきて、ちょっと飛躍してるかな~と思いましたが、その後は結構史実に沿って「堅め」に描かれてるように感じましたね~…
多分、歴史伝奇ものというと諸星さんしか読んだことがなかったので、諸星さんのぶっ飛び具合に比べれば…という比較の問題なんでしょうけれども…(笑)

>纏めてレビューしちゃおうかの?っと~
わ~~い!楽しみにしてます♪
アッシも次は(今回のタイトルに①を付けてるんですが、実はまだ夜さんとブックさんにお借りしてる名作漫画たちが沢山ありますので…)近いうちに②を書きたいと思ってます。

こんなアッシですが、どうぞ今後とも仲良くしてやってください!

それでは。また~♪
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たれぞ~さんへ (くま)
2008-04-07 21:56:21
>そんなに慌てなくて良かったのに(笑)
やさしいお言葉、ありがとうございます~~!!
ホントに長い間こんなにも沢山貴重な本をお借りしっぱなしになっちゃって…しかもリクエストいただいた本もなかなか送れず…ず~っと気になってたんですけど、生来の怠け者なもので…ついつい月日がたってしまって…すみませんでした!!

今週中にはお送りさせていただきますね。(17時以降で。またお送りする前にメールさせていただきますね。)

>星野さんや諸星さんは~「伝奇もの」という新しいジャンル~
なるほどです~!
早速「歴史伝奇もの」って満天さんへのコメレスで使わせていただいちゃいました~

「宗像教授~」お借りした文庫版の最終巻の巻末に、諸星さんと星野さんの対談が掲載されてましたね~!
お陰様で貴重なものが読めてとっても面白かったです!
アッシはやっぱりどちらかというと「諸星さん派」なんですが(あの絵の力の抜け加減というか、お話のスケールのデカさとか…(笑))似通った題材を扱っていても全く違う描き方をされるお二人ですよね~。
ホントに読み比べてみて面白かったッス!

こんなアッシですが、どうぞ今後とも仲良くしてやってください!
それでは。また~♪
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フギャッ! (あこ)
2008-05-02 01:50:35
や~ん、出遅れちゃったわっ!
って気持ちをタイトルに表してみました(笑)

イリヤッドと宗像教授伝奇考が特に面白そうでした!
これは両方とも家では旦那さんも好きそうなのでちょっと勧めてみようと思います
黒の李氷と天才ファミリーカンパニーくらいしか読んだ事あるのがなかったなぁ。
お嬢様と私も面白そうなので、こちらは自分でゲットしましょ

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あこちゃんへ (くま)
2008-05-03 09:19:28
コメントありがとうございます!
あこちゃん、「フギャッ!」って<のだめ>みたいでカワユスですね~

>イリヤッドと宗像教授伝奇考が~
くまはどちらかというと「イリヤッド」が面白かったです~♪
旦那さんに頑張って勧めてみてちょ。
あこちゃんの可愛さならバッチリかもです 
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