建築弁護士の豆蔵です。
今週は、JASO(NPO法人耐震綜合安全機構)の耐震化アドバイザー講習で、
耐震化をめぐる法的リスクについてお話をさせていただきました。
ゼネコン時代の友人と、4年前に書いた「耐震化の法律読本」(建築技術)が繋いでくれたご縁です。
内容はJASOスクールの方々とご相談して、パワポにあるような2部構成としました。
具体的には、耐震化相談の依頼者側のリスクとしての所有者・占有者責任についてと、
受託者である設計者・アドバイザーの業務リスク、契約責任について、お話しました。
東京都の最新の耐震化政策のお話もあり、
また、講習後には、耐震化実務の悩みどころを具体的にお聞きし、大変勉強になりました。
既存建物の調査、設計、施工には、新築とは違う技術的な難しさがあります。
加えて、マンションの場合、住民さんたちの意思決定が大変です。
さらに、意思決定の前提として、技術的な内容をどう正しく理解してもらうか、という点も非常に悩ましい。
どの程度の規模の地震でどうなるか、とか、改修したらどの程度まで改善されるか、とか。
また、既存建物の調査の限界(既存リスク・発注者リスク)についても、伝えておかなければなりません。
東京都では、義務化されている範囲での耐震診断はかなり進んだそうです。
ただ、商業ビルは別として、マンションでは、次にどうするかが決まっていない。
診断義務化の範囲は、緊急輸送路の沿道などかなり限られていますから、
マンション全体での耐震化の道のりは、まだまだ遠い、と言わざるを得ません。
診断義務化の範囲は、緊急輸送路の沿道などかなり限られていますから、
マンション全体での耐震化の道のりは、まだまだ遠い、と言わざるを得ません。
耐震化の意識を社会全体で盛り上げるために、お手伝いできることは、まだまだやっていきます。