第164回芥川賞受賞作。その評価は選考委員をはじめ各方面からの絶賛の嵐だ。デビュー作「かか」で文藝賞と三島由紀夫賞のダブル受賞を果たしていた注目の作家とはいえ、二作目で最高峰を登ってしまったのだから驚きである。観察力はもちろんのこと、それを描写できる筆致の強さ、広さ、深さが秀逸である。21歳の若さが話題ではなく、作家としての力量に注目していただきたい。息の長い作家であり続けて、本読みを楽しませてくれる作家になってくれそうだ。
第164回芥川龍之介賞受賞作 逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し??