maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

46-ED BARRAR-01-U.S.A.1964-No.46(8/1)

2022-06-01 09:55:40 | 虚々実々-U.S.A.-1964

新米スタッフ

毒蛇セットの使い方を習っておこうと缶の中身を出してみると、意外に簡単な中身が出てきました。
吸出し器具、剃刀の刃、止血用のゴム、消毒ガーゼ、説明書、少し拍子抜けしました。
これなら教えて貰うまでも有りません、止血して、噛傷の上をキの字に切って血を吸い出せば良いのです。
バイパーがどの程度強い毒をもっているのか、それも神経毒なのか血液毒なのか?
ボブによると神経毒で、そんなに強くは無いそうです。
それなら、処置が早くて、血清さえ有ればそんなに心配しなくても良さそうです。

こういう風に書いてあると、如何にもスムースに話が通じているようですが、どれだけ苦労した事か・・・

蛇の血清は噛まれた蛇と同じ種類のでないと効果が有りません。
幸い、2種類しか居ないらしいのですが、その2種類の見分けがつけにくいんだそうです。
いっそ、両方の血清を混ぜて注射すればOKという具合に行かないんでしょうか? 幸い、アメリカでもこの辺りは毒蛇が少ないんだそうです。
南の州や砂漠地帯には、あのガラガラ蛇が居るそうで、種類によっては2m以上になるのが居るんだそうです。
そんなところのキャンプ場へはあまり行きたくありませんね。

その点、マムシしか毒蛇らしい毒蛇が居ない日本の本州は恵まれていますね。
ヤマカガシも毒が有るとは言え、毒牙が奥のほうに有るのと、性質が温和なので先ず噛まれる事は有りません。
沖縄や南西諸島に行くとハブが居て、コイツは桁違いに気が荒くて、毒も強いのでこまりものですなぁ。
ネズミを追い駆けて家の中に入ってきたりするらしいので堪りません。
大体気温が10度を下回ると、ほとんどの蛇は動けないんですが、気候が暖かいと年中活動するのも困り物ですね。
なお悪い事に、赤外線センサーを装備しているそうで、暗闇でも油断できんらしいです。

色々な木の実の標本や写真も並べて有ります。
ハシバミ、胡桃はまだ季節が早いし、キイチゴはもう済んでいるでしょうね。
残念だなぁ、というと、キイチゴはまだ種類によってはシーズン中だそうです。
「これなら沢山有るよ」と指差したのは形はキイチゴでも、熟した桑の実のような赤黒い色をした見たことのない種類です。
「どのくらいの大きさ?」と訊くと、指で作った丸の大きい事。
ほー、それは食べ応えが有りそう。
ナッツ以外の木の実の種類には全部「何とかベリー」と名前が説明書きに書いて有ります。
小さな粒粒の集まったキイチゴ風のや、グミみたいな実、草の実、木の実、いろもマチマチ、それでも名前はほとんど「何とかベリー」。
どうやらラズベリーから〇〇ベリーと言えばキイチゴの仲間と思っていたのは大きな間違いみたいです。
そう言えば、イチゴもストロウベリーですね。

此処でいつまでも時間を取っていられないので、テントへ向かいます。
ワッ!ステキですね。
木のしっかりしたデッキの上にテントが張って有ります。
山小屋の上半分がテントといった感じです。
その上、椅子まで有ります。
しかも1人で使うには勿体無いくらい広い。
天井が高いので、私なら背をかがめ無くても大丈夫、これは快適そう。

「気に入った?」とボブ。
「最高!ところでリーダーのサポートってどんな事をすれば良いのかな?」
「一番多いのは火の燃やし方の指導かな。上手く火を燃せる子供って意外にいないんだ。
1人だと幾つものグループの面倒を一度に見れないから、どうしても食事の支度に時間が掛かってしまって、他のプログラムをする余裕がないのさ。」
「薪(firewoods)はどんなのを使うの?」
「枯れた大枝は危ないから、見つけ次第切り落とすし、倒木も有るから、そんなので充分間に合ってる。Cedar や Redwood がほとんどだね」
広葉樹の中には、頑として燃えるのを拒否するのが有るんですね。
そういうのは一旦燃えると火持ちが良いんです。
それに、なだめたり、すかしたりして燃やすのは腕の見せどころでも有ります。
両方とも針葉樹ですから、火持ちはともかく、燃やすのは簡単な筈なんですけどね。
普段の生活で火を燃やすことが無いので、なれてないんでしょうね。
そう言えば、街で物を燃やしているのを今まで見ませんでした。
何か規制があるのかも知れません。

