万葉集ブログ・2 まんえふしふ 巻九~巻十

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1764 藤原房前

2010-10-31 | 巻九 雑歌
七夕歌一首(并短歌)

久堅乃 天漢尓 上瀬尓 珠橋渡之 下湍尓 船浮居 雨零而 風不吹登毛 風吹而 雨不落等物 裳不令濕 不息来益常 玉橋渡須

久方の 天の川原に 上つ瀬に 玉橋渡し 下つ瀬に 舟浮け据ゑ 雨降りて 風吹かずとも 風吹きて 雨降らずとも 裳濡らさず やまず来ませと 玉橋渡す


七夕の歌一首(ならびに短歌)

「“久方の”天の川原の、上流の急流に、美しい橋を渡し、下流の瀬にも、舟を浮かべて(渡し場に)据えました。雨が降って、風が吹かずとも、(また)風が吹いて、雨が降らなくても、衣装を濡らすことなく、休まないでいらっしゃい。(私が)美しい橋を渡してさしあげます」