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第3回漫画レビュー

2010-03-06 11:07:53 | その他 映画関連

レビュー1000作品超えたところで思い出したように特別企画。このコーナーも映画レビューの合間の気晴らしとして適度に続けて行こうと思う。そんなわけで今回は小学館系。


・タッチ あだち充 ★★★★★★★★☆☆

個人的には「ラフ」の方が好きなのだが、少々マイナーなのでこちらを取り上げておく。本作に限らずあだち充の漫画に出てくるキャラは短い会話の中に非常に意味深で深みがある会話していると思う。今となっては高校生がこんな大人な会話できるわけないだろうとツッコミたくなる程に。大人でも無理です。
ネタバレはしませんけど、あの展開は神がかっていた。それから劇場版の出来がやたら良かった。あまりに有名な主題歌よりも背番号のないエースの方が好き。
どの作品もそれなりのクオリティだが「虹色とうがらし」は爆弾なのでご注意を。またキャラが皆同じ顔に見えるのが難点。


・うる星やつら 高橋留美子 ★★★★★★★☆☆☆

これに夢中だったど真ん中の人達って今40過ぎなんでしょうね。自分の周りにはいないようだが口に出さないだけなのかも。その熱狂ぶりは今の比ではなかったと聞いたことがある。
コミカルな世界観は圧倒的で最初に読んだ時には衝撃を受けた。鬼ごっこで始まって鬼ごっこで終わらせたのもきれいな形で良かったと思う。
ただし30巻以上ある中で後半はネタ切れだったと思う。男の子が欲しかった父と娘の話ばかりで少々飽きた。やはり世代ではないからなのでしょう。それから長編漫画にはつきものだが最初と最後で登場人物の顔が全く違う。正直、最初の方はみんな怖い。
これまた押井守が監督した劇場版の出来が素晴らしかった。他作品では「犬夜叉」まとめて全巻読んだがこれは苦痛だった。「らんま1/2」はキャラがオタク過ぎて受けつけなかった。


・東京大学物語 江川達也 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

途中、エロ漫画化しても一応最後まで読んでやったのにあの全てが嫌になって投げ出したようなラストは一体何様のつもりだいいたくなる。作者は「奇面組」とは違うとかインタビューで答えていたが、五十歩百歩、目くそ鼻くそという言葉を贈ってやりたい。漫画家の力量というよりも人間性の問題でしょうな。強引でスピーディな展開で読ませる力はこの人の持ち味だが、所詮それだけの人だと思う。


・マスターキートン 勝鹿北星・浦澤直樹 ★★★★★★★★☆☆

非常に知的で大人でも十分に楽しめる内容ではないかと思う。実際には浦澤直樹が一人で考えていたという話を聞いたことがありますが、真実はどうなのだか。有能で職務に対するスキルが高くいい人なのだが、不器用な生き方で損をしている感のある主人公太一の憎めない人物像が魅力的だった。一話完結型なのでいつでも思いついたときに読めるのはいいのだが、毎回登場人物が変わるのはまとめて読むには少し苦痛かもしれない。
代表作は他にも沢山あるのでまた別の機会に取り上げたい。


・ B・B 石渡治 ★★★★★☆☆☆☆☆

この人の作風はヒロインが死んだり、犯されたり、全裸にされ全世界にテレビ中継されたり、スポーツ漫画では主人公が戦場に行き人殺しまくったり、ライバルがドーピング麻薬に走ったり・・・。このような手法に訴えるやり方は卑怯だと思う。人間が小さい。映画好きは絶対に評価しないでしょう。それでも少年誌という場で対象の読者にインパクトを与えるという点からすると確かに熟知したやり手なのだとも言えるのでしょう。B・Bは一番の代表作。二人の登場人物はカッコよかった。他作品では「パスポート・ブルー」が唯一のオススメ。


・かってに改蔵 久米田康司 ★★★★★★★☆☆☆ 

ギャグがマニアック過ぎて普通の人には理解不能だったのが最高だった。「voodoo3の性能が期待はずれだったとか」1割が知っていればいい突き放したギャグ。
吉田戦車の「ぷりぷり県」が最高に面白いといっていた人に何が面白いのかさっぱりわからない、笑えるシーンは一つもないと言ったら、同じ事をそっくりそのまま言い返された。笑いのツボは人それぞれ違うのでお勧めできるかは疑問。
それからオチがアレなんですけど、本作についてはそれほど酷いとかは思わなかったですね。「実はゲームのキャラでした」よりはましなんじゃないかと。


・月下の棋士  能條純一 ★★★★★★★☆☆☆ 

対局中に相手が血を吐いて死んだりとか、数手詰みのところを名人が気がつかないとか、そもそも名人は神だから赤信号を歩いても車に轢かれないとか無茶苦茶な話ではあるのですが、個性的なキャラ達のおかげで最後まで盛り上がったと思う。
この人の絵の質感は独特で見ればすぐに誰なのかわかる。文字通り命を賭けた勝負が展開されます。正直、今読んだら思わず笑ってしまうかも。必ずモデルとなっているキャラがいるので意識して見るとより楽しめるでしょう。


・寄生獣 岩明均 ★★★★★★★★★★

絶対にハリウッドが映画化するのではないかと思っていたのだが、話を聞いたことがない。作者が許さないのかも。残忍極まりない描写を通じて逆に生命の重みを表現することに成功した作品は本作だけなのではないかと思う。映画でも見当たらないです。絵にかなりの癖があって今ではいないであろうタイプなのだが、これが独特の生々しさを出していたと思う。特に女性キャラ。
ここで絶賛しなくても誰もが知る名作。
 

・ツルモク独身寮 窪之内栄策 ★★★★★☆☆☆☆☆

大人は馬鹿にするが、中学生なら憧れそうな少し大人の世界を描いた作品というと最初に本作を思いつく。この時代の童貞漫画の代表格ですな。影の薄い主人公とヒロインの恋愛模様よりも漫画史に残るであろうブスキャラ白鳥沢レイ子と遊び人のイケメン男杉本との恋の行方の方が遥かに気になってしまった。作者、最近全く見かけないけど生きているのか?




作品のレビューというよりは漫画家レビューになってしまったがお許しを。 (寄生獣はアフタヌーンだったのに後から気がついたが、せっかく書いたのを消すのも虚しいので残すことにした。)


次回はキリ番である1111作品突破時を予定。


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