★★★☆
12月公開という映画を夏の試写会でみるという何とも気合の入った作品。
天下の茶人、千利休が主人公。
千利休というと侘び寂びの人という印象だが、映画ではギラっとしつつも秘めた思いを持っている利休として描かれている。
利休を演じているのは市川海老蔵。
本作が意図するギラっとした要素としとやかな作法の奥の秘めた思いをというものを上手く表した名キャスティングでした。
この秘めた思い。
それがこの映画のキーポイント。
映画後半に若かりし頃の利休を描いておりそこでその秘密が明かされている。
非常に美しい映画でした。
利休の周りにあふれる「美」。
それは世間一般(特に秀吉)と離れたところとの対比によってそれが一層際立たせられています。
秀吉が「力」で人々の統一をはかった一方で、
利休は「美」で人々の心を摑んでいたということがよくわかります。
人の心を掴むのには剛と柔の二つがある。
そんなことを感じさせる美しい映画でした。