mardidupin

記憶の欠片あるいは幻影の中の真実。

樋口一葉和歌 その十四

2014-05-04 10:23:35 | 〈薄紅の部屋 (和歌)〉
なにとなきかれ色寒くみゆるかなあらし吹きしく小野の浅ぢふ


かれてたつただ一もともさびしきは嵐の庭の尾花なりけり


千鳥なくかもの河風みにしみて糺すの森に更けし月かな


かれわたる庭のあさぢふ照る月の色なきいろぞ寒けかりける


更けぬるか寒き河せの月かげにうらがなしくもなく千鳥かな


消残るみちのともし火暁の雪に照れるもさびしかりけり


くれて行く年の道さへみゆるかとおもふばかりにてる月夜かな


よしといひあしといふともから衣たゞ身一つをつゝむばかりぞ


のどかなる空の色かな年たちてゆるぶは人のこころのみかは


あやしくもあらたまりたる心かな昨日もとりし筆にやあらぬ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