かっぱのけんきゅう日記

3ヶ月~半年に1回のペースで更新中……。細く長く、続けているだけのブログです。

就活をしなかった私

2006年04月13日 03時19分44秒 | Weblog
 こんばんは。かっぱです。
 大学院の講義が始まり1週間。いつになく緊張して講義に出席しています。特に大御所と呼ばれる先生の講義はどうなることかと先が思いやられる始末です。何か様々な学会にも出席することが義務付けられていますし。
 いや、それが嫌だ、という訳ではないのです。声を掛けられること自体は、寧ろ有難いこと……と思い込んでいる訳です。ただ、時間的余裕がどれだけあるのか、正直、不安でして…。
 どんな状況であれ、時間的余裕を持つことは生活する上で非常に重要になってくるものです。しかし、そういった余裕を持てない状況に、人間は往々にして追い込まれるものです。

 さて、今日、古巣のゼミにTAとして初めて赴きました。新3回生も入り、新たな船出となります。1年で一番、活気溢れる時期です。
 が、4回生はそれどころではなさそうです。もう、就活一色。内定が決まった、決まらないで顔色さえ違ってきています。
 ちょっとショックだったのは、授業後、4回生の発表順を決めている時、ジャンケンでなかなか決まりそうになかったので
 「卒論考えたら、早めに発表しといた方がいいよ」
と老婆心から忠告したつもりが
 「でも、就活の方が大事じゃないですか!」
と切り返されたこと。
 「んなこと分かってるよ!」
と咄嗟に言ってしまったのですが、どうしてもやり切れない。発表順なんて、確かにそれほど重要ではないのですが、就活>発表、みたいにはっきり言われてしまうと思わずムっとしてしまうのです。学問はそれほど甘くねーぞ、と。

 ……が、これは4回生が悪い訳じゃないんだ、ということに気付きました。というか、私自身は就活を一切してこなかった身。そんな私を1年前から見ている4回生からしてみれば、私はまさに「いいご身分」な訳です。
 彼等からしてみれば、この1年が人生のターニングポイントになり得ます。発表を軽んじている訳ではなく、就職活動が必要以上に重しとなっているのでしょう。だからこそ、私の発言は彼等からしてみると、寧ろ就活を軽んじている、と感じられてもおかしくない訳です。反省せねばなりません。

 就職活動そのものを批難するつもりはありませんし、まして、就活中の学生を批難することはお門違いだと分かっています。悪いのは、青田刈りをする企業であり、更に言えばそういった構造になっている社会です。
 就活をしてこなかった私は、就活の厳しさを知りません。就活を位置づけることも想像でしか分かりえないことです。何を書こうにも空想でしかない訳ですが……もっと学問に身を打ち込めるような環境にならないものか。青臭い理想論、と誹られようが、学問に打ち込もうとしている私は強く願ってやまないのです。
 
 

9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (はーのーん!)
2006-04-13 19:49:46
学問やら活動やらやられているようですが

そういう人こそ「大多数」との関わり

メディアからだけでなく、リアルな関わりを

これからも、時間を割いて持ち続けてください。



かっぱさん

最近よく知らないけど、なんか変な感じがしますよ。気のせいだといいけど
返信する
Unknown (ゆか)
2006-04-13 20:01:46
最近鈴木さんに会えなくてさびしいです↓

私も就職活動してないので就活中のトモダチの話はあまり理解できないです…けど試験勉強の話はあまり理解してもらいません。。



というか学友会やってる人間は特に就職活動の人の気持ちが理解できているのかわかりません…



最近ますますよくわからない状況になってきました。どうしようもないです
返信する
Unknown (まぁ)
2006-04-14 21:37:29
言うのは簡単です。就職活動は大変なわけです。ちなみに、企業は青田買いをしているわけではないと思います。青田買いの意味、履き違えていませんか??メディア・金融企業を除き、殆どが経団連の倫理憲章にのっとって、決められた採用試験期間に採用活動を行っています。青田買いとは基本的に、この時期よりも早い時期に優秀な学生を確保するために、採用活動を行うことを意味します。



