魔法人の憂鬱

何でもかんでも感じたことを自由発表

Ⅳ 皇帝

2023年02月17日 00時27分33秒 | 占い考察 -- タロット編
3番目の女帝と4番目のこの皇帝のカードはその番号からもタロットの中では重要な意味を持つ。
前回書いたように3番目は三角形を表し底辺の広い安定を表す。
そしてこの4番目は四角形を表し2つの正三角形を組み合わせた完全なる安定を表す。
タロットでは3番目の女帝を女神イシス、そしてこの4番目をイシスの夫オシリスとする考え方がある。
皇帝のカードを全宇宙を支配するオシリス神とすると、その権威と支配力は圧倒的なものである。
図柄に目を移すとウェイト版に描かれるような初老の王とは違い、このカードではまだ若い活力にあふれた王として描かれている。
右手に権威の象徴である笏(しゃく)を持ち、左の腰には闘争心を表す剣をさしている。
未知の動物の毛皮のマントを床まで覆い、その下には彼が思索の人ではなく、行動の人であることを示す鎧を着こんでいる。
そしてなにより注目したいのは壁にかかった盾である。
盾には鷲の紋章がある。
3番目の女帝のところで言ったが、これは本来女帝の盾に示される紋章であり、
逆に女帝の後ろにあった盾に描かれたライオンの紋章はこの皇帝を象徴するものである。
このことから3番目の女帝と4番目の皇帝は夫婦とみなすか、もしくは深い絆で結ばれた切っても切れない関係であると解釈できる。

物語:

「将来の妃になる隣国の女王から話は聞いている。そなたが魔術師エルか?」
「いかにもエルでございます。こうして拝謁できますことに感謝いたします。これはその礼と申しますか、この世界の地図を
お持ちしました」
「なんと! 地図とは・・・ それもこれほど細微なものは見たこともない! 我が国の軍事的防御のためにこれほどのみやげはない」
皇帝は羊皮紙に描かれた地図に目を奪われたかのように眺めながら言った。
「エルよ。このようなものどこで手に入れた?」
「それは聞いてくださいますな。私は光の神ミトラに仕えしマギの一人。この世の隠された秘宝に触れる機会も多くあります」
「なるほどそうか。それでそなたは私に何を聞きたい?」
「王の生きる目的とは。究極の王の目指すところはどこなのかをお聞かせ願えればと・・・」
エルはうつむいたまま、いかに自分が身の程知らずの質問をしているのかを分かったうえで、もう一度ひざを折った。
「なんだそんなことか」
皇帝はエルが拍子抜けするほどあっさりと穏やかに話した。
「それは力だ。強いリーダーシップのもとに国民を潤す(うるおす)ことだ。政治・経済を力と支配で導くことだ」
「力ですか・・・」
「それが王のつとめなのだ、エル」

「今のおまえにはまだまだ人の世の仕組みが分かっていないようだ。人には生まれながらにつらい責任がある。
王で無く一般の国民として生まれてもだ。おまえが何を求めて旅をしているかは知らないが、いいことを教えよう。
この町はずれにある教会へ行け。そしてそこで教皇に会うのだ。彼の知る教義は深い。きっと旅の役に立つ」
エルは皇帝の命ずるまま町はずれの教会へと向かった。

 つづく・・・

んじゃぁぁーー またぁぁぁーーー

   限界努力!!

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