7/26(金)はベビーセミナー@東京。
東北~東海の助産師が集まり、私を含めて9名。
いつもより少ない人数でのセミナーだったが
受講者の一人が赤ちゃん連れで参加し、
そのままベビーモデルとなったため、終始賑やかに進行。
私が、ちょっと驚いたのは、
「新生児黄疸は、赤ちゃんの姿勢や、
ケアの仕方とは関係ない」と思っていた受講者がいたこと。
私は整体を勉強するまでは、
「関係あるのでは?」と、うすうす感じていたものの、
「当然関係ある」とまでは思っていなかった。
だから、関係ないと思っている助産師受講者がいるのは
仕方がないことなのだが、あまりにも自分の中では
「当たり前」になってしまっていた…。反省。
新生児黄疸は、血液型不適合によるものなどは
ケア方法とは関係ない。
しかし、ほとんどの新生児黄疸は、ケア方法と深く関係している。
【一般的な新生児黄疸の理由】
生後、肺で呼吸できるようになると、
胎児時代のようにたくさんの赤血球は不要になる。
過剰となった赤血球がたくさん壊される。
⇒ビリルビンができて、腸の中に出てくる。
ここまでは皆同じ。
【黄疸が強くならない新生児】
胎便(黒い便)を早く出してしまう。乳をたっぷり飲む。
⇒たっぷりの便と一緒にビリルビンが体内から出る
(便の黄色い色はビリルビン)
⇒黄疸は強くならない。
【黄疸が強くなる新生児】
胎便をなかなか出さない。乳をたっぷり飲まない。
⇒便と一緒にビリルビンが体内から出ない。
⇒腸からビリルビンが吸収されて、血中に入る。
⇒血中から皮下脂肪などにビリルビンが蓄積する。
⇒黄疸は強くなる。
体重が少なく、皮下脂肪が少ない子は、
⇒少ない脂肪の中に高濃度のビリルビンが蓄積
⇒血中のビリルビンも上昇
⇒黄疸がより強くなる。
【黄疸が強くならないようにするには】
1.低体重児を産まない
2.胎便を早く出す
3.乳をたっぷり飲めるようにする
4.黄色い便が早く出るようにする
5.体重が早く増えるようにする
まとめると以上のようになる。
【ケア方法でどう変わる?】
1…骨盤ケアで早産・低出生体重児を予防できる可能性UP
2…「おひなまきにして沐浴すると、全員その場で胎便が出る」と
ある助産院の院長から聞いた。
背中から腰にかけて硬く反っていると、便は出ないので、
理にかなっている。
沐浴をさせずタオルだ拭くだけでは、体は柔軟になりにくい。
3…体が柔軟で胎便がしっかり出ていれば、乳はよく飲める。
1~3により、4.5につながる。
受講者の一人(K市立医療センター、パート勤務)が言うには
「黄疸の光線療法が多くて、とても大変」
かたや、もう一人(県立N病院勤務)が言うには
「黄疸の光線療法は、一か月に一人くらいしかない」
両者を比べると、これほどの差!
