月扇堂手帖

観能備忘録
あの頃は、番組の読み方さえ知らなかったのに…。
今じゃいっぱしのお能中毒。怖。

時計じかけのオレンジ

2011年02月10日 | その他
(大阪・梅田芸術劇場メインホール)

パンク・オペラという触れ込みである。
たしかにパンクだった(期待以上に)! が、オペラではないだろう(笑)。

原作は50年前、キューブリックによる映画は40年前。
これをそのまま現代で演じて通用するのかどうか、伝えたいメッセージがあるなら、もう少し時代を見据えた工夫があってもよかったのではないか。
このあたりのことをきちんと納得して役に入り込んでいたようには見えなかった>小栗旬
(もちろん、ビジュアルはところどころ魅力的だったけれど)。

役者が原作と映画の違いにやたら言及していたのは鬱陶しい。
今日この舞台には関係ないことだ。
もし、観客が原作や映画を見ていることを前提としているなら、それは甘えというものだろう。
説明的台詞もややお節介な感。
「解釈はご自由に」などとわざわざ言われなくても、そうするに決まっている。
善悪を超えた内容、キューブリックとの相違に、制作者自らがビビって腰がひけてる印象なきにしもあらず。

音楽や映像の迫力に演技は及ばなかった。

なにしろ音楽はすごい。
舞台下のオケピではなく、舞台2階みたいな場所でされて迫力満点(ありすぎかも)。
                                ↓
         普通の音楽ではないので、慣れない者には苦痛か(^_^;)

休憩時間中、舞台上で拷問のような装置に主役が縛り付けられてうめき声を上げ続けている。
それを眺めたり、あるいは、それはそれとしてトイレに走ったりする客の後ろめたさ。

もっとも、これはどうやら小栗旬本人ではなく代役という説が有力みたい。
小劇場でもあるまいし、本人がそこで頑張る理由もないので、たぶんそうだろうと思う。

どんなに成功した舞台だったとしても単純に「あー、面白かった♪」とはならないはずの内容なので、ビクビクしながらでかけた。

とりあえず、3階席からの観賞でよかった~と思う。

大好きなオグ旬へのお願い:舞台で歌うのと脱ぐのはやめてください(_||_)

*****

原作/脚本:アンソニー・バージェス
上演台本/演出:河原雅彦

出演:小栗旬、橋本さとし、武田真治、高良健吾、山内圭哉、ムロツヨシ、矢崎広、桜木健一
   石川禅、キムラ緑子、吉田鋼太郎 ほか

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