医療と適当に折り合いをつける内科医

医師国家試験浪人後の適当な医療を目指す内科医を追います

子供の運動能力を規定しているものは

2012-12-27 18:32:30 | 日記
近年子供の運動能力が落ちているというニュースがあり、最近子供向けのプール教室をみる機会があったので見学してみると面白いことに気がついた。ここではっきりと申し上げておきたい。運動能力の低下は完全にテレビのせいであると。何もテレビをみる時間が増えて運動時間が減ったなどというわけではない。さらに限定していうと、ヒーロー戦隊、仮面ライダー、プリキュア、アンパンマンなどのせいである。これらの番組に感化された子供は、良いポーズをとる算段になると決まって全身にチカラを入れ、さらには目に強い力を込めるのである。そして戦闘シーンの多いこれらの作品では、戦闘中の身体の動きは非常に大きく筋肉を誇張する動きを展開します。これは当然のことで、テレビという二次元の媒体で力強さを表現するためにはそうするしかないからです。古武術の甲野先生のような力を入れない動きはテレビ上では全く力強さを感じないばかりか、動き自体が視聴者には理解不能に見えてしまうのです。感情がこもり集中していることを表現する際も微妙な表現が難しく、特にアニメではそうなのですが、目に力を入れる、という表現をもって感情表現を示すケースがほとんどです。おそらくそういう表現以外に簡易に表現する方法がないのだと思います。

こういった表現形態にどっぷり浸かってしまっている子どもたちはあたかも、頑張らなければならないときは全身をこわばらせ、感情を込め集中するときは目に力を入れなければならないと刷り込まれているようなのです。プールを見ていると上手に泳げない子供が数人いました。いずれも身体に力が入りすぎていて固いためです。それなのにそういう子に限ってプールが終わって脱衣所で遊んでいるのを見ると、ヒーローごっこをやっているのです。これを見た時になるほどなと思ったのです。この様な子供たちはおそらく運動をする際は極力力を抜かなければうまくいかないことや、集中するということが真ん中に力を寄せることではないということはわからないまま大人になるのだと思います。テレビ向けの表現力はとても上手になることでしょうが、そろそろこういった表現から離脱する方法を考えなければならないと思います。そもそも現代のプロの運動選手ですら、このテレビの影響を受けた動きから完全には離脱できていない人がとても多いようです。それだけこのテレビの影響は我々の日常の運動に少なからず影響を与えています。もしかしたらあなたの腰痛の原因もテレビの影響があるのかもしれません。何の気なしに見せているテレビ番組にも身体に大きな変化を及ぼしているということです。それを解除するためには、テレビをやめ、本物の動きを直接見続ける他ないということになるのでしょう。