数学教師の書斎

自分が一番落ち着く時間、それは書斎の椅子に座って、机に向かう一時です。

万年筆インク紙

2020-03-08 13:55:35 | 読書
 先日東京へ行った際に、いつものように東京堂書店へ足を運びました。今回は久しぶりでしたが、自宅がある三重から東京へはそう頻繁い行く機会もなく、今回は1年ぶりくらいでした。
 最近はやりの読書喫茶を思わせる喫茶店が併設されていて、買った本をそこで読むのに便利でした。ところがここでハプニングがありましたが、それは日記の方で書くことにします。今回買った本のうち、読み終えた本を紹介します。
 片岡義男の「万年筆インク紙」(2016年11月発行 晶文社)です。装丁もいい感じで、中の文字のインクがブルーで珍しいですね。
 
 内容は、筆者のこれまで使ってきた万年筆インク紙にまつわる様々なエピーソードで、時間軸に沿って、時代感覚も伝わってくるのが読んでいて楽しくなります。趣味に関しては、お金と時間の感覚がなくなるというのが実感できます。そしてその趣味が仕事と直結した時、まさにそれが筆者自身の文章になり、語りに引き込まれていく感じで、読んでいるより聞いている感じです。

 ブルーブラックのインクになぜか引き込まれていく感じで、再認識しました。決して高価なものを紹介するのではなく、作家として実際に使ってみての実体験がふ買う背景にある内容で、確かにその感覚分かるなあという気持ちになります。

 東京堂書店のブックカバーも独特ですね。濃い色は珍しいです。さらにカバーのかけ方が他の本屋さんより丁寧で表紙をはさみ込むのがこの東京堂書店だけかなと思います。そんな細かいところにもこの書店の味がある感じです。


読んだ後も、静かに書斎に置いておきたい雰囲気のカバーです。

1年ぶりの東京(3)

2020-03-08 13:11:42 | 日記
 丸の内の丸善に着くと、大抵は、数学書のコーナーに行きます。確か4階の奥の方のコーナーでしょうか。よく行く京都の丸善と書籍の多さはあまり変わらないかなという感じです。今回もそこへ行ったものの、すでに少し前に京都の丸善でこれはと思った本は買ったので、今回は特に買うこともなく、文房具のコーナーや洋書の数学書のコーナーを回っていきました。
 
 洋書の数学書に関しては、最近は丸善の京都が充実しているので、この丸の内の丸善もそう京都と差がない感じで、目新しさもなく、京都なら自宅のある三重からも車で行ける範囲でもあり、京都で十分かなという印象が今回残りました。
 
 少し一休みと思い、喫茶店でコーヒーを飲むことにします。ここの喫茶店は、ハヤシライスはもちろんのことですが、窓際の眺めがいいのが特徴で、今回はコロナウイルスの関係か人も少し少なく、窓際の席が確保できました。

 ケーキセットをコーヒーとともに注文して、先日京都の丸善でも同じようなセットを注文したので、少し比較してみたかったのです。結果は、京都のケーキセットは値段も質もこの丸の内の丸善より上をいくものでした。ケーキの質も良く、コーヒーに関しては、京都では、サイホンのまま持ってきてくれて、実質2杯分の量があります。値段も50円ほど京都の方が安く、京都に軍配が上がります。少しがっかりして、京都の丸善で十分だなと実感しました。

 一休みして、時計を見ると夕方の5時近くなったので、娘と落ち合う川崎に向かいます。川崎で、家内と、息子と、娘の家族で食事することになっていて、6時半過ぎに川崎駅前で落ち合いました。

 今回はコロナウイルスの関係で、山手線や京浜東北線も空いている感じでした。

 さて、私を含め、家族6人での久しぶりの食事です。主役は、娘の長女の保育園児です。会うたびに大きく成長する姿を見ることは、やはり、孫の可愛らしさと相まって、なんとも微笑ましい感情が沸き起こってきます。楽しい団欒のひと時を過ごし、家内と宿泊するホテルに戻った時は、10時を回っていました。

 明日は、家内は仕事がらみの研修ですが、私は自由な時間なので、神田神保町へ行く予定です。東京堂書店で本を渉猟するのが目的です。また、万年筆の専門店である、金ペン堂へも足を伸ばしてみる予定です。東京でしか行けないような店に行くのはやはり楽しみです。(続く)


1年ぶりの東京(2)

2020-03-02 10:45:24 | 日記
 さて、品川で下車したのは、その足で、上野のアメ横にます行きたかったからです。品川駅の方が東京駅より乗り換えで歩く距離が少ないと判断したからです。それに、前回書いたうるさい女子の集団を避けたいと思ったことも一因です。

