有馬龍子バレエ団公演(京都・京都会館第1ホール)
バレエ団のことも公演の規模も、全く様子がわからない状況で出かけた。
資料を熟読したところ、60年弱の歴史をもつ有馬龍子バレエ団の下に、昨年創立30周年を迎えた京都バレエ専門学校(専門課程・高等課程)があり、今日は、バレエ団員、専門学校生を主体に、卒業生らをゲストに迎え、主役にはパリ・オペラ座のエトワールとプルミエダンスールを配しての全幕公演ということだった。
入口には全国に散っているOBたちからの大きな花籠や花束が溢れ返り、そこここに、髪をきりりと小さくまとめた卵顔の少女たちがわくわくした表情で立っている。山岸凉子「テレプシコーラ」の世界がそのまま目の前にあるというふうだ。
同じ京都に暮らしていて、まったく違う世界を生きているひとびとがいるのだなぁと、パラレルワールドを垣間見たような気分。帰りにはお花を小分けして来場者に配っていたりして、優しい心遣いが素敵だと思った(わたしはもらいそこねたけれども)。
今回の演出はブルメイステル版を基本としているということだった。プティパ・イワーノフ版との相違は、
・プロローグでオデットが白鳥になった場面を示すこと、
・友人ベンノの代わりに道化を配すこと、
・王子の衣裳がシンプルなこと、
・各国の踊りの順番が違うこと(?)、
・オデットは人間に戻って現世的ハッピーエンドを迎えること
らしい(これを機会にちょっと勉強した)。
王子役のカール・パケットは素晴らしい美形。まさに眼福。
最初は重たそうな動きに思えたけれども、徐々に乗ってきた。演出的には、あまり存在感のないおとなしめの王子さまだったか。
オデット/オデールは、当初パリ・オペラ座の新エトワール、エミリー・コゼット(これまた美人!)が予定されていたそうだが、怪我のため、代わってエレーナ・テンチコワが招聘された。
きっと、プロのダンサーというのは、じゃあ今からやってと言われてもオデット役ならこなすのだろう。
さすが要所要所をぴたりと決めて、見応えあり。
ロットバルト役は、お歳のせいかどうか、大きな羽根をバタバタさせて走り回っているだけに見えたけれども、それでもエトワールの存在感というものがあるのかな、どうなのかな、わかりません。
王子役もだけど、第1幕でキーとなる道化役が、跳んだり回ったりのあと、ぴたりと静止できないのが残念だった。どうしても一、二歩流れる。3幕目で再登場したときには、だいぶよくなっていたので別人かと思った。
主役たちを除くと、1幕のパ・ド・トロワが一番きっちりしていてよかった。
群舞は、もう少し揃えてこないとせっかくの白鳥の美しさが表現できないのではないだろうか、といったところ。
2/4幕の書き割りの湖の前で、白鳥たちが羽根を揃えたらぐっと引き立っただろうにと思うと惜しい。
3幕でなにげに後ろに並んでいる人々も、もう少し意識的に立ち位置を考えるといいのになと思う。
1幕で王子の誕生日に集う友人達の衣裳の色が背景と重なって、相殺されてしまっていた気がする。導入の部分なので、ちょっと寂しかったかも。それに比べて、王妃の衣裳の豪華で美しかったこと!
思いつくまま書いているけれども、かなり楽しませてもらった。いろいろ勉強にもなった。
とても刺激になって、帰宅後、DVDでKバレエの「白鳥」を通しで観てしまった。
なので、今日は「白鳥の湖」全幕×2。 sigh...
