mardidupin

記憶の欠片あるいは幻影の中の真実。

《七夕》山上憶良

2014-06-08 04:36:16 | 〈薄紅の部屋 (和歌)〉
                          天の川相向き立ちて我が恋ひし君来ますなり紐解き設けな 


ひさかたの天の川瀬に舟浮けて今夜か君が我がり来まさむ


風雲は二つの岸に通へども我が遠妻の言ぞ通はぬ


たぶてにも投げ越しつべき天の川隔てればかもあまたすべなし


秋風の吹きにし日よりいつしかと我が待ち恋ひし君ぞ来ませる


天の川いと川波は立たねどもさもらひかたし近きこの瀬を


袖振らば見も交しつべく近けども渡るすべなし秋にしあらねば


玉かぎるほのかに見えて別れなばもとなや恋ひむ逢ふ時までは


彦星の妻迎へ舟漕ぎ出らし天の川原に霧の立てるは


霞立つ天の川原に君待つとい行き帰るに裳の裾濡れぬ


天の川浮津の波音騒ぐなり我が待つ君し舟出すらしも

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