maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

54-ED BARRAR-09-U.S.A.1964-No.54(8/4)

2022-06-05 16:12:28 | 虚々実々-U.S.A.-1964

キャンプ・ファイヤーの準備

昨日の不本意な成績を挽回しようと、朝の早くからバートのテントに集まりました。
木々の上の方ではガサガサと物音がしています。
思い思いの場所に陣取って、息をひそめて待っていると、最初のリスが姿を見せました。
ボブの提案で「リスが出て来ても、しばらく辛抱して、ボブの掛け声でいっせいに撃とう」という事になっています。
石を投げたら当たりそうな距離ですから、リス共にも人間が見えているに違い有りません。
しょっちゅう仲間が殺されても居場所を変えないというのは、よほどこの森に執着があるのか、それとも極め付きのバカなのか?

「Now!」とボブが大声を出すと一瞬リスが動きを止めます。
パン、パン、パン、ほんとに迫力の無い音ですね。
火薬の量が相当少ないのか知らん?
今度は私も一応発射したけれど、狙ったリスは元気に木を駆け上って行ってしまいました。
獲物を拾いに行くと、なんと5匹!
あの短い間に良く撃てたもんですね。
どうやらバートとボブが2匹づつ仕留めたようです。
サッサと吊るして、血抜きをして、二回目までにコーヒーでも入れるかとバートがごそごそやりだしました。
森はシーンとしています。カップが1個しか無いので、毒蛇キットの缶や、食器を総動員。食器はまだいいのですが、毒蛇キットの缶は熱くて口をつけるどころか、持つことも出来ません。
やっと冷めたコーヒーを飲んでいると、リスが動き出しました。
あまり音を立てないように待っていると、出てきましたね。

充分間を置いてパン、パン。
サッとリスは姿を消しました。
今度は3匹、私はまたしても外れ。
もう良いだろうと言うので、リス撃ちはお終い。
弾を抜いて、銃の掃除をして、バートは国旗掲揚の為にユニフォームに着替え。
銃とリスを持って食堂へ行きます。
子熊小父さんは8匹が入った箱を見てニコニコしています。
Honey で銃を返して、三人は例のトイレへ、私はテントに帰ってスコップ片手にお散歩。
昨日の場所に足場の丸太を置いてあるので4,5mはなれたところに穴を掘って、瞑想に耽りました。

今日はキャンプ・ファイヤー。
午前中は子供達も全員で丸太運び。
午後はキャンプ・ファイヤーでの出し物の準備だそうです。
我々スタッフは焚き火の準備。
小山のように有った丸太も、1人2往復でファイヤー・サイトに移動しました。

丸太運びでかいた汗をプールで流して、お決まりのサンドウィッチ。
満腹で Honey のポーチから森を眺めて、気持ちのいい仲間とトグロを巻いていると、今更ながらに夢みたいです。

さて、午後の作業をはじめるか、と広場に行って大仕事を一番にしなければならないのを思い出しました。
ファイヤー・サイトにはEDが居るんです。
彼のおかげで円形に草が食べられて、草刈をしないで済むのは良いんですが、食べたら当然ナニをするんです。
何時もはリックが朝飯前に掃除をしているんですが、EDに本部前まで移動してもらって、今日は我々がお掃除。

このロバというのは身体が小さいくせに、根性が有ってヒモをひっばっても足を踏ん張って動かないんです。
それどころか、あまり無理に引っ張ると、襲い掛かってくるんですよ。
蹴っ飛ばすだけかと思ったら、ヒョコヒョコ寄って来て、パクッと噛むんですね。
「ロバは狂犬病にならないから大丈夫だ」って言っても、そうじゃなくて、噛まれるのがイケません。
歯は大きいけれども尖がっていないので、食いちぎられる事は無いにしても、それなりに痛いし、あんまり嬉しくありませんね。
残念ながらスタッフの誰にも好意を持っていない様子です。
引ヒモを何とかもう1っ本つけることが出来たら、両方から二人ずつで引っ張って移動させられるんですがね。
どうにもこうにも手が付けられないので、ワイワイ言っていると、ボスが現れました。
ED の態度が一変して、犬みたいに擦り寄って甘えるんですね。
さっきまでの不良ロバは、嬉しそうにスキップしながらボスに連れられて行きました。
ED というからてっきり牡だと勝手に思っていたら、雌だそうです。
ナニの始末はどうするのかと思えば藪の中に放り込むだけ。
「草を食って出来たんだから、汚くは無いさ」ッていうけど、賛成しかねます。

