★★★★
夏公開だったものの観に行けず、名画座で上映されていたので観に行ってきました。
噂にたがわず確かに今年観ておくべき一作だったのには違いないです。
「桐島」というスポーツ万能、成績優秀の学園のスーパースター桐島が
部活を辞めるという話で学園全体が騒然となる。
といってもこの「桐島」は劇中に出てこない。
この出てこない「桐島」をめぐって多くの人が振り回されるのである。
しかし「桐島」にすべての人が振り回されるわけではない。
今の学園には、様々な人種がいる。
体育会系、リア充系、オタク系、真面目系。
今までの学園モノであるいわゆる体育会系、リア充系以外の要素を多分に含んで、
それぞれに対しての「桐島」がいる(もともと目に入っていないという面もふくむ)。
「桐島」が部活をやめることによって振り回されたのは、
いわゆる今までの青春映画の価値観の側にいた人間たちであった。
そして、その「桐島」無き後の世界を
『それでも俺たちは生きていかなければならない』というフレーズとともに、
もともと「桐島」がいなかった人たちと「桐島」を信じていた人たちとの
交錯によって描く大団円は、本当にすばらしかったです。
いままでの青春映画を蹴飛ばした上に成り立つ、この映画の凄さがあったのだと思う。
そしてもう一つこの映画の魅力は、橋本愛ちゃんの存在。
もう満島ひかり以来の大ヒットなのです。
(満島ひかりってフレーズも出てきていたなぁ)
形式上、リア充系路線でありながら、一歩引いた立ち位置。
もうこんな心奪われっぱなしです。
詳しい、桐島解説は、こちらのサイトがよかったです。