地理バカ日誌 ☆*:. 地図の園 .:*☆

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             by まつおか秘密研究所

大阪市内の居住地域分化

2015-07-29 12:36:48 | 社会・経済
 また1ヶ月以上沙汰無しにしてしまいました。

 前回のネタに関連して、大阪市内の住民属性について区別の統計データ(2010年の国政調査結果)をもとに地図を描いて見ました。
 テーマは「学歴」で、下の地図は各区住民の既卒者(就学前や在学者は含まない)のうち、大学卒・大学院終了の最終学歴をもつ人の割合を示しています。

     マップ028
  

 この地図からは、かなり明瞭な地域差が確認できます。とくに値が高い(色が濃い)のは北から中央区、天王寺区、阿倍野区ですが、この南北の列状のエリアは以前の地価ネタ(マップ005)でも述べた上町台地と重なります。大坂城は位置的には上町台地の北端にあたります。台地上は、沖積低地が広がる大阪にあっては、歴史的に住宅地としても人気が高い場所ですね。いわゆる高級住宅街の北畠や帝塚山(これは住吉区になりますが)も台地上にあたります。また、ビジネス街の梅田や船場周辺にあたる北区や福島区、西区のあたりも比較的値が高いですが、このあたりはとくに近年では分譲マンションの開発が活発になっており、この10年あまりいわゆる「人口の都心回帰」を経験しています。昔に比べると地価が下がって、分譲マンションの開発・販売がし易くなったとはいえ、やはり都心ですからそれなりの価格には・・・・学歴は所得水準と関連しますから、一つにはその所得水準の差によって住宅地代の負担力が異なることで、結果的に地域差が生じると考えられます。

 次のマップ029は、新たに転入してきた人(2005年から2010年に他の市町村から転入)について、最終学歴の傾向を表したものです。

     マップ029
  

 上に名が登場した区と淀川区は、転入者の45%以上が大卒以上の学歴(もちろん既卒者のうち)です。この地図からも、近年の都心部でのマンション開発が、比較的富裕な高学歴層の流入を引き起こしている様子が推測できますが、このような住民属性の傾向の違いは、当然ながらそれぞれが志向する社会のあり方の違いにも繋がるわけで・・・・
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