maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

09-あなたナニジン?-U.S.A.1964-No.9-再録

2022-04-12 11:42:39 | 虚々実々-U.S.A.-1964

カリメ~ラ?

夢も何も見ずに熟睡しました。
夏だというのに少し肌寒い位です。
そう言えば、昨夜ロジャーと出かけたときに「セーターを着て行きなさい」とエフィに言われて、着ていって良かったのす。
霧が少し流れていて、結構寒かったんです。
部屋を出ると少し暖か、壁に埋め込まれたヒーターが温風を出しています。
バスルームに行こうとしたら、コラリアが部屋の中から「Hi!眠れた?」と声を掛けました。
「ぐっすり!」(グッスリ=good sleep で通じるんですよ!)
キッチンに行くとエフィが「カリメ~ラ!」と陽気な声を掛けてくれました。
「カリメラ」って何?
ギリシャ語で「おはよう!」だそうです。
英語だけでもヒィ~ヒィ~言っているのに、この家ではギリシャ語も使うんですか?
カリカリのベーコン、ワッフル(全く甘さはありません)、お茶碗ほどの器に入った桃のさいの目切りと麦茶みたいに薄いコーヒーの朝食です。
「ところで、昨日ロジャーが言ってた選挙って何の?」
何やら知らない言葉が返ってきたので、聞きなおすと、「共和党の大統領候補を選ぶ代表を選ぶ委員の候補を誰にするかの相談」やて
これを聞き取るのに四苦八苦しました。
エライ回りくどい事するんですねぇ。
昨日はご近所をあまり見ていなかったので、ちょっと偵察。
平屋ばかりの上に、前庭の芝生がほとんど道路の幅ほど広いので、お向かいの家が遥か彼方にあるみたい。
冷やっとした空気の爽やかな朝です。
昨日到着した時に、不思議そうな顔で私を見ていた子供が、キーコ、キーコと三輪車でやってきました。
「#$%&**」キャ!私に何か言っているのですが、全くわかりません。
3つくらいの子供の言葉が理解できないようでは、この先が不安。
こちらから「幾つ?」と訊くと、指を三本立てました。
「お名前は?」 「リサ!」ふ~んリサか、コッチの言う事は通じてるみたい。
「#$%&**」
まいった!あいての言う事が聞き取れません。
「Frend!(友達!)」と言って手を出すと、ニッコッと笑って、嬉しそうに手を握ってくれました。
アメリカでの友達第一号は、多分女性...。
お隣のご主人ジャックが出てきました。
この方とは昨夜挨拶済み、どうやらリサのお父さんらしい。
昨夜は遅かったのでリサは寝ていたんでしょう。
「グッドモーニング!」 「ブエナディア~ス!」 ゲッ!たしか、これはスペイン語...。
この人。何人(なにじん)やねん?
そう言えば、ジャック・マ~チネスいう名前やったなぁ。
「スパニッシュ?」
「シー、私はメキシコ」
うわぁ~、スウェーデン、ギリシャ、メキシコ、日本、まだ他にも有るんやろか?
「近くには他にどんな国の人がいますか?」
デッカイ手を出して、左手の小指から順に右手の人差し指で差しながら、
「ジャーマニィー、アイリシュ、ジュイシュ、ん~色々」
一世とか二世てどう言うんやろ?二世をジュニァ言うのは、この場合は変な気がする。
「Are they come this country directoly?」
「What?」あかん、やっぱり通じません。 「Oh, I mean, Do they born in America?」我ながら、ひどいなぁ....。
それでも通じた!
「ほとんどは子供の頃、親と一緒にアメリカに来た」
そこへ、反対隣の旦那が出てきました。
「彼は大人になってから来た。ドイツ人だよ」
「ヤー、グートンモーゲン」
エ~、ご近所の親世代には、生まれたときから英語喋ってた人は居ないみたい。
皆んなアメリカに来てから英語を覚えたらしい。
安心するべきか、心配するべきか??

家に帰るとエフィが「さぁ、何をしたいの?」と訊きます。
改まってそう訊かれるとねぇ。
「じゃぁ学校でも見学する?」とエル・カミノ高校を訪問しました。
付き添いにコラリアが来てくれて、従姉妹のドロシィーが学校へ送ってくれました。
学校へ付くと、ドロシィーがさっさと建物に入って、おじさんを1人連れてきました。
「Principal!」とドロシィー
「はじめまして、私の名前は〇〇〇です。日本から来ました」
「いらっしゃい」とJALの会話パンフレットのとおりに上手く行きました。
コラリアに小声で「Principal?what?」「校長よ(Schoolmaster)」
何と!校長先生を連れて来たの?
ドロシィーは「15:00頃に迎えに来るからね」と走り去ってしまいました。
サマースクールが開かれているので生徒が結構居ます。
サマースクールって一体何なんでしょうね、補習授業かな?
色々疑問は湧くものの、質問するのが大仕事、答えを理解するのはもっと大変。

カリフォルニアが特にそうなのか、人種の品評会みたい。
明らかに東洋人の顔形で、ペラペラ英語を喋っているのを見ると、それだけで「負けた!」と思ってしまうから困った物です。
アメリカ人が英語を喋るのは当たり前なんですけどねぇ。
全員私服、女の子はお化粧してるし、これでもか!というぐらい短いミニスカートか、着ている方が目の毒になるようなピッチピチのズボン。
中にはドキマギするような可愛い娘がいます、すごいなぁ!
男の方がまだましかといえば、コッチも中々凄い、先生よりオッサンみたいなのも居てるし、ランニングシャツみたいなのを着た筋肉モリモリ胸毛モサモサのも居てます。
かと思えば、中学生見たいなんも混じってるんですね。
こういう連中が日本の同じ制服を着た高校生見たら、別の意味で気持悪いでしょうね。
私、張り切って背広着てきてエライ浮いてしまってます。
何を着ていったら良いのか訊くべきでしたね。

学校内に映画館みたいな立派な劇場が有ります。
全体に清潔で、広々していて、明るくて、私の母校など全く比べものにならないくらいの設備です。
何か判らないままにウロウロ見学していると、授業をしていた先生が、コラリアに何か話し掛けました。
「いらっしゃいよ」と促されて教室に入ると、ホイホイと席を空けてくれて、授業続行。
日本の高校の教室よりも広い部屋に、30人前後の学生ですから、スカスカです。
ところで、何です?一体何の授業?
黒板に書かれた字が走り書きで読めません。
読めても知らん単語だらけでしょうね。
隣の学生が多分教科書かなと思うのですが、パンフレットみたいな本を見せてくれました。
パラパラと眺めると、ワシントンの国会議事堂、ホワイトハウス、何処かの議会の様子等の天然色写真が有ります。
どうやら一般社会みたい。
もっとも、写真だけでの判断なので、全く自信無し。
授業中に一生懸命マニュキアしてるのも居ます。
チャイムがなって昼休み。

ここの学生は先生に挨拶もせずに、ワラワラと出て行くんですよ...。

2003/03/08:初出
2022/04/12:再録

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