光線療法を開始する基準は、両者が同じとは限らないので
一概には言えないのだが、これはどう考えても、
黄疸発生率は、KよりNの方が低いとしか考えられない。
関連記事「光線療法中の新生児の姿勢」
同様の先行論文としては栗原助産師のこれがある。
ということで、体が柔軟になる「まんまる育児」の方が、
黄疸が出にくいケア方法であることが示唆される。
また、「母乳栄養のためにはお風呂に入れない方がいい。
その理由は、赤ちゃんが疲れるから」などと言う人がいるが、
私は全くそれは根拠がないと思っている。
私は新生児の皮膚の清潔・生理機能の面だけでなく
院内感染防止の面でも
「ドライテクニック(タオルで拭く)より、
沐浴(お風呂)の方が良い」と思っている。
その根拠となる論文はここにある。
↓
余談だが、マイピーロネオのように赤ちゃんの首周りに当てるものは
「院内では必ず新生児一人に一個、専用で使用する。
絶対に供用してはいけない」ということは、
今や、日本の周産期医療の現場では、常識になりつつある。
それを常識として根付かせる礎を作ったのは、私達
京大産科の医師・助産婦達であり、私はその中心メンバーの一人だった。
新生児学会で研究発表したり、「産婦人科の実際」にも論文投稿した。
上記写真の論文は「京都大学助産婦同窓会誌 第97号」に掲載されている。
ご希望の方は、国立国会図書館に所蔵されているので、そちらでどうぞ。
ということで当時、京大は院内感染防止対策の先進施設だった。
そのため、国から院内感染対策マニュアルを作るよう命ぜられた。
私はその院内感染対策委員として
内科の肝炎専門医・血液専門医、産科の病棟医長・小児科医など共に
マニュアル作りに参加した。
なので、私はハンパな根拠でもって「沐浴の方が良い」
などと言っているのではないことが、皆さんにご理解いただけると思う。
骨盤ケア・ベビーケアがもう少し日本に定着したら、
ドライテクニックに大きく傾いてしまった新生児のスキンケアを
沐浴に戻すために頑張りたい!
つぐままさんのコメントに対する私のコメントが
1,000字以内に収まらなかったため、こちらをお読みください。
東北~東海の助産師が集まり、私を含めて9名。
いつもより少ない人数でのセミナーだったが
受講者の一人が赤ちゃん連れで参加し、
そのままベビーモデルとなったため、終始賑やかに進行。
私が、ちょっと驚いたのは、
「新生児黄疸は、赤ちゃんの姿勢や、
ケアの仕方とは関係ない」と思っていた受講者がいたこと。
私は整体を勉強するまでは、
「関係あるのでは?」と、うすうす感じていたものの、
「当然関係ある」とまでは思っていなかった。
だから、関係ないと思っている助産師受講者がいるのは
仕方がないことなのだが、あまりにも自分の中では
「当たり前」になってしまっていた…。反省。
新生児黄疸は、血液型不適合によるものなどは
ケア方法とは関係ない。
しかし、ほとんどの新生児黄疸は、ケア方法と深く関係している。
【一般的な新生児黄疸の理由】
生後、肺で呼吸できるようになると、
胎児時代のようにたくさんの赤血球は不要になる。
過剰となった赤血球がたくさん壊される。
⇒ビリルビンができて、腸の中に出てくる。
ここまでは皆同じ。
【黄疸が強くならない新生児】
胎便(黒い便)を早く出してしまう。乳をたっぷり飲む。
⇒たっぷりの便と一緒にビリルビンが体内から出る
(便の黄色い色はビリルビン)
⇒黄疸は強くならない。
【黄疸が強くなる新生児】
胎便をなかなか出さない。乳をたっぷり飲まない。
⇒便と一緒にビリルビンが体内から出ない。
⇒腸からビリルビンが吸収されて、血中に入る。
⇒血中から皮下脂肪などにビリルビンが蓄積する。
⇒黄疸は強くなる。
体重が少なく、皮下脂肪が少ない子は、
⇒少ない脂肪の中に高濃度のビリルビンが蓄積
⇒血中のビリルビンも上昇
⇒黄疸がより強くなる。
【黄疸が強くならないようにするには】
1.低体重児を産まない
2.胎便を早く出す
3.乳をたっぷり飲めるようにする
4.黄色い便が早く出るようにする
5.体重が早く増えるようにする
まとめると以上のようになる。
【ケア方法でどう変わる?】
1…骨盤ケアで早産・低出生体重児を予防できる可能性UP
2…「おひなまきにして沐浴すると、全員その場で胎便が出る」と
ある助産院の院長から聞いた。
背中から腰にかけて硬く反っていると、便は出ないので、
理にかなっている。
沐浴をさせずタオルだ拭くだけでは、体は柔軟になりにくい。
3…体が柔軟で胎便がしっかり出ていれば、乳はよく飲める。
1~3により、4.5につながる。
受講者の一人(K市立医療センター、パート勤務)が言うには
「黄疸の光線療法が多くて、とても大変」
かたや、もう一人(県立N病院勤務)が言うには
「黄疸の光線療法は、一か月に一人くらいしかない」
両者を比べると、これほどの差!
