maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

49-ED BARRAR-04-U.S.A.1964-No.49(8/2)

2022-06-03 15:40:17 | 虚々実々-U.S.A.-1964

スタッフ活動開始

達成感のないままトイレを出て、一旦テントに戻ってしばらくすると、ラッパの音がします。
さては国旗掲揚か?メロディーが夕方と違うような気がしますね。
急ぎ足で国旗掲揚柱の方へ言ってみると、やはりそうでした。
食堂の小熊小父さんがラッパを吹いて、ボスとリックが直立不動で敬礼、バードというもう1人の Ranger のスタッフが国旗を揚げています。
どうやらこの4人が国旗の上げ下げのメンバーのようです。

食堂が開くので、朝飯を食いに食堂へ行きました。
パンケーキ2枚10¢バター・ジャム・シロップ付け放題、紙パックのミルク5¢。
最低のサイドジョブが1日5$だそうですから、パンケーキ100枚分?
はて、安いのか高いのか?
ボブはパンケーキを4枚重ねて、ダボダボとシロップをかけて、食べています。
2枚買って、バターを載せて無料のコーヒーを手に隣に陣取りました。

「スコップを借りたいんだけど」
「スコップってなんだい?」
「地べたを掘る道具、小さなショベル」
「アァ、スクープか!」
又もや、カタカナが通じませんねぇ・・。
スクープ?ショベルが通じてスコップが通じないとはどういうことなのかなぁ?
「Honey にあるからリックに言えば貸してくれるよ」
「スクープが何だって?」と丁度リックが入ってきました。
「貸して欲しいんです」
「ちょっと待って」と出て行ったかと思うと手に持って来ました。
ロバのエドの運動場を掃除していたそうです。
「もう、使わないからそのまま持って行って良いよ。他にもあるから、それは君のテントに置いておけばいいさ」
上手くいきましたね。

朝飯を食べると、雰囲気が盛り上がってきたので、スコップ片手に、朝のお勤め再挑戦。
自分のテントから少し森に入ったところに適当な藪がありました。
いつも日本の山でしているのと同じように穴を堀りにかかったんですが、土がフワフワ。
掘り易いのはありがたいんですが、縁が崩れやすいんです。
足を踏ん張るところに、適当な石でも崩れ止めに置きたいところなんですが、石ころが全く見当たらないんですね。
事態はいよいよ切迫してきたので、なるべく土を崩さないようにそっとしゃがんだんですが、ボロボロと崩れて行くんです、まるで蟻地獄。
足を置いている場所をジリジリと広げていると、股裂き状態で姿勢がドンドン不安定になって行きます。
まるで土俵入り、スコップに取りすがって、何とか済ましたものの、これは次回から何か方法を考えないと、自分のナニの上にあえなく転落しかねません。
大き目の穴の上に丸太を2本並べて、その上に乗るのが良いでしょうね。

爽やかになったところで Tanaka さんの Troop 7 に出勤。
朝ご飯の真っ最中。
コーンフレークみたいなのにミルクをかけて食べています。
日本のキャンプでは先ずお目にかからない朝飯ですね。

Rope Work は 子供達が皆持っているハンドブックに載っている結び方を教えるだけ。
結び方といってもそんなに特殊なのは無いし、名前がわからなくても絵が描いてあるから楽勝です。
しかもごく初歩的な、一結び、二結び、本結び、八の字結び、一重つぎ、もやい結び。
ケマン結び、とかトンボ結びなぞという難しいのは全くなし。
先ず見本を見せて、後は各自で練習、自信が出来たら見せにきて、私の目の前で結んで、OKなら Tanaka さんが本にチェックしてサイン。
2時間ほどで予定終了、昼ご飯の準備は11:00からなのだそうで、皆んなでお散歩に行くことにしました。

この辺りの森は、下草があまり茂っていないので、道でなくても何処でも歩けます。
あまり植物の種類は多くないみたいです。
Woodside troop 159 へ行くとクリスが丸太縛りの講習をしていました。
Tanaka さんが「君、あんなのも出来ますか?」と聞くので、
「もちろん!」と言うと、昼からのプログラムは縛材講習に決定。
そうなると丸太を調達しなければなりません。
クリスに訊くと「この方角に10分ほどのところにいくらでもある」というので、急遽お散歩は丸太運びに変更です。
なるほど、森の一角に太枝や若木を切ったのが積んで有ります。あまり太いのは避けて適当なのを子供2人に1っ本ずつ運ばせます。
私はトイレの足場用のを調達。

昼ご飯は、何かと思えばサンドウィッチなんだそうです。
どうもキャンプらしい料理が登場しませんね。
1人に山形食パン2切れ、野菜を洗って適当に切って、腕より太いソーセージの薄切りをはさんでお終い。
飲み物はパックに入ったオレンジジュース。
これなら火を燃やす事も無く、アッと行う間に出来ます。
「一緒に食べよう」とさそってもらったので、ありがたくご馳走になりました。

