新刊の森

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待望のベンサムの政治思想の分析書「功利とデモクラシー」

2020年01月11日 | 新刊書

ベンサムは日本ではあまり人気のない思想家だが、彼のもたらしたものは大きい。今回サムの政治思想を中心に分析する書物が翻訳されたのはうれしいことだ。ぜひ読んでみよう。ただこの値段はどうにかならないものか。

 

 

 

功利とデモクラシー:ジェレミー・ベンサムの政治思想
2020/1/11
フィリップ・スコフィールド (著)
単行本: 628ページ
出版社: 慶應義塾大学出版会 (2020/1/11)
単行本 ¥16,500
言語: 日本語
ISBN-10: 4766426428
ISBN-13: 978-4766426427
発売日: 2020/1/11
内容紹介
支配する少数者の「邪悪な利益」を
いかに制御するか
――ゆえにベンサムは急進的でなければならなかったのだ
本書は次の二つの慧眼を持つ。
第一に、言語論を核としたベンサムの論理学が、功利性の原理と並び立つ彼の思想の基盤であることを説得的に示したこと。
第二に、支配層としての政治家・法律家・宗教家の協働による私的利益の追求を「邪悪な利益」として糾弾し、急進的民主主義へと転向したベンサムの政治思想を詳らかにしたことである。
稀代の思想家が掲げた〈功利〉と〈民主主義〉の新たな側面に光を当てたスコフィールドの二〇年に渡る研究の到達点、ついに刊行。
著者について
[著者]
フィリップ・スコフィールド(Philip Schofield)
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン法学部教授。ベンサム・プロジェクト・ダイレクターおよび『ジェレミー・ベンサム著作集』編集主幹。
本書以外に、Bentham: A Guide for the Perplexed, Continuum, 2009(『ベンサム―功利主義入門』、慶應義塾大学出版会、2013年)がある。ベンサムおよび古典功利主義に関する論文、編著多数。本書によって2006年マッケンジー図書賞(イギリス政治学会)を受賞。
[訳者]
川名 雄一郎(かわな ゆういちろう)
Ph.D. in Political Science(UCL)。
著書にLogic and Society (Palgrave, 2017)など。
高島 和哉(たかしま かずや)
1971年生まれ。早稲田大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。現在、明治大学ほか非常勤講師。専門は倫理学・社会思想史。著書に、『ベンサムの言語論―功利主義とプラグマティズム』(慶應義塾大学出版会、2017年)、『ジェレミー・ベンサムの挑戦』(共著、ナカニシヤ出版、2015年)。訳書に、イリイチ『生きる意味―「システム」「責任」「生命」への批判』(藤原書店、2005年)、マッキンタイア『依存的な理性的動物―ヒトにはなぜ徳が必要か』(法政大学出版局、2018年)など。
戒能 通弘(かいのう みちひろ)
1970年生まれ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス法学修士課程修了。博士(法学・同志社大学)。現在、同志社大学法学部教授。専門は法思想史。著書に、『世界の立法者、ベンサム』(日本評論社、2007年)、『近代英米法思想の展開』(ミネルヴァ書房、2013年)、『ジェレミー・ベンサムの挑戦』(共編著、ナカニシヤ出版、2015年)、『法の支配のヒストリー』(編著、ナカニシヤ出版、2018年)、『イギリス法入門』(共著、法律文化社、2018年)。

 



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