光線療法を開始する基準は、両者が同じとは限らないので
一概には言えないのだが、これはどう考えても、
黄疸発生率は、KよりNの方が低いとしか考えられない。
関連記事「光線療法中の新生児の姿勢」
同様の先行論文としては栗原助産師のこれがある。
ということで、体が柔軟になる「まんまる育児」の方が、
黄疸が出にくいケア方法であることが示唆される。
また、「母乳栄養のためにはお風呂に入れない方がいい。
その理由は、赤ちゃんが疲れるから」などと言う人がいるが、
私は全くそれは根拠がないと思っている。
私は新生児の皮膚の清潔・生理機能の面だけでなく
院内感染防止の面でも
「ドライテクニック(タオルで拭く)より、
沐浴(お風呂)の方が良い」と思っている。
その根拠となる論文はここにある。
↓
余談だが、マイピーロネオのように赤ちゃんの首周りに当てるものは
「院内では必ず新生児一人に一個、専用で使用する。
絶対に供用してはいけない」ということは、
今や、日本の周産期医療の現場では、常識になりつつある。
それを常識として根付かせる礎を作ったのは、私達
京大産科の医師・助産婦達であり、私はその中心メンバーの一人だった。
新生児学会で研究発表したり、「産婦人科の実際」にも論文投稿した。
上記写真の論文は「京都大学助産婦同窓会誌 第97号」に掲載されている。
ご希望の方は、国立国会図書館に所蔵されているので、そちらでどうぞ。
ということで当時、京大は院内感染防止対策の先進施設だった。
そのため、国から院内感染対策マニュアルを作るよう命ぜられた。
私はその院内感染対策委員として
内科の肝炎専門医・血液専門医、産科の病棟医長・小児科医など共に
マニュアル作りに参加した。
なので、私はハンパな根拠でもって「沐浴の方が良い」
などと言っているのではないことが、皆さんにご理解いただけると思う。
骨盤ケア・ベビーケアがもう少し日本に定着したら、
ドライテクニックに大きく傾いてしまった新生児のスキンケアを
沐浴に戻すために頑張りたい!
つぐままさんのコメントに対する私のコメントが
1,000字以内に収まらなかったため、こちらをお読みください。
その病院は以下の理由でドライケアを推奨していました。
•胎脂の役割
1.赤ちゃんをばい菌や寒さなどから守る
2.保湿クリームのように赤ちゃんの肌を保護する
3.お母さんのにおいがあるため、赤ちゃんがお母さんのことを特別な存在と感じ、絆を深めるのに役立つ
•生後早期に赤ちゃんをお風呂に入れるデメリット
1.胎脂を積極的に落とすことになる
2.体温が下がる
3.他の赤ちゃんと同じ沐浴槽を使うことで、感染の機会となりやすい
しかし、光線療法にはならなかったものの一ヶ月検診でも黄疸がひどくもう少しで光線療法になるところでした。
まさかドライテクニックが関係しているなんて・・・初めて知り驚きました。
ドライテクニックが最先端で赤ちゃんには一番良いものなのだと思い込んでいました。
さて、わが子も六カ月になりました。
天使の寝床でまんまるを心がけていましたが最近は私のお布団で共に眠ることがほとんどです。
今はマットの上に綿布団を敷いて比較的軟らかい上で寝かせていますが、一緒なお布団で眠るときのお布団の選び方に何か注意点はありますか?
授乳枕のベッドでも寝かせたりしていましたが、今は嫌がってしまいます。
眠っているときは向き癖は無いのですが、逆に頭が絶壁なので左右交互にしています。しかし、自分で動いてまっすぐ仰向けになって眠っています。