おいらが恋した女は
港町のあばずれ いつも
ドアを開けたままで着替えして
男達の気を引く浮気女
かもめ かもめ 笑っておくれ
おいらは文無しマドロス
バラ買うゼニも無い だから
ドアの前を行ったり来たりしても
恋した女じゃ手も出ない
かもめ かもめ 笑っておくれ
ところがある夜突然
成り上がり男が一人
バラを両手一杯に抱きかかえて
ほろ酔いで女のドアをたたいた
かもめ かもめ 笑っておくれ
女のまくらもとにゃバラの
花がにおって 二人
抱き合ってベッドにいるのかと思うと
おいらの心はまっくらくら
かもめ かもめ 笑っておくれ
おいらは恋した女の
まくらもとに飛び込んで ふいに
ジャックナイフをふりかざして
女の胸に赤いバラの贈り物
かもめ かもめ 笑っておくれ
おいらが贈ったバラは
港町にお似合いだよ たった
一輪ざしで色あせる
悲しい恋の血のバラだもの
かもめ かもめ 笑っておくれ
かもめ かもめ さよなら あばよ
浅川マキ
(作詞:寺山修司)
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