かっぱのけんきゅう日記

3ヶ月~半年に1回のペースで更新中……。細く長く、続けているだけのブログです。

10年

2005年01月17日 04時54分12秒 | Weblog
 10年、一昔と言います。
 
 一昔前、私は中学校1年生でした。まだ右も左も判らない小僧でした(今も余り変わっていませんが)。そんで、10年前の今日、私の中学校では後期生徒会選挙が行われていました。私も副会長に立候補していました。

 給食の時間のことです。
 五時間目には「立会い演説会」があるので、箸を片手に私は持っている限りの言語能力をフルに活用して、演説の原稿を考えていました。多くの人の前で喋る事自体は、それほど苦になりません。問題は、まだ1年生であったこと、と、何より人目をどう惹きつけるのか、その術を知らなかったので随分と悩みました。結論として
「原稿は読まない。アドリブ風に堂々と訴える」
という何とも工夫のない、しかし当時の私にとっては、世紀の大プランでした。
 よし、これでいこう、原稿早く覚えねえと……

 後ろの方が少し騒がしくなりました。私はすっかり原稿に夢中であったため、気付かなかったのですが普段点くはずのないテレビが、いつの間にか点いていました。皆がテレビの周りを囲んでいます。

 「……??」

 テレビからは燃え盛る炎と黒煙が映し出されています。目が悪かったので、私もテレビの前に行きました。

 「…………??」

 これは、何だろう?神戸、神戸と言っているけど、兵庫で火事があったのかな?

 
 その時まで、私は神戸で、淡路で、何が起きていたのか、全く知らなかったのです。我が家では、朝にテレビを点けるという習慣がなかったため一切の情報が入ってきていなかったのです。

 地震により大分被害が起きている、ということを理解出来たのは、昼休みに入ってからでした。今まで、地震の被害と聞いて「北海道南西沖地震」を思い出しました。そして、教科書で習った「関東大震災」もイメージとして頭の中に流ました。
 当時の私にとって、いや、少なからず私のクラスにいた殆どの生徒にとって、テレビから流れる
映像は衝撃的だったのです。

 選挙には落ちました。何故か、演説中に「神戸の地震が」とか「被害に遭われた方が」といった言葉が何の脈略も無く出てきてしまい、自分でも何を言っているのか分からなくなってしまったのです。結局、ありふれた内容の原稿を無難に読んでいた二年生が副会長になりました。

 10年、一昔と言います。さて、私たちの身の周りでは、何が変わり、何が変わっていないのでしょうか?

 ちなみに、今日は私の父の誕生日でもあります。