数学教師の書斎

自分が一番落ち着く時間、それは書斎の椅子に座って、机に向かう一時です。

高校進学率 大学進学率

2020-06-14 07:06:55 | 読書
 先日、同じ予備校の講師の先生で、40代の方と話す機会があり、びっくりしたことがありました。

 受験生を教えるという同じ立場から、お互いの大学受験は当事者意識として、記憶に残っていて、ある意味その対比として、今の受験生の状況を見ることがあります。しかし、私から見たら、年下の40代の先生のころの受験状況は教員として、経験はあり、ある程度の雰囲気は今の思い出されます。

しかし、逆に、40代の先生から、60代の世代の受験を想像することは意外と難しいのではと、その先生との会話で実感しました。私の高校卒業が1973年3月です。東大の入試が中止になったのが、1969年3月です。この60年代から70年代にかけては、教育関係では高校進学率が年々伸びた時期でもあります。

 文科省の学校基本調査によると、高校進学率が68年(76.8%)、69年(79.4%)、70年(82.1%)、71年(85%)。一方、大学進学率は69年(21.4%)、70年(23.6%)、71年(26.8%)、72年(29.8%)、73年(32.7%)、74年(35.2%)、75年(38.4%)とこの時代の高校進学率、大学進学率の伸びはそれ以降も含めても驚異的な伸びの時代であることが伺えます。大学進学率が5年で、15%も延びています。

 実は、40代の先生が、私の大学受験の時代認識を集団就職の時期で、大学進学率も低い時代であったのではと思われていたのです。確かに、私の時代の前後5年で大きく様変わりが起きているので、10年時代を遡れば、全く状況が違っています。そこの変化がそれ以降の時代と大きく異なります。

 その話をした直後に、職場近くのジュンク堂書店で、購入したのが、
という本です。この本では、戦後の60年代までの、教育の中で、青年学級や、定時制高校等に視点を据えて、戦後の混乱期から、高度経済成長にかけての学校教育を今までにない切り口で、書かれていて、一気に読んでしまいました。

 私の時代の少し前段階での状況の継続として私の中学高校時代、そして大学受験の背景を歴史的な流れの中で、振り返ることができました。

 この本の著者も、その時代には生を受けていないということから、同時代感覚はない代わりの客観的な資料の分析により、当事者の我々とは異なった視点での状況把握ができているとも感じました。

 その時代を過ごした、自分のある意味貴重な時代感覚は今後も大切にしたいと思います。その受験期の思い出も書いていければと思います。