まぁ、時期は4月5月がピークですが、4月以降に採用活動するようにと、倫理憲章は訴えているのです。
返信する
そうではあるが。 (黒衣)
2006-04-15 00:50:19
 上のコメント、



 確かに「言うのは簡単」ですが、経験している人しかモノを言えないということではありませんし、まぁいいじゃないですか。就活が大変でない、とはかっぱ君も思ってはいないでしょう。

 院は院でしんどいですから、それぞれの大変さがあるということだと思います。



 しかし、3回から就活しないと就職できない、4回では殆どゼミが成立しない、というように、現状は確実に「悪化」していると思います。教学も就職のための実学志向に傾きつつあるし、やはり大学の本来的な意義と離れているとは感じます。

 それでも糊口をしのぐためには労働しなければいけないわけであって、ジレンマですが、打開するような運動をしたいところです。

 

返信する
久々のコメント返信 (管理人)
2006-04-15 01:44:21
>は~の~ん! さん

 そうですね。繋がりを持つことは重要です。ということで、皆さんと繋がりを保つために、文自にはなかなか行き辛いのでウロウロします。

 ……っていうか、そういう行動が「何か変」なのか! 気を付けながら繋がりを保ちます。



>ゆかさん

 (‐3‐) へー……

 じゃぁ、ややこしい話はまたゆっくりと。

 教職試験と来る教育実習準備で忙しいだろうし、くれぐれも体調には気を付けてくださいな。



 というか、ビリヤードは??



>まぁさん

 まず弁明になりますが、黒衣さんが仰っているように、就活そのものを否定している訳でも、まして就活の大変さを軽んじている訳でもありません。私は「青田刈り」という言葉をいわゆる辞書的に用いただけであり、就活に限定した「青田刈り」の概念とは少し違う訳なので、認識がズレてしまったのではないでしょうか?

 それから、一昨年制定された経団連の新卒採用者に対する倫理憲章そのものを懐疑的な視点から見ています。ただ、一方で即戦力を求める企業に対し、それ(=倫理憲章)に変わる具体的な対案を考えられているか、と言えばそうではないので……その辺は「言うは易し」と言われても仕方ないですね。



返信する
Unknown (まぁ)
2006-04-15 08:42:21
コメントどうもです。たまたま検索でひっかっかてここに来て、ちょっと感情的なコメントを出してしまい、全く見ず知らずの方なのに失礼をいたしました。



>黒衣さん

おっしゃられることは、わかります。確かに経験をしていないひとが者をいえないというわけではありません。学問の場としての大学の機能が低下しているということですが、このご時世、大学側が就職率を武器に学生を呼び集めなければならないため、(でないとそもそも大学という場を維持できませんからね。)学校が悪いというよりは、あとはもう個人の意識レベルに関ってくることだと思います。それが一番難しいのですけどね。



>管理人さん

わざわざのコメントありがとうございました。私自身、大学院に所属し、学問に励みながら同時に就職活動をしている身ですので、どうもあなたの文章に納得できず、コメントをさせていただきました。

あと、青田買いについてですが、辞書的な意味として「企業が決められた新入社員採用試験機関よりも前に、優秀な人材確保のため学生・生徒の卒業後の採用を約束すること。」(広辞苑)とあります。
返信する
有難うございます (管理人)
2006-04-15 16:45:03
>まぁさん



 感情的コメントということでしたが、まぁさんの意見は論理立ったものだと判断しました。見ず知らずの方でも、自分の意見を率直に言ってもらうことは、自分の文章を検証する意味でも有難いことです。もし機会がありましたら、今後もよろしくお願いします。

