maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

NIKON F と S3 老兵は死なず・・・

2005-04-03 16:26:35 | 支離滅裂-物曼荼羅

NIKON F(40年来の相棒)

NIKON F W/Nikkor-S F=5cm 1:1.4
Eye level finder+motor Drive
☆クリックで22Kbの画像が表示されます。

ど~です、この如何にも機械、機械した面構え。
実用に徹した信頼性の高い道具が持つ美しさがありますなぁ。

本来、私ごときが手にして使える写真機ではありませんでした。
元はと言えば、学生時代、某新聞社写真部でアルバイトをしていたことがありまして、そのときに使っておりました社給品。

たかが学生アルバイトに良い機材を貸与する訳もなく、酷使されて、当時すでにガタガタの状態だったんでしょうねぇ。
多分その時点で、もう員数外だったのかも知れません。
それでも、Fを使えるだけで、何やら誇らしかったですなぁ。

素人のアルバイトにプロ中のプロが期待をする筈が無い。
手ぶれとピンぼけはご法度、とにかくシャープな写真さえ撮って来たらば、少々構図が悪くてもOK。
TryXをポケット一杯詰め込んで、腕章付けて、一端のカメラマン気分でした。

撮りに行く写真と言えば、百貨店の屋上、遊園地での催し物の、スポンサーに見せる現場写真。
間違っても紙面を飾るようなものではありません。
当たり前ですわねぇ。
ひょっとしてまぐれ当たりに事件、事故写真を撮れんでもないとキョトキョトしてたけれど、一回も巡り逢わんかったなぁ。

アルバイト希望者多数の為、バイト料は、ま~安かった。
安いどころか顔を出しても、仕事が無ければ一銭にもならんのです。
行って来いといわれて、催し会場で写真を撮って、フィルムを渡すと幾許かのバイト料をくれるんですが、さてあれは新聞社から正規に出てたんやろか?

そのかわりと言っては何ですが、フイルムは使い放題、買うたことなし。
さすがに現像してくれとは言えませんが、急ぐ場合は濡れたフィルムをさっとアルコールに浸して乾燥させる、てな技を教えてもろたりしてました。
もっとも覚えたものの、自分ではアルコールが手近にないし、わざわざ買ってまで急いで現像する写真を撮るでなし、試した事はなかったですねぇ。

自分の現像は学校の研究室に暗室があったので楽勝。
現像、定着液はコダックの処方で、応用化学科の友達にちょろまかして貰った薬品で自作。
さすがに現像タンクと印画紙だけは小遣いで買いました。
引伸機なぞ無いので、暗室でフィルムを印画紙の上に並べてガラスで抑え、電灯を点けて1、2、3、4、と時間を見計らってパッチン、密着ベタ焼き専門。

機材入れ替えでお払い箱にするから「欲しかったらあげる。」といわれた時は、踊り上がるほど嬉しかったですねぇ。
さすがに標準以外のレンズは貰えませんでしたが、モータードライブ(モードラ)をおまけにつけてくれました。

もっとも、この機種のモードラは、裏蓋と一体になってまして、一台ごとに調整が必要ですねん。
同じ機種だからといって簡単に使いまわしが出来へんのです。
置いといても仕方無いからくれたんでしょうなぁ。
日本光学のプロショップに新聞社から電話を入れといてもろて、モードラ諸共自費でオーバーホールしてもらいました。

ボディー上部シャッターそばの角ッコが指で擦れて、ボディ軍艦部の真鍮板が薄くなって光が漏れかけるほど酷使されてたので、帰ってきたときはほとんどの部品が取替えられて、新品同然。
一般より遥かに格安やった新聞社価格の修理代でも、一か月分のアルバイト料で足りませんでした。
とは言うものの、買うことを思えばほぼ十分の一。

それから、かれこれ四十年以上使い続けて、まだ壊れません。
ゴツイ、重い、頑丈。
スローシャッターを切るとツクツクボウシみたいな音色がしますがこれはご愛嬌。

露出計の水銀電池は既に製造中止になりましたが、普段は露出計が組み込まれていないアイレベルのファインダーをつけているので電池要らずで問題なし。
それにしても、何か代用品があるはずと、空気電池で仕様ぴったりを探し出しました。
ところが入手困難になってこの始末(2002/04/14)⇒ここ

Nikon S3(大好きな写真機)

NIKON S3 W/W-Nikkor F=3.5cm 1:1.8
☆クリックで38Kbの画像が表示されます。

ピッカリコニカのページでも書きましたが、中古機修理の過程で手に入ったんです。

距離計の半透過鏡の取り付けが狂っていたのを調整して、シャッター速度がバラついていたので、バラしてばねを一寸調整、清掃後、組み直し。
例によってTV画面で計測、直っていることを確認しました。

NIKON S(画像サイズ33Kb)、NIKON S2(画像サイズ37Kb)、NIKON SP(画像サイズ29Kb)も手元に有るのですが、Sのファインダーは暗い上に倍率が0.6でピントをあわせ難く、接眼レンズも小さくて論外です。

S2は等倍ファインダーが見やすくて5cmの標準レンズを使う分には素晴らしい写真機やと思います。
ただ惜しい事にファインダーが3.5cmの広角レンズに対応していないんです。
広角レンズをつけてとなれば、S3には敵いません、万一S3が壊れたらS2の出番なんですが、S3は快調そのもの、壊れませんねぇ。

コレクターに人気があると言われているSPは、ライカのファインダーに慣れた人はいざ知らず、凝り過ぎのファインダーが使いづらくて、どうしても馴染めんのです。
関連記事⇒幻の名機?

何と言うても、S3が一番使いやすくてお気に入り。
操作部分がFとそっくり一緒なので、Fのサブとして取っかえ引っかえ使っても違和感なく使えます。
レンジファインダー機はミラーを撥ね上げるショックが無いから、手持ちで一眼レフよりも2段位遅いシャッターを切れるのもエエなぁ。
夜の室内でもストロボ無しで充分写せます。

シャッター音も静かで、小柄なので相手に威圧感を感じさせないのも利点。
目方が軽いので持って歩くのに苦になりません。
一寸広角気味のレンズをつけて、絞り込んだらオールフォーカス。
腰だめでも結構写せるんですよ。
もっぱらF3.5cm 1:1.8のレンズを着けて使っております。

レンズ・マウントが同じなので、古いドイツ・Contaxのカール・ツアイスレンズも使えるのも嬉しい。
勿論逆にContaxにNikonのレンズも装着できます。
ContaxⅡ(画像サイズ37Kb)に着けて試して見ると、フランジバックが厳密には僅か違うので、ほんの少しだけピントが狂いますが、一寸絞れば十分被写界深度に入って、実用上は何の問題もあれへんのです。

NIKON S3も使い始めて早三十年以上経ちました。
目玉の露出計が最近は精度が落ちてねぇ、焦点合わせもこれ又老眼で甚だ頼り無い。
折角の写真機の性能を充分引出せんで、すまんなぁ・・・。

両方とも裸で振り回すので傷だらけ、とても売り物にはなりません。
もっとも物好きに欲しいと言われても売る気もなし、私の手元が終の棲家。
今更、完全自動露出やオートフォーカスてなもんに浮気をせぇへんよって、今後とも、よろしゅう頼んまっせ。

2002/02/24
2005/04/03 写真入替、加筆修整。

 



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