その恋は横堀川の柳よりつばめの出づる趣に似し
四月来ぬ紺のはんてん着るつばめ憎きことなど云ひそなつばめ
紺青のわがかきつばた夕ぐれを深く苦しくいたましくする
うす色の牡丹の花のちるけはひ身に覚えつつ文かくわれは
水草に春の小雨のそそぐかな忍びてわらふ人のごとくに
散らす時桜はあまりましろしと寒げに云へる夕ぐれの風
大ぞらの灰がかりたる下に散る身も世もあらずかなしき桜
春の朝春のまひるも夕ぐれも淋しさつづくおのれとなりぬ
かろやかに羅のごと君はまつはりぬ腕の上に心の上に
わが君に恋のかさなる身のごとし白き薔薇も紅きさうびも
四月来ぬ紺のはんてん着るつばめ憎きことなど云ひそなつばめ
紺青のわがかきつばた夕ぐれを深く苦しくいたましくする
うす色の牡丹の花のちるけはひ身に覚えつつ文かくわれは
水草に春の小雨のそそぐかな忍びてわらふ人のごとくに
散らす時桜はあまりましろしと寒げに云へる夕ぐれの風
大ぞらの灰がかりたる下に散る身も世もあらずかなしき桜
春の朝春のまひるも夕ぐれも淋しさつづくおのれとなりぬ
かろやかに羅のごと君はまつはりぬ腕の上に心の上に
わが君に恋のかさなる身のごとし白き薔薇も紅きさうびも