医療と適当に折り合いをつける内科医

医師国家試験浪人後の適当な医療を目指す内科医を追います

医療不信のムンテラ

2009-04-15 21:35:31 | 日記
さて、あまり人気がなさそうなムンテラシリーズですが、第2回くらいまではやっておきましょうか。あくまで例題です。今回は65歳男性、半年前から風邪症状でかかりつけの近医を受診。しばらく抗生剤や対処療法で経過を見られていたが血尿が持続し、腎機能が悪化してきたため当院に紹介。ところがご本人には危機感なくしばらくしてから来院し、そのときはすでにクレアチニン7.0と急激な悪化を認め、血管炎に伴う急速進行性糸球体腎炎と診断。すぐにステロイドで治療をはじめ、何とか透析導入はまぬがれたもののCre3.0で落ち着き慢性腎不全の状態。ご家族の方は主人の腎機能が悪く、食事制限や沢山の薬を飲まなければならなくなったことに不満でこちら側の医療の不備、そして前医の対応の悪さを追及してきます。「前の病院がもっときちんと早く紹介してくれていればちゃんと治っていたんじゃないか」と。医療訴訟もにおわす始末です。

 こちらとしては最善の治療をしたつもりですし、とりあえずの透析を免れただけでもよかったと考えています。もちろん慢性腎不全で長期フォローをしていかなければならないこと、数年後には透析になってしまう可能性があることは否めない状態です。しかし、家族側は前医の不信感も強く医療側と寄り添って治療をしてゆく状態ではありません。どの様に説明するのが最も良い方法でしょうか。そして不信感を払拭するために、逆に絶対に言ってはいけない言葉は何でしょうか。

 今回の問題はそれほど難しくないかもしれませんね。

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