追憶
2009-06-25 | 日記
この本は、私が父から贈られた本
贈られたと言っても、「読んでみなさい」と手渡された本・・・
「娘への十二通の手紙」 著:藤本義一
その頃、父は入院していた
偶然見つけた舌の裏の腫瘍、
結局‘舌ガン,だと診断され、手術することになった
その頃、実家を離れ、会社員をしていた私・・・
「あっこには、心配するから言うな」
母にはそう言ったらしいが、
その頃も、2.3日に1度の父母との電話は欠かせなかったので、
どうせ、いつかは判るからと、母がこっそり電話をくれた
手術の2日前、
休みをとって、父の元へ・・・
突然現れた私に驚き、「わざわざ来る事もなかったのに・・・」と言ったが、
あとから聞いたところによると、
「きてくれた」と、密かに喜んでいたらしい
その時に、病院のベッドで読んでいたのがこの本
「これ、読んでみなさい」と言って、手渡された
この本は、著者が中高生の二人の娘に、
「今の時期にこそ、言わなければ」という、
父親としての考えや人生論を語った、2年にわたる手紙である
大人になっていく過程で、
こういうふうに考えをもって成長してほしいと書いたものである
「夫を餌付けしろ」
「男の心理を知ってほしい」
「性の心理について」
「夫婦の時間について」
「親から親になる前に」・・・・・などなど
著者の経験や考えから思うことを
人間として親として、率直に、飾らずに語っている
「読んでみなさい」と言うだけで、
父は、自分の感想や想いを話すことはなかった・・・
あの頃、
父がどういう想いでこの本を読み
この本を私に贈ったのか・・・
その真意を聞くことはなかった
その頃、20代半ばの私は
ひと通り読んで、いろいろ考えたりもしたが
そのまま本棚行きとなった・・・
この4年後、父は他界し
この本は、父からの最後の本のプレゼントとなった・・・
結婚が決まったとき、
ふと思いだし、この本をひっぱりだして読んだ
自分でも訳が分からないまま、涙がこぼれた
もしかしたら
いつか嫁にいくであろう娘の
その場面に立ち会えないことを、予感していたのだろうか?
この本をたまに開いては、父への想いを馳せる・・・
自分が親になり、
この本のページをめくるたびに、
嬉しいような、寂しいような
そんな気持ちになる・・・
贈られたと言っても、「読んでみなさい」と手渡された本・・・
「娘への十二通の手紙」 著:藤本義一
その頃、父は入院していた
偶然見つけた舌の裏の腫瘍、
結局‘舌ガン,だと診断され、手術することになった
その頃、実家を離れ、会社員をしていた私・・・
「あっこには、心配するから言うな」
母にはそう言ったらしいが、
その頃も、2.3日に1度の父母との電話は欠かせなかったので、
どうせ、いつかは判るからと、母がこっそり電話をくれた
手術の2日前、
休みをとって、父の元へ・・・
突然現れた私に驚き、「わざわざ来る事もなかったのに・・・」と言ったが、
あとから聞いたところによると、
「きてくれた」と、密かに喜んでいたらしい
その時に、病院のベッドで読んでいたのがこの本
「これ、読んでみなさい」と言って、手渡された
この本は、著者が中高生の二人の娘に、
「今の時期にこそ、言わなければ」という、
父親としての考えや人生論を語った、2年にわたる手紙である
大人になっていく過程で、
こういうふうに考えをもって成長してほしいと書いたものである
「夫を餌付けしろ」
「男の心理を知ってほしい」
「性の心理について」
「夫婦の時間について」
「親から親になる前に」・・・・・などなど
著者の経験や考えから思うことを
人間として親として、率直に、飾らずに語っている
「読んでみなさい」と言うだけで、
父は、自分の感想や想いを話すことはなかった・・・
あの頃、
父がどういう想いでこの本を読み
この本を私に贈ったのか・・・
その真意を聞くことはなかった
その頃、20代半ばの私は
ひと通り読んで、いろいろ考えたりもしたが
そのまま本棚行きとなった・・・
この4年後、父は他界し
この本は、父からの最後の本のプレゼントとなった・・・
結婚が決まったとき、
ふと思いだし、この本をひっぱりだして読んだ
自分でも訳が分からないまま、涙がこぼれた
もしかしたら
いつか嫁にいくであろう娘の
その場面に立ち会えないことを、予感していたのだろうか?
この本をたまに開いては、父への想いを馳せる・・・
自分が親になり、
この本のページをめくるたびに、
嬉しいような、寂しいような
そんな気持ちになる・・・