夜の帳にささめき尽きし星の今を下界の人の鬢のほつれよ
歌にきけな誰れ野の花に紅き否むおもむきあるかな春罪もつ子
髪五尺ときなば水にやはらかき少女ごころは秘めて放たじ
血ぞもゆるかさむひと夜の夢のやど春を行く人神おとしめな
椿それも梅もさなりき白かりきわが罪問はぬ色桃に見る
その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな
堂の鐘のひくきゆふべを前髪の桃のつぼみに経たまへ君
紫にもみうらにほふみだれ篋をかくしわづらふ宵の春の神
臙脂色は誰にかたらむ血のゆらぎ春のおもひのさかりの命
紫の濃き虹説きしさかづきに映る春の子眉毛かぼそき
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