 さて、辞書的な意味でのご指摘ですが、私の主張を表す上で、「青田刈り」という表現を使用したことは、やはり適切でなかったと反省しています。

 経団連の憲章は一定の歯止めにもなっていますが、それでも限界性があると感じ、そのような意味合いを込めて疑問を投げかけた訳です。

 付け加えるなら、正式に「企業 対 学生」の関係ではないにせよ、3回生の12月あたりからエントリー・セミナーが始まってくる(それに伴い大学を休まざるを得なくなる)現状も、どうなのだろう? と。

 ただ、対案が出せていない、一方的に意見を言いっ放しになっていることについては甘く考えていたので、身内しか見ていないと思っていた私には良い意味で刺激になりました。

 院生生活と就活の両立は本当に大変だと先輩からも聞いています。そのため、私のような人間が軽々しく言うことは憚られるのですが…まぁさんの就活が成功することをお祈り致しております。
返信する
Unknown (まぁ)
2006-04-15 21:23:12
立て続けのコメント失礼いたします。

管理人さんのお考えは分かりました。



失礼ながら、管理人さんのプロフィール欄を拝見させていただきましたが、「全学自治会」という肩書きをお持ちなようですね。なにか大学側に意見などを言われるお立場なのですか?



経団連としても、やはり管理人さんのように現状を憂い、しかし企業側の「優秀な新卒社員がほしい。」という要望にも答えなければならない、、、というジレンマの中で出した苦渋の選択であったと思うのです、あの倫理憲章は。



だから、解決策を考えるとしたら、私は大学の履修システムではないかと思います。たとえば、私の所属する大学院は一年を2ヶ月ごとに分けた4学期制(4,5月、6,7月、10,11月、12,1月)となっているため、最初の4,5月期に授業を全く入れなければ就職活動に専念できるようなシステムになっています。ゼミなどは、通年ですが、イントラネット上で参加できるようなシステムを大学側が検討している状態です。



大学側のカリキュラムにメスを入れれば、少しは学問と就職活動の両立が容易になるのではないでしょうか。
返信する
まず (管理人)
2006-04-16 07:57:59
>まぁさん

 

 先に私のプロフィールについて訂正させて頂きます。確かに「全学自治会」で大学側と交渉する身でしたが、これは学部生時代のものです。現在は、「院生連合協議会文学研究科副議長」という肩書きだけやけに長く、実質それほど力を持っていない役職についています。まぁ、大学を相手に院生の意見を言い、交渉することに変わりはないのですが。

 さて、教学面での改正に関してのご提案、有難うございます。仰る通り、大学に対しても、まだまだこちらから提言し、改善させるべき点は多々あるかと思います。特に就職問題は、大学院における最重要課題の一つであるため、こちらも全力を尽くして現状を改善しいくつもりです。

 カリキュラムで言えば、私の通う大学院では、今年度から「研究者養成コース」「高度技能展開コース」「高度教養人養成コース」の3つのコースが設けられましたが、残念ながら習得単位数に若干の変化があるだけで、それ程の変わりはなく早くも教員・院生から批判されているような有様です。このコース分けをいかに実質化させていくか、また同時に、学術的モチベーションの維持・向上や院生に見合った力量形成を行いながら就活(ないしはダブル・スクールなど)を成立させるか、知恵を出して大学側に提案せねばならないと強く感じています。

 いずれにせよ、学部も院も出口問題が深刻化してきています。ただ、「就職口がないから、大学の方でも何か良い対策をしてくれ」と言うと、私の大学は単純なのですぐに講義を実学志向に切り替えようとしてきます。インターンシップなど、実学も良い経験になるため悪くはないのですが、学術的教養形成を考えると、それ一色になってしまうのは困りものだと考えています。ではどうしたら良いのか?

 ……考えているうちにアタマが痛くなってきました(汗)。



 この様に理論構築がまだまだ未熟な私ですが、今後ともお暇な時は遊びに来て下さい。 

 一連の書き込み、有難うございました。これからもよろしくお願いします。
返信する