町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

箱根登山鉄道モハ1形“サンナナ”、一世紀の歴史に閉幕

2019年07月21日 | 小田急グループの鉄道・路線バス

1日遅れの話題ですが、各所で伝えられているように箱根の顔的存在として君臨して来た登山電車の旧型車の内、吊り掛け駆動のまま残存し人気を集めていたサンナナことモハ1103-107号車の2両が引退しました。

引退が決定し、特製の行先表示板を掲げ、モハ2109号車と併結した美しい3両で走行するサンナナ。側面窓が開けられている様子からも分かるように、吊り掛け駆動のみならず、非冷房で扇風機も備えていないなど、今日では極めて稀な存在でした。

モハ1形は、元を辿れば箱根登山鉄道の前身である小田原電気鉄道が箱根湯本~強羅間を開通させた際に1909年に導入したチキ1形電車(チ=地方鉄道、キ=客車の意)が由来で、1950年に鋼製車体化、1952年に記号をモハ1形に改称、1957年に小田急ロマンスカー3000SE車をベースにした塗装に改めます。これ以降は1989年に登場の2000形までロマンスカーをモチーフにした塗装が続きました。また1990年には輸送力増強の為に3両編成運転を実施することになり、モハ1形は片側の乗務員室を撤去して2両固定編成化することになり、現在の組成になりました。

入生田検車区での公開で最後の晴れ姿を披露するサンナナ。側面サボは三線軌条の撤去で物理的に入線出来なくなった小田原行きを掲げています。

車内設備(107号車で撮影)はロングシートで、寄木細工をモチーフにした柄のモケットに更新されています。車内広告は路線図以外モハ1の写真を掲出していますが、冷房や扇風機が無い天井や旧型国電を思わせる造りの荷物棚にも注目です。


前身となったチキ1形から丁度1世紀の100年、車体更新から数えても69年が経過し大正→昭和→平成→令和と4つの元号を跨いだ驚愕の長寿命と共に、一時期実施されたカルダン駆動化改造(2006年に106号車、翌07年に104号車に施工)も免れ、よくぞ今日まで生き残ったと思います。107号車は小田原市の風祭駅前に社屋を構える鈴廣かまぼこに譲渡され、9月末に開業する「えれんなカフェ」で保存展示されることが決まりましたが、こちらも御披露目が楽しみですね。


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