maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

年神(トシガミ)-3

2015-01-18 12:39:25 | 支離滅裂- 迷想迷夢-年神(トシガミ)

知~らんで、知~らんで! 
<お断り>
例によりまして、記事の内容は特定の団体や個人とは全く関係ございません。
たまたま同名団体や個人が実在しておりましても、全くの偶然です。
アレレ?と思い当たられる方があってもそれは思い過ごし、決して貴方がモデルでは有りません。
</お断り>


「そうは言うても元が違うがな」
「そういう考え方はよろしくない。そもそも、あんたらも元々この国で湧いた訳や無い。大陸とつながってた頃から居てた連中に、南の島から流れてきたか、大 陸から渡って来たんがミックスジュースになったんやがな。辿り付いたのが早いか遅いかの違いだけで五十歩百歩、目糞鼻糞で同じでっせ。そう思えば日本国内 の民族差別がいかにアホらしいかが判りますやろ」

「ほぉ、ただの不細工な神さんかと思えば、中々言いますなぁ!そらボウフラやセンチムシ(雪隠虫)やあるまいし湧きはせんけど・・・、すると大陸でも門松立てるんでっか?」
「それが話せば長い事ながら、大陸に居った頃は『年(ニェン)』というて凶暴な怪物やったんやそうな。赤い色と大きな音が嫌いでな。いやいや、これを話し出すと長うなるから、あんた暇な折に自分でWebで調べなはれ。」
「Webで調べぇてかいな!神さんもエライ事を知ってますなぁ。」
「知らいでかいな、天の下神の知らぬ事は無いんじゃわいやい。」
「又エラソォに。先刻ハエ叩きで落とされたんは誰やってん?」

「ところで来る時に門松に降りたのは判ったけど、帰りはどうしはりますねん?」
「それがやなぁ、ほんまは門松や注連縄を燃やす煙に乗って帰るんや。ところが最近ほんまもんの正月が来る前に門松を燃やされてしまうから、止む無くキリシタンバテレンの暦の正月だけで、子孫に充分な福を授ける事も出来ず、心を残しつつも涙を呑んで帰るんやがな。」

「帰るんやがな、て貴方居残ってますやんか」
「そう、大事な子孫に五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄の幸をキッチリ授けようと思うてな、実はこの所お宮さんで燃やす松の落ち葉の煙に便乗して帰ってるんや が、あれは鈍行やからまだるっこしいていかん。以前、濃い煙が立っててあれなら速いかいなとウカッと乗ったらゴミ処理場のでなぁ。体中湿疹が出来て参って しもた。」
「それはご苦労さんですなぁ。ほんなら今年はウチの庭で、松の枝燃やしますよってそれに乗って帰りはったらどないです。」
「そうしてくれるか、それは助かるなぁ。お礼に念を入れときまっさ。五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄、五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄、キエェ~~~イ」

「ところでその松は何時燃やしたらよろしいねん?」
「一月の十五日にお願いできるかいな?」
「それはもう済みましたがな」
「そやから、毛唐の暦や無しにほんまもんの方の一月の満月!」
「え~っと、ということは二月の二十四日かいな?」
一月の十五日いうてますやろ、判らんお人やなぁ!」
「エラソウに五月蝿う言うねんやったら、鈍行か痒々の煙で帰りまっか?」

「鈍行で帰るくらいやったら、このまま来年まで居てよかな?」
「判った判った、燃やしますがな。近所のマンションから煙たいといわれようが、ド~ンと燃やすよって、そういう不埒な考えは捨てなはれ。早よお通り」
「そないにホイト(乞食)を追うように言うもんやない。わしが居てたら賑(ニ)やかしいてエエで。力仕事はようせんが、留守の時の宅急便の受け取りくらいはするがな。」
「あんたがハンコもって出て行ったらクロネコが腰抜かすわ。」

「いやあの黒猫は腰抜かすどころか凶暴やで、先日も寝込みを襲われて、追い廻されて酷い目に遭うた。」
「今年はイタチが元気エエなぁと思うてたら、夜中に天井裏を走り回ってたんはあんたでしたんか!」
「走ってたんは黒猫、わしは飛んでたんやがな、寝呆けてたよって時々柱やら梁にぶつかりはしたが、そないに音は立ててない。」
「そんな事無い、家鳴りしてましたで。あのねぇクロネコ言うのは宅急便ですがな。」
「それなら宅急便と言やぁエエのに、クロネコてな事を言うよって。そういうズボラな言い方をせずに折り目正しくヤマト運輸と言いなはれ。エエ年こいてるねんから・・・、アッ!蝿叩きなんか持ってどうしますねん」

「五月蝿い事いうからお仕置きをしょうかいなと」
「もし、私お前(マ)はんの先祖で、その上神さんやいうのんお忘れやおまへんか?」
「忘れてないけど、賢(サカ)しらげに説教めいた事を言うのが勘に触る」
「けれこれ、ご先祖をそまつにしたらあきまへんで」
「オバアちゃん、こいつが先祖に見えるかえ?」
「いっかな見えへんけど、本人が言うてますがな、なんまんだぶ、なんまんだぶ」
「そうそう、私を大事にせんと罰が当たりまっせ」
「自分で言うてりゃ世話がないわ。子孫に財宝も残さんどころか、マゴの怪我さえもよう防がんわ、髪の毛の抜けるのんすらよう防がんと、どんな罰が当てられるいうねん、大きな頬桁(ホゲタ)叩きな。」
「お言葉なれど、禿はワタイの責任やない、」
「ペシッ!」

「ウヮ~ン、おっちゃんが苛めたぁ~」
「ダンさん止めなはれ、可哀相やんか。キャッ!チョット甘い顔見せたら嫌らしいしな垂れかかって、何やのんこの手は、助平!チョットあれ貸して」
「ホイヨ、ハエ叩き♪」
「ペシッ!」
「エエ加減にしなはれ、マゴが呆れて見てますがな、なんまんだぶ、なんまんだぶ、な~んまんだ~んぶ」

「ア~ン又叩かれた」
「あんたも神さんやねんから泣きなはんな、どれ涙を拭いたげよ、こっちへおいなはれ」
「年よりは厭じゃ・・・」
「ペシッ!」
「ほぉ~、さすがに卆壽がすんだらヨボついてきたかいなと心配してたが、抜く手も見せぬ中々鋭いハエ叩き捌き、いやお見事!」
「なんの、槍は錆びても名は寂びぬ 昔忘れぬ落し差し、エサアーサーヨイヨイ、ヨイヨイエーヨンヤサー♪」

さぁ、もぉこうなったら覚悟を決めた。
何処の野面で果てるとも、行けるとこまで行って見るか!
とはいうものの、内心はちと心配になって来たなぁ。
よ~し、次回はまとめるぞ!っと・・・。
まとまるやろか?

2005/02/02


年神(トシガミ)-4 (完) 


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