ドライバー不足が言われているが、現行の物流体制については厳しいものの一人の休日出勤・長時間労働などでなんとか成り立っている状態である。
しかし、上記のような対策では根本的な解決策にはなっておらず、むしろ延命処置に過ぎない。今のギリギリなんとかなっている状況が崩れた時は非常に大きな投資チャンスであると見ている。物を運ぶという行為がどれだけ価値のあることか意識される時でもある。
理由は前にも書いたように、物流がパンクした途端、急激な運賃上昇が発生するからである。タイトルにあるように従来の需要と供給のバランスが崩れた時の価格変動はどの産業であっても非常に大きい。特に物流に関しては企業にとって物を運ばなければ事業は成り立たない。それまで下にいた側が一転して上の立場になり容赦なく値上げを要求してくるだろう。全体の5%ドライバーが減少すると30%程度運賃が上がるという推測すら出ている。ドライバーの需要と供給についてもっと長いスパンで見るならば、90年代前半まで運送会社は好景気によるドライバー不足で非常に儲かっていた。これが規制緩和によって簡単な手続きで誰でもドライバーになれるようになり、円高による海外生産移管も重なって底なしの低価格競争に陥ることになる。そして今再びバランスが崩れようとしている。
ドライバーの数は2006年の92万人をピークに高齢化のため減少し続け、現在では80万人を切る水準まで減少している。特に大型トラックのドライバーの高齢化が深刻で30歳未満は僅か4%しかいない。それだけ若年層から選ばれない仕事になってしまったいるのである。重労働で危険、その割に給料高くない。しかも全産業で若い労働力の奪い合いをしている。これではトラック運転手の成り手などいない。この状況が好転しない限り、いずれ物流はパンクする。モーダルシフトとか長距離ドライバーの作業軽減などでは根本的な対策にはならない。路線に運ぶまでと路線から下ろしてからそれぞれドライバーがいるのだからやり方によっては逆効果である。中距離ドライバーが一人で運んだ方が人はいらない。
問題はタイミングである。いつ起こるか?正確にいい当てるのは難しい。ただそのうち確実に起こるはずなのでその時が来た時には絶対に見逃さないように現状もある程度の資金を入れつつ常に狙いをつけている。
将来における自分の投資の本命にしたいと考えている。