*****
王子ジークフリート:カール・パケット(パリ・オペラ座プルミエダンスール)
オデット/オディール:エレーナ・テンチコワ(シュツットガルト・バレエ団プリンシパル)
ロットバルト:ミカエル・ドナール(パリ・オペラ座エトワール)
他
バレエ団のことも公演の規模も、全く様子がわからない状況で出かけた。
資料を熟読したところ、60年弱の歴史をもつ有馬龍子バレエ団の下に、昨年創立30周年を迎えた京都バレエ専門学校(専門課程・高等課程)があり、今日は、バレエ団員、専門学校生を主体に、卒業生らをゲストに迎え、主役にはパリ・オペラ座のエトワールとプルミエダンスールを配しての全幕公演ということだった。
入口には全国に散っているOBたちからの大きな花籠や花束が溢れ返り、そこここに、髪をきりりと小さくまとめた卵顔の少女たちがわくわくした表情で立っている。山岸凉子「テレプシコーラ」の世界がそのまま目の前にあるというふうだ。
同じ京都に暮らしていて、まったく違う世界を生きているひとびとがいるのだなぁと、パラレルワールドを垣間見たような気分。帰りにはお花を小分けして来場者に配っていたりして、優しい心遣いが素敵だと思った(わたしはもらいそこねたけれども)。
今回の演出はブルメイステル版を基本としているということだった。プティパ・イワーノフ版との相違は、
・プロローグでオデットが白鳥になった場面を示すこと、
・友人ベンノの代わりに道化を配すこと、
・王子の衣裳がシンプルなこと、
・各国の踊りの順番が違うこと(?)、
・オデットは人間に戻って現世的ハッピーエンドを迎えること
らしい(これを機会にちょっと勉強した)。
王子役のカール・パケットは素晴らしい美形。まさに眼福。
最初は重たそうな動きに思えたけれども、徐々に乗ってきた。演出的には、あまり存在感のないおとなしめの王子さまだったか。
オデット/オデールは、当初パリ・オペラ座の新エトワール、エミリー・コゼット(これまた美人!)が予定されていたそうだが、怪我のため、代わってエレーナ・テンチコワが招聘された。
きっと、プロのダンサーというのは、じゃあ今からやってと言われてもオデット役ならこなすのだろう。
さすが要所要所をぴたりと決めて、見応えあり。
ロットバルト役は、お歳のせいかどうか、大きな羽根をバタバタさせて走り回っているだけに見えたけれども、それでもエトワールの存在感というものがあるのかな、どうなのかな、わかりません。
王子役もだけど、第1幕でキーとなる道化役が、跳んだり回ったりのあと、ぴたりと静止できないのが残念だった。どうしても一、二歩流れる。3幕目で再登場したときには、だいぶよくなっていたので別人かと思った。
主役たちを除くと、1幕のパ・ド・トロワが一番きっちりしていてよかった。
群舞は、もう少し揃えてこないとせっかくの白鳥の美しさが表現できないのではないだろうか、といったところ。
2/4幕の書き割りの湖の前で、白鳥たちが羽根を揃えたらぐっと引き立っただろうにと思うと惜しい。
3幕でなにげに後ろに並んでいる人々も、もう少し意識的に立ち位置を考えるといいのになと思う。
1幕で王子の誕生日に集う友人達の衣裳の色が背景と重なって、相殺されてしまっていた気がする。導入の部分なので、ちょっと寂しかったかも。それに比べて、王妃の衣裳の豪華で美しかったこと!
思いつくまま書いているけれども、かなり楽しませてもらった。いろいろ勉強にもなった。
とても刺激になって、帰宅後、DVDでKバレエの「白鳥」を通しで観てしまった。
なので、今日は「白鳥の湖」全幕×2。 sigh...
*****
王子ジークフリート:カール・パケット(パリ・オペラ座プルミエダンスール)
オデット/オディール:エレーナ・テンチコワ(シュツットガルト・バレエ団プリンシパル)
ロットバルト:ミカエル・ドナール(パリ・オペラ座エトワール)
他
私、バレエもオペラも未体験なのです。。。
いつかいつか観たいと思いながら能になかなか踏み込めなかった時
のようにぐずぐずしております。(苦笑)
京都でも色々行われてるのですね。
また近場でお勧めの公演がありましたら
是非教えてくださいね~。
夏らしくリニューアルされたんですね!
涼しげで素敵です。
京都の本日の最高気温は39度!
早く涼しくなってもらいたいものです・・・。
ではまた何処かの能楽堂で。(やっぱりそっち?笑)
涼しげな背景、素敵ですね。背景を変えるだけで、
雰囲気が大いに違うのに驚きました。
それで、つい私も変えてしまいましたよ。
ところで、こんなのもあるんですね!
『氷の上のスワン・レイク』
厚生年金会館で8.29-9.9
出演者は、ロシア人中心で、出演するスケーターが
過去獲得したメダル合計数は、200個だとか。
先ずバレエを良く知って、フィギュアをもっと
深めた上で、見てみたいものだと思いました。
とりあえず、テレヴィ放送を願おう、甘いかな。
さすがに竹林さえ鬱陶しく感じるようになりまして……。はぁ。
バレエはわたしも全然わからないのです。
このブログに書いてあるキャリアしかなく。
お能は、洋物で言えばむしろオペラやミュージカルに近いもののはずなのに、なぜかバレエに近さを感じるのは、ひとつひとつの動きに神経を張り詰めるところでしょうか。どこにも隙がないです。
「氷の上のスワン・レイク」、気になります。
「アクロバッティング白鳥の湖」もやってるんですよね。
で、でも、もうゆとりがありません。
とか言いつつ12月のギエム公演は最後の一枚くらいをゲットしました(_ _;)