![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/79/f16854a813f07e09a0857ad802e8faa0.jpg)
★★★★
「アバター」とともに今年観ておくべき映画。
これまでの映画の定説である「宇宙人は強い!」という設定を覆す宇宙人の設定。
友好的な宇宙人であったの代表が「ET」。
反対に宇宙人とは高度文明を持ち地球征服をしに来る映画の代表が、
「インディペンデンスデイ」だとすると、本作はそのどちらでもない。
南アフリカにやってきた宇宙人。
帰る術がない彼らは、強いのだけど、弱い。
そしてヨハネスブルクに20年もの間、隔離エリアに住まわされ、
それはスラム街のようになっていっているという設定。
「エビ」と言われている宇宙人は、はっきり言って気持ち悪い。
大画面のスクリーンで動き回る宇宙人は、
最初の1時間ぐらい気持ち悪い意外の何物でもない。
(テレビCMでは宇宙人にモザイクを入れていたが、これは正しい。
この姿を観るだけで、気持ち悪くなるし、これを2時間観ると思うと
映画館に足を運ばなくなるでしょう)
しかし、ストーリーが進むにつれて、親近感が生まれてくるのである。
ここが不思議なところであるし、監督の腕なのであろう。
南アフリカという設定からもアパルトヘイトを彷彿とさせる。
「地球人」と「宇宙人」という設定を「黒人」と「白人」ということに
置き換えるのは簡単であろう。
そして黒人に対して持っていた白人の相容れない
生理的に受け付けないという感情がこの「宇宙人」の描き方に表れている。
もし自分がアパルトヘイト時代の南アフリカの白人だったら、
おそらく疑いもなくこの感情を持っていたのだろうと思ってしまう。
物語は、全てを解決しないで途中で終わる。
それが現在の南アフリカの、解決途上ということをも表わしている。
今年は、南アフリカイヤー。
「インビクタス 負けざる者たち」とは全く違う角度から
南アフリカを描いたということでも観ておくべき1本。
■映画「インビクタス 負けざる者たち」
http://blog.goo.ne.jp/mailto1979/e/8e3056e90043d487c67a5b31ae2ef113