 山手線に乗り換えてびっくりしたのは、10時前でしたが、座れたことです。山手線で座れた記憶はなく、コロナウイルスの影響が出ているのかなと一抹の不安を覚えました。しばらくして、御徒町で下車して、上野方面に向かってアメ横を歩いていきます。

 まだ時間も早いので、閉まっている店も多く、多くは開店し始めたという状況です。まずいつも行く万年筆の専門店へ。

 今回は、最近シャープペンシルをいろいろ見てみようかと思って、いろいろ物色していると、若い店員さんがいろいろアドバイスをくれながら製品を見せてくれました。しかし、万年筆に比べて明らかに品揃えは少なく、あまり選択の幅は広くなく、おまけ0.9mmという太さの芯が使えるのは少なく、っ子での選択はありえないと感じました。

 早朝に名古屋のアパートを出たので、お腹がすいてきました。名古屋では早朝に起きても、朝5時半からモーニングをやっている喫茶店が、アパートの近くにあり、よく利用します。6時頃のそのモーニングを食べたので、10時半過ぎにはお腹が減ってきて、今の時間帯なら混んでいないのをコレ幸いに、お寿司屋へ入ります。

 まだカウンターにも誰も座っていなく、テーブルに数人が座ってる状況です。勧められるままに、カウンター席でお昼の握りを注文します。時間帯の関係から空いているのかなと思いながら、店主と話しているいると、これもコロナウイルスの関係らしく、そういえばアメ横を歩く人も少なく、特に中国人が少ないらしく、普段日本人と思っていた人が実は多くは中国人だったのかと今更ながらその劇的な変化の状況に驚きが隠せません。店主と穏やかな会話を楽しめて一時でした。

 その後東京駅に戻り、丸の内の丸善へ。ここは、東京へ来た時には必ず立ち寄る本屋で、洋書も多く、数学の洋書を探せる唯一の店です。京都の丸善もこの東京の丸善に劣らず数学の洋書があり楽しめます。

 また喫茶店お眺めも良く、ハヤシライスは発祥の地でもあり、食事するときはこの早矢仕ライスを注文します。 (続く)

私の万年筆の変遷

2020-03-02 09:25:23 | 万年筆とシャープペンシルとノート
 書斎の机の上には、万年筆もあります。趣味やコレクターというほど熱を入れているわけでもありませんが、いま手元には、10数本があります。

高校1年から使っている万年筆。
 高校1年の時、英語の筆記体を万年筆で書くと綺麗書ける気がして。英語の和訳や英作文を授業中添削するのに使っていました。後ろの席の女の子からよく質問された記憶とともに、印象深い万年筆です。もう50年も昔ですね。

大学1回生の時買った万年筆。関西では、1年生ではなく、1回生と呼んでいました。今でもそうですかね。

 大学に入って、なんだか大人になった気分で、友人も買っていたので、同じパーカーの万年筆を大学の生協で入学当初に買った記憶があります。あの頃が一番良かった時代かもしれないですね。入学式は、体育館が占拠されていて、中止になりました。今はコロナウイルスで中止ですが。

その後、万年筆とは縁がなく、高校の数学教師になり、しばらくして、ある進学高校へ転勤して、そこで、使い始めた万年筆。
確か、その数年前、卓球の指導者研修で中国へ行く時に、空港の免税店で買った記憶がこの原稿を書きながら思い浮かんできました。その進学高校では、よく質問に来る生徒がいて、その生徒の質問に答えるためにも、問題集の授業ではやらない難しい問題も解いておくっ必要があり、その時にこのモンブランの145(?)を使いながら、解いていた記憶があります。その時にかなり使い込んだので、ペン先が自分の癖に沿った減り方をして、書きやすくなっています。その後、万年筆を趣味にしていた先生に影響を受けて、モンブランの同じものと、146を買いました。
 実は、146はもう一本買ったのですが、どうもどこかへ置き忘れて、紛失してしまいました。口惜しくて、誰にも話せていません。

 その後はまた使う機会がなく、眠っていたのではないでしょうか。そして50代になり、管理職になって、手帳やスケジュール帳を使うことが多くなり、モーレスキンの手帳を使い始め、その時点から、また万年筆を使い始め、何本か買い始めました。

 特にその時点からインクにも少し凝りだして、モーレスキンの手帳の紙に滲まないインクということで、セーラーの極黒というインクを使い始めました。モーレスキンの手帳と極黒という顔料インクとの組み合わせに使った万年筆が、ラミー(右2本)とカヴェコ(左2本)の万年筆です。
 どちらもペンの太さは中字で、スチールペンの廉価品ですが、意外と書きやすく、顔料インクを使うので高級万年筆のペン先が詰まってしまうと困るとの思いから、この万年筆を使いました。たまたま東京へ行った際に、アメ横で安く手に入ることがわかったので、その後東京へ行く際には必ずアメ横で万年筆を渉猟するという癖がついてしまいました。