Tanaka さんはサン・マテオで会計事務所(?)を開いているんだそうです。
1週間もキャンプに来て、仕事は大丈夫なんでしょうか?
「これが私のサマー・ホリディの半分さ。残りの半分は今月の末に家族みんなで旅行に行くんだ。」
ヘ~、優雅ですねぇ。
「あのかまどの側に居るのが私の上の息子さ、娘と下の息子は家内と明後日(8/4)遊びに来るよ」
「日帰りですか?」
「いや、Murphys の町に一泊して、翌日はヨセミテへ寄ってかえるんだよ」
ヨセミテ!行って見たいですね。

一息入れて、さて縛材の講習会。
日本なら盆踊りの櫓や、御神輿の組み立てなんかでおなじみの丸太縛りですが、アメリカではどうなんでしょうか?
Tanaka さんにハンドブックを見せてもらうと、見覚えのある吊橋や物見台の絵が有ります。
幸い大きな木が生えているから、木から木への「吊橋もどき」が良いだろう。
夫々の橋脚を立ち木に縛り付ければ、こける気遣いはないし、高さを少し低くすれば安全だ、と意見がまとまりました。
これなら、三脚の大きいのを2組作るだけです。
早速丸太の寸法合わせ。
アメリカにはナタは無いんですねぇ。
斧か・・・、斧は馴染みが無いなぁ。
こんな事なら、ナタを持って来るんでしたね。

Tanaka さんが組み立て式の鋸を取り出しました。
これがシャクシャクと恐ろしいほど良く切れる。
ひょっとしたら、この丸太は根性無しか?と心配になって、引っ叩いてみたら結構、力のある音がします。
どうやらスギ程度の丈夫さは充分あるようです。
と言う事は鋸の切れ味が素晴らしいんですね。
皆を集めて先ず一ヶ所角縛りのお手本を見せます。
紙箱を開いた大きなボール紙に、Tanaka さんがハンドブックの絵を拡大して描いた設計図を基に、子供達が丸太に群がって、その賑やかな事。
養鶏場にイタチが殴り込んだような大騒ぎです。
Tanaka さんも指導するのを忘れて、アアでも無い、コウでも無いと熱中しています。
3時間ほど掛かって完成!

先ず Troop Master が渡り初めです。
「チョッと待ってください」と、リボン代わりにトイレットペーパーを登り口に渡して、ポケットナイフでテープカットをしてもらいました。
子供達の歓声に、吊橋の真中で手を振って答える Tanaka さんは本当に得意そうです。
一度に渡ると危ないので、身長の順に子供達を並べて、1人ずつ渡します。
これでは夕飯の支度が間に合わないので、此処は Tanaka さんに任せて、私が全員の夕食作りに取り掛かりました。

今夜の献立を訊くとシチューとマメ。
シチューはクーラーボックスの中の紙箱にに材料を纏めて入れてあるから、それを全部使ってくれとの事。
見てみると日付を描いた紙箱に、肉の塊とタマネギ、人参、ジャガイモ、何だか見たことのない葉っぱと、きれいに盛り付けたシチューの写真が印刷された袋が6つ入っています。
水の量をパイントとかガロンで書かれると、どうもピンとこなくて不安です。
所々わからない単語もあるので、余計に自信が持てませんねぇ。
なんだかシチューの素が多すぎるような気もするなぁ。
鍋を6つ並べて片っ端から適当に切った材料を放りこんで、水を入れてカマド2つに鍋を3つずつかけて、後は火をドンドン燃やすだけ。
煮えたところで、袋を開けてシチューの素を入れてと、ものの1時間もしないで完成です。
マメは缶を開けて火の側において、暖めるだけ、とは言うものの、焦げると不味いので、放って置けません。
時々、かき混ぜて、ついでに味見。
大豆のようですがそれにしては大粒過ぎるような?
薄い塩味がついていて癖の無い味ですね。
シチューの方も、丸い泡がボコボコ出て煮えたぎっています。
かなりトロミが有るなぁ。
ヒョットしたら分量が違ったか?

吊橋のほうは、お互いに写真を写したりして、まだまだ大盛況。
いやに人数が多いと思ったら、クリスや Troop 159 の子供達も来ています。

子供たちは自分たちが作った吊橋に「Seven's Bridge」とボール紙の名札をかけて自慢気です。

興奮が少し納まったようなので「食事が出来てますよ」と言うと、
「勿論一緒に食べてくれるだろ?」
自分の作ったものをイヤとは言えません。
まぁ、見た目はともかく、我ながら中々美味しい!
エラそうな事を言ってますが、シチューの素をブチ込んだだけですから、誰が作っても同じ味に出来るんですよ。


2003/06/08:初出
2022/06/03:再録

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