mardidupin

記憶の欠片あるいは幻影の中の真実。

《五羽のつばめ》

2014-07-10 02:59:12 | 〈からくり時計の小部屋〉


酒屋の軒の
つばめの巣
つばめのいない
つばめの巣

去年の夏
巣のなかに
五羽の子どもの
つばめがいた

小さな頭を並べ
小さな口を動かし
親のつばめから
餌をもらっていた

あの五羽の
子どものつばめは
いま何処に
いるでしょう

つばめの知恵
つばめの勇気
不思議なすばらしい
つばめの羽

あの五羽の
子どものつばめも
高く 高く 高く
空を渡って
いったのでしょう

遠く 遠く 遠く
海を越えて
いったのでしょう

遠く 遠く 遠く
雨のなか 風のなか

嵐の日も
あんな小さなつばめが
あんな小さな羽で


酒屋の軒の
つばめの巣
つばめのいない
つばめの巣

今年もつばめは
来るでしょうか

来るでしょう
きっとくるでしょう

詩:大木 実   





つばめの赤ちゃんが
みんな同じなら
よいのだけれど
なかに
は餌を落としたり
なかには巣から落っこったり
母さんつばめもたいへんだ

見上げて応援してるから
切れた蛍光灯そのままにしておくから
《五羽のつばめ》の歌のように
しっかり大きくなってほしい

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