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1月18日(火)脳を鍛える

2011-01-18 11:26:03 | ★③(は)お父さんの閑話365日(転載)
1月18日(火)脳を鍛える

昨日第60回河北文化賞の授賞式があった。賞を受けられた4個人、1団体の方々に改めておめでとうと申し上げる。授賞式を記念して東北大加齢医学研究所教授・川島隆太氏が「脳を鍛える」と題する講演を行った。とても興味深い内容だったので、私なりに印象に残ったことを以下にご紹介しよう。

川島氏は超高齢社会を迎えた日本では、如何に賢く老いるかが重要な問題だと指摘する。加齢に伴って身体的・知能的に衰えると考えるのではなくて、加齢とは新たに何かを得ること、成長だと捉え発想の転換を求めている。

賢く老いるには脳を鍛えることが大切だという。人間の脳で最も高次の活動をつかさどるのは前頭前野である。ここが元気かどうかによって老後の生活の質が大いに異なる。前頭前野を元気にするには、覚えたことを頭の中で作業する記憶力、「作動記憶」の容量を上げることが必要である。そのことは仙台大学との共同研究や認知症の人に読み書き計算の学習療法を行うことで立証された。

以上が川島氏の講演の骨子だと理解した。小生は本筋から離れた枝葉の部分にも興味をそそられた。たとえばテレビを観る行為は脳を鍛えることには繋がらないということ。脳科学的に言えばテレビを観ているときの脳はリラックス状態だと言うのだ。苦痛を我慢してテレビを熱心に観る人はほとんどいない。

またパソコンに組み込まれているワードプロセッサーを使って文章を作成することは、前頭前野が果たすべき重要な役割をコンピュータに代行させることであって、鉛筆やボールペンで一字一字書くのとは比べ物にならない手抜き作業だという指摘はなるほどと思った。

ローマ字やかなで入力して変換ボタンを押せば、自分では書けない漢字でも瞬時に出てくるのは確かに便利ではあるが、これでは自分の脳を使ったことにならない。かと言って、いったん紙に原稿を書いてからネット配信用に打ち直すのは二度手間だし、今さらそれほどまでして脳を鍛えることもないかと思いもした。


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