百合とオレンヂ城Ⅱ

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攻殻機動隊 その2

2007-02-14 23:15:00 | ジブリ 押井守 ハーモニー(伊藤計劃) サマーウォーズ フルメタルパニック
 その1はこちら
http://orange.ap.teacup.com/applet/orangejyo/386/trackback
 
 今回は攻殻機動隊と押井守の演出の根底にある
ジャン・ボードリヤールのシミュラクル
フィリップ・K・ディック(ブレードランナー)
中国の思想・荘子などをふまえて執筆したい
と思います。
 
 
■順番表(影響を与えた流れ)
 
■ジャン・ボードリヤールのシミュラクル
       & 
■フィリップ・K・ディック(ブレードランナー)
     ↓      ↓
  ■攻殻機動隊→■マトリックス


 
 ジャン・ボードリヤールは
著書「シミュラクルとシミュレーション」で

1 「オリジナルでもコピーでもないものが
独自の価値観として流通する事」
 
2 「高度なシュミレーションが蔓延する事で本物の
価値観が下がる」
 
3 「街全体が広告に埋め尽くされる。それ自体が
我々の現代建築だ」 

と言ったらしいです。


「シミュラクルシミュレーション」という本
ですがマトリックスの冒頭でネオが違法ディスクを
隠していた本です。

 
 このジャン・ボードリヤールに
「現代の最も偉大な実験作家である」
と言わしめたのがフィリップ・K・ディックです。
 
 映画化されている代表作は「ブレードランナー」
「トータルリコール」「マイノリティリポート」
 確かにブレードランナーやマイノリティリポート
も(原作に忠実ならですけど)街に広告が多く
ありました。
 トータルリコールも主人公の今までの生活の
記憶は埋め込まれたニセモノでした。
 これも上のJ・ボードリヤールの考えから
影響を受けたと考えられます。 
 

 原作にもあった清掃業者さんのエピソード
が映画版・攻殻にもありますが、清掃男の妻子
の記憶がにせものと言う事を取調べの時、バトーに
言われて落ち込むわけですが、士郎正宗の絵だと
かなり可哀想で男がショックに見えますが
攻殻の機械的な感情のない絵だと全然そう思えません。
 この清掃男のエピソードも、もしかしたら
フィリップ・K・ディックの「トータルリコール」
の原作「追憶売ります」等から影響を受けている
のかもしれません。
 男の持っている写真に犬が写っているのを見ると
押井守の犬好きを思い出します。
 押井守は「自分の記憶だけで街を作ろう」と
言っていました。だからかはわかりませんが人形
や犬のカットが入りましたがあれも押井守の
記憶なのでしょうか?


 
 原作でタチコマ達が今の境遇に不満で
反乱を起こそう(?)と提案しているシーンが
あります。
 実際は素子がタチコマの思考パターンを
シミュレーションしている訳ですが、
 突然ですが、ロボット工学三原則を簡単に書くと
 ロボットは、
 1 人を傷つけてはいけない
 2 人の命令に逆らってはならない
 3 自分の身を守らなくてはならない
 ですが、これに零原則があるそうで、
それは1番目の人を人類に拡大解釈した
法則だそうで、04映画「アイ・ロボット」
はこの零法則を参考にして製作したそうです。
 タチコマ達のした事はまさに、この零法則
に当てはまる、と思いませんか?
 
 
 士郎正宗先生は博識だと思いますが、先生は
女の子同士のHも描きますし邪神ハンター
の挿絵等ぬるぬるの触手にからまれた女の子も
描きます。
 私はややこしいSFより、そっちの方が
良いんですがw