NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

音曲日誌「一日一曲」#364 リトル・ミルトン「The Blues is Alright」(Evidence)

2024-04-04 08:36:00 | Weblog
2024年4月4日(木)

#364 リトル・ミルトン「The Blues is Alright」(Evidence)






リトル・ミルトン、1983年リリースのアルバム「The Blues is Alright」よりタイトル・チューン。また、84年にはマラコレーベルよりシングルがリリースされている。ミルトン自身の作品。ディディエ・トリカールによるプロデュース。

米国のシンガー/ギタリスト、リトル・ミルトンことジェイムズ・ミルトン・キャンベルは1934年ミシシッピ州インバネス生まれ。10代でストリート・ミュージシャンになり、リズム・エースというローカル・バンドに加入、そこでギターを本格的に学ぶ。

アイク・ターナーに見出され、サンレーベルでシングルを何枚もリリースするが、ヒットには至らなかった。

58年にイリノイ州イースト・セントルイスに移住、その地でインディーズレーベル、ボビンを設立、自身やアルバート・キングをプロデュースして、ようやく商業的な成功を手に入れる。62年には「So Mean to Me」がR&Bチャート14位のヒットとなる。

以降、メジャー・アーティストの道を歩む。チェス傘下のチェッカーレーベルからの「We’re Gonna Make It」をはじめとするアルバムでチャートイン。

続いてスタックス、MCA、マラコといったレーベルでコンスタントにアルバムをリリース。ブルース、ソウルの両方を押し出したサウンドで独自のポジションを確立して、2005年に70歳で亡くなるまで、第一線で活躍し続けたのである。

本日取り上げた「The Blues is Alright」は82年末、ミルトン48歳という、ミュージシャンとして一番脂の乗った時期にレコーディングしたナンバー。フランスのイザベルレーベルにて、当地のプロデューサー、ディディエ・トリカールを迎えて制作している。

バックのメンバーは、マジック・スリムのバックバンド、ザ・ティアドロップスのメンバーが中心だ。ギターのジョン・プライマー、ベースのニック・ホルト、ドラムスのネイト・アップルホワイトである。

これにキーボードのラッキー・ピータースン、ホーンやコーラス隊をを加えたラインナップで録音された本曲は、ミルトンの終生のテーマソング、そして最高のブルース讃歌となった。白人ロック・ミュージシャン、例えばゲイリー・ムーアなどにもカバーされている。

その曲調は典型的なアップ・テンポのボックス・シャッフル。歌詞内容はまことに単純明快だ。愛していたが自分を捨てた女から、ブルース(憂鬱な感情)というものを与えてくれたことに対してむしろ感謝し、別れの後の新たな出会いを喜ぶとともに、ブルースを手放しで賞賛している。

Youtubeの画面にも歌詞が掲載されているので、そちらもぜひ見ていただきたい。特に英語に堪能でなくとも、おおよその意味は分かるはずだ。

この曲、ミルトンのパワフルな歌唱も素晴らしいが、彼の歪み気味のスクウィーズ・ギターもまたえらくカッコよい。歌、ギターともにハイ・テンションで、この曲を最大限に盛り上げている。

音源だけでなく、ミルトンが89年にテレビ番組「サンデー・ナイト」に出演した時のパフォーマンスも観ていただこう。サックスでデイヴィッド・サンボーンもゲスト参加した、なんんとも豪華なライブである。

ミルトンの「ベタ」「コテコテ」という形容がぴったりのルックス、そして歌いぶりとギター・プレイを堪能してほしい。

ノリの良さはピカイチなブルース・ナンバー。筆者もいつかブルース・セッションで歌ってみたいものだ。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 音曲日誌「一日一曲」#363 カ... | トップ | 音曲日誌「一日一曲」#365 ザ... »
最新の画像もっと見る