ED をつないでいた鉄の杭を抜きに掛かって驚き!
木ネジの特大版みたいに螺旋になっていて、頭の環ッかに棒を差し込んで、グリグリと廻したら簡単に抜けるんです。
杭が有ったところが円の中心ですから、そこに丸太を積んで準備します。
井桁に積むのは万国共通。
食堂から貰ってきた、直径30cmくらいの浅い空き缶を井桁の真中に仕込むのは、石油を入れて点火と同時に明るく燃え上がらせる為だそうです。
それは邪道だと思うけどなぁ。
ボブが丁度握れるくらいの太枝を1.5mくらいに切って、先にボロ布を巻きつけて針金で縛ってタイマツを作っています。
これでキャンプ・ファイヤーに火をつけるんだそうです。
点火に失敗すると全体の雰囲気がが台無しになるので、エラク真剣に作業しています。

円周に丸太で各Troop の位置を示す印をつけます。
ボスやリックは本部の建物を背に席を設けて、向かい合う半円を三分割したのが各Troop の居場所です。
日本では火の周りをぐるっと囲んでしまうんですが、ここは劇場風の配置ですね。
小規模なキャンプ・ファイヤーの場合は、こちらでも周りを取り囲むんだそうです。

追加用の薪を、各Troop ごとに積み上げて一段落。
汗を流しにシャワーに行ってテントに戻ると Tanaka さんが奥さんと下の息子さんを連れて待っていました。
そうい言えば、今日来られるって聞いてましたね。
「妻と下の息子さ、彼がさっき話していた〇〇。」
英語で話していると言う事は、奥さんは日本語が駄目みたいですね。
「凄く助かったって聞きましたよ。何時までここに居るんですか?」
「次の日曜日までです」
「エッ、それじゃあ私と一緒に帰ろう、昼頃に出発できるかい」
「さぁ、リックに訊ねてみます」
「だって、此処からバスで帰るなんて大変だよ!私からも頼もうか?」
「いえ、それじゃああんまりですから、私からリックに頼んで見ます」
帰りの事は全く考えていなかったですね。
このまま日曜日を迎えていたら途方にくれてましたね。
どうやら、頭のネジが相当緩んでいるみたいです。

やはり、奥さんは全く日本語が駄目。
どうやら日系でも若い人は日本語を喋らないと思っている方が無難なようです。
お昼に此処へ到着したらしいんですが、風邪でも引いたのか、下の息子さんの体調がハッキリしないので、泊まらずに今日帰るそうです。
「キャンプ・ファイヤーが見られなくて残念」と奥さんは口惜しがって居ますが、具合の悪い子供さんと一緒じゃあキャンプ・ファイヤーは止めた方がいいでしょうね。
「ヨセミテは来週出直す事にしたから、良ければその時一緒に行かないか?」と願っても無いお誘いです。
しかし、来週がどんな展開になるか今のところ全く不明。
「是非行きたいんですが、来週の予定は全く判らないんです」
「じゃあ、居場所が決まれば連絡してくれよ。車にはスペースがあるから遠慮は要らないよ」
ひょっとしたら、ヨセミテに行けるかも知れません!

「そうそう、夕食を誘いに来たんだ。もう出来ているから今からいっしょに行こう」
まだ17:00です。
この方もかなり気が早いというか。

一緒にサイトにいって驚き!巻き寿司と稲荷寿司が並んでいます。
メンバーの父兄(母姉?)が朝早くから作った差し入れですって!
傷まないように大きなクーラーボックス2つにドライアイスとこれも差し入れのアイスクリームと一緒に入れてきたそうです。
ご飯がボロボロしているのはそのせいなんですね。
こうして日本人の顔に囲まれて、お寿司を頬張っていると、とてもシェラ・ネバダに居るなんて思えませんね。

これで、飲み物が牛乳じゃなくて、お茶だったらというのは贅沢でしょうねぇ、

 

2003/06/13:初出
2022/06/05:再録

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