その後ペリカンも良いぞという声を聞いて、買ったのが、スーベレーン800の緑縞です。

確かにこのスーベレーン800のペン先の柔らかいタッチは他にない感覚で、なぜか綺麗な文字が書けます。

 現在は、モーレスキンの手帳にはカヴェコかラミーをインク極黒で使い、日記帳にはまずペリカンを使い、モンブランも使うことでメンテナンスをするということで使う程度です。

 最後に、日本製の万年筆も日本語を書くには最適だろうとの思いから買ったのが、プラチナの3776です。

 何かの雑誌かで、日本語を書くには日本製が良いという記事を読んだ結果です。確かに値段からしても外国性より日本製の方が製品の質は良いように感じます。

 他にあまり使わないのですが一応持っているのが以下です。
 左が、教え子とのクラス会で教え子からもらったセーラーの万年筆、真ん中Watermanのインクを使ってみたいと思い買ったWatermanの廉価版の万年筆、そして右側がパーカーの5th世代の筆記具と言われて買った、一応万年筆に近いペンです。

 以上が今の私の万年筆ですが、基本的には原稿はパソコン上で書くので、万年筆を使うのは、日記を書いたり、手帳に記入したりしながら書き味を味わいながら、それと同時に万年筆の書き味を味わうことで気持ちや思考の変化を自分で楽しんでいます。


1年ぶりの東京(1)

2020-03-01 05:57:39 | 日記
 先週1年ぶりに東京へ行きました。長女と長男がそれぞれ川崎と都内に住んでいるので、久しぶりに長女の孫とも会うことになりました。土曜の夕方に川崎駅前で落ち合い、長女の旦那さんも含め私の家内とで総勢6人でささやかな食事をしながら談笑しました。

 家内が仕事の研修で東京へ日曜月曜の2日間来る予定が入ったので、それに関連付けて今回の東京行きを決行しました。私は、実は月曜に名古屋で仕事があるのですが、当日朝一番の新幹線で間に合うので、土日の連泊をしました。

 東京へ来ることは孫の顔を見るという口実で年間1、2回ですが、来た際には、今回宿泊した大崎にあるホテルをいつも利用します。ここは、ほとんど駅と直結していて傘がいらなく、ホテルの入り口近くにコンビニがあり、非常に便利で最近はここばかり使っています。

 実は、今回は、東京へ来るに際しては、私は仕事で金曜日に名古屋に来て、そこに宿舎もあるので、時間の節約も兼ねて、そこで一泊して、土曜の朝に名古屋から東京へ来ました。家内は、仕事が終わってから土曜の午後に東京へ来て、川崎駅前で、皆が合流することになりました。

 新幹線で、名古屋方1時間40分ほどで、そこは私の貴重な読書空間と時間でもあります。でも、今回は少し残念でした。斜め横に座っていた女子4人のグループが大声で談笑をしていて、さすがに眉をひそめたくなりました。しばらくした頃だったでしょうか、静岡あたりで、私のとなりの席に座っておられた女性が、立ち上がって「静かにしてください」と一言。思わず私もその方の方を見て、相槌を打つとその方も私を見て相槌を打ち、同じように不快に感じておられたのだと。よく見ると騒がしかった女性グループは20代後半かなと思われる年齢でしたが、いろいろ思いを巡らしながら、これまで教えてきた高校生たちのことを、時代とともに変わる彼らの気質の変化とともに考えてしまいました。たまたま注意された女性と私は品川で下車しましたが、その際、注意を受けた女性グループの前を通る際、「すいませんでした」と一言そのグループの一人が声をかけたのには少し驚きましたが、それができる女性なら、なぜ集団で声高に雑談することを止められなかったのかなあという気持ちになりました。

 高校の教育現場でも同じように、教材研究をしている先生に前で同僚と声高に雑談をしている先生を見かけます。だいたいそんな先生は教材研究もろくにしないで、指導書の答えを自分の教科書に書き込んで、生徒にはそれを押し付けるような指導をします。国語ではよく見かける光景ですが。こんな成れの果てが神戸の小学校の教師同士のいじめ事件なのかもしれませんが。教材研究がまともにできるかどうかが、その学校の教育環境でいかに大切であるかを理解できる管理職が必要ですね。管理職に関しては、また機会があれば書いていきますが、なかなか世間には知られていない現状があり、思い込みや誤解も多いのではないでしょうか。(続く)