maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

五世紀の地べた-1/2(再録) 

2021-10-20 05:00:46 | 支離滅裂-城市有情ー豊中

 

ウチの西北西、50M程の所に、この古墳が有りますねん。

子供の頃は柵が無くて、近所の人の通り道、子供の「探検ごっこ」の恰好の舞台。
ここでの遊びが、後々まで強烈な影響を及ぼして、未だに「探検ごっこ」が大好き。
そこらの葉っぱ、実、なんでもシガン(噛んで)で見てたけど、ようまぁ中毒せんかった事ですな。
松、ムクノキ、モチノキ、シキミ、イヌビワ、クヌギが今でも生えてます。
ヘビも居ったし、メジロ、ウグイスの巣もあった。
秋にはムクノキの実食べて、夏はモチノキの皮剥いで、水の中で石で叩いてトリモチ作って蝉採ったり、ムクロジの実(残念ながら今は枯れてしもたらしい)にニワトリの羽つけて、羽子板の羽子作ったり、土グモ引きずり出して、枝の先で喧嘩さしたり、玩具も何にもいらんかった。
夕方になったら「子盗りが来るで!捕まったら曲馬団に売られて、酢飲まされて、軽業させられる。」
言うて脅かされてた。
今にして思たら、曲馬団かて、不細工な子は要らんやろうから、何の危険も無かったんや。
何処からか拾うて来た、乳母車の壊れたんに乗って、古墳のテッペンから下りるのは最高やった。
ジェットコースターどころのスリルやあれへん。
赤土の崩れたとこから、家型の石棺のヘタも見えてたような・・。

それはさて置き、この古墳が五世紀の物らしい。
豪族の墳墓やろう、と言う程度で、誰が葬られてるのやらハッキリせんらしいんですけど、国の史跡に指定されてるから、それなりの物かいなぁ、とも思います。
日本の歴史でも、薄霞がかかって朦にしか判って無い4,5世紀の人々がここで間違い無く生活してたんやと思えば、オッサンの妄想は果てしなく卑弥呼の頃にさ迷うのでおます。

近所の神社から銅鐸が出てきた記録があったり、同級生の家を建替える時に、鏃と兜のカケラが出て来て、調査が入って、仮住まいの期間が延びに延びて、難儀してた事があったけど、人事やと、別に何とも思て無かった。
数十年前、ウチの斜め裏のお宅(某大メーカーの創業者の直系)がどんな事情か市に寄付された。
相当の年数、そのまんまで、医師会館に使用されてたのが、十年ほど前に、伝統芸能館(自治会館も併設)に新築変更される事になった。
工事が始まったら、オットット、何やら遺物が。
即、工事中止、発掘調査開始。
地べたに石灰で線引いて、まぁ辛気臭い、小さな鏝でチマチマ掘りますねん。
そら、スコップ、ツルハシでガジャガジャに掘ったんでは、元も子も無くなるやろうけど、見てたらイライラしまっせ。
埴輪に甕棺、何やら判らん木製品いっぱい出て来ました。
それも数十センチ埋まってただけ、物によっては家を壊したら、地表に見えてたらしい。
1年以上の発掘調査に目途がついて、近所の住民集めて現地説明会があった。
何と、この辺の地べたは4,5世紀のままやねんて。
そんなん別に珍しいことでも無いそうですなぁ、けど何となくロマンを感じてしもた。
地表にある物は時代と共に無くなったり、変わったりしてるけど、地下に埋めた物は当時の深さに埋まったまんま。
列になって発掘された埴輪の線を展ばしたら、オイオイ、ウチにまともに入ってるがな。
古墳の外掘(これはさすがに埋まってしもてる)が隣のマンション。
学芸員の言うには「このお宅も発掘調査したいけど、現在お住まいやから残念。」言うてウチの塀を指差した。
まさか、「へ、そうでっか。そこウチですねん。ど~ぞお掘り下さい。」とは言えまへん。
遺跡か何か知らんけど、家も建ってりゃ、木も生えてる。

そやから阪神大震災の時は焦りましたがな。
もっとも、神戸の方のこと思えば、微々たる被害。
罹災証明、どさくさ紛れに、「一部損壊」、「半壊」両方貰ううたけれど、さてどちらを活かすか?
優遇措置を利用して建て替えるなら「半壊」。
所が、近所軒並みやられてるから、建て替えラッシュ。
遺跡調査が間に合わん。調査が済まんと工事に着手できん。
その間の費用は自前。
ウチの真裏なんか、7年経つけど更地のまんま、調査すら始って無い。
せんでもようなったんやろか?
万一、何か出てきたら、調査期間+建設期間の、相当永い仮住まいを覚悟せんといかん。
おまけに、万一どころか、出てくるのはほぼ確実。
隣のマンションなんか、そんな制度の出来る前やから、調査も何にも無しで、バタバタっと建ててしもたがな。
何ぼ、「掘」言うても何か有ったやろうに。
泣く泣く、「1部損壊」を活かして自費修理。
言うても母屋の二階は屋根抜けてるし、瓦は全部アウト。
北側の棟は実質建て替え。
震災特別補助言うて、市がブルーシート代を一部負担してくれた。
見取り図やら何やら、仰山書類書いて、数千円。
アホらしいから、その場で義捐金の箱に入れたった。
よう、考えたら私も罹災者やった、何をしてるのやら。
綺麗さっぱり預金はゼロ。
五世紀の地べたに住んでるのも良し悪しですなぁ。

2002/05/19:初出(旧OCNホームページ)
2021/10/20:再録

続編が有りますねん五世紀の地べた-2/2


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