「他には?」
「水泳の時の監視の手伝いもあるなぁ、それとロープワークとか簡単な野外工作だね。動植物の観察の指導は Ranger 達がするから」
それくらいなら何とかなりそうです。
「ところで、ボブは Ranger なの?」
「うん。最初のシーズンで資格を取ったんだ」

突然、キチキチ、ともカチカチとも聞こえる大きな鳴き声。
すぐ側の木をデッカイ Gray Squirrel(リス)が駆け降りて来ました。
頭を下にして降りてくるんですね!
これは大きい、胴体だけでも30cmくらい有りそうです。
尻尾は食べるところは無いのでしょうが、胴体と同じくらいの長さで盛大に毛がフワフワしています。
一匹が姿を現すと、そこいら中の木でリスが駆け上がったり駆け降りたり、賑やかな事。
「その内にリス撃ちをしようね」とボブは行ってしまいました。
リスは少々騒がしいけれど、見たところ害が有りそうにも思えません。
コイツを殺すんですか?どうも気が進みませんねぇ。

荷物を片付けて、見取り図に書いてくれた Troop 7へ向かいます。
他にもサン・マテオの Troop 45、Woodside の Troop 159 が来ているようです。

左の地図の右下隅が Troop 7のサイト。
食堂の横を通って、国旗掲揚柱のある広場を横切って行った緩い下り坂の先に有ります。
テントが並んでいて、煙が上がっています。
もう食事の用意をしているんでしょうか?
近くで出会った子供に「Troop Master は何処?」と訊くと連れて行ってくれました。
アラッ、どうやら日系の方ですね。
Yosiya Tanaka さんといって、やっぱり2世の方です。
嬉しい事に私の英語とドッコイ、ドッコイですが日本語を話せます。
問題は、少し複雑な事柄になると、お互い相手の理解できない言葉でしか言えないことです。
それでも、なんだかホッとしますね。

最初のうちは別に何も考えずに、東洋系の顔をしている人を見ると「日系の方ですか?」などと気軽に言っていたんです。
ところが日系だと思ったら中国系だったり、韓国系だったり、最初に間違ったのはエスキモー系でした。
中国系、韓国系の場合、間違うと「いえ〇〇です」と少し強く言われたり、ちょっと厭な顔をされる事があるんです。
ほとんどの場合、ごく自然に「〇〇系です、我々は顔立ちが似ているから判り難いですよね」と言ってくれるんですけどね。
それからは、先方が言わない限り、強いて訊かないようにしているんです。
大体名前で判断できますし、名前を訊いて判断できなくても、あえて何系かを聞くことも無いですしね。

Troop 7はサン・マテオの東洋系の子供達のTroopなんですね。
小学校高学年から中学1年位の子供ばかりなのは、対象になっている地域が、新興住宅地で親の年代が比較的揃っているのかも知れません。
昨日此処に来た時は、父兄が何人か来ていたので何とかなったのですが、昼食が済むと父兄が帰ってしまったんだそうです。
明日は月曜ですからね。
昨日の経験で、この調子では食事の支度も到底ままならない、と思って、アシスタントを頼んでいたんですって。
父兄が手伝ってくれていても、1つのグループの面倒を見て、やっと火が燃え出したと思えば、他のグループの火が消えかけて燻りだすので、サイトの中をアッチへ行ったりコッチへ行ったりで、大変な目に遭ったそうです。

「ところで晩御飯は何ですか?」と訊ねたら、
「ホットドッグとトマトスープ」なんだそうです。
「良かったら一緒に食べて行かないか?」と誘っていただいたのですが、お昼もホットドッグを食べているのと、せめて最初の夕食は食堂で食べて、まだちゃんと挨拶していないスタッフとも話したいので、今回は遠慮しました。
5mから10mぐらい離れて円形にテントが張ってあって、テントの後ろにカマドがあるらしくモウモウと煙が上がっています。
「グループの半分を頼むよ」と言われて3つのグループの夕食作りの手伝いをする事になりました。

2003/06/05:初出
2022/06/01:再録

47-ED BARRAR-02-U.S.A.1964-No.47(8/1)
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