象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

ファンタジーこそがお祭りの醍醐味〜佐賀バルーンフェスタに見る、祭りの王道とは?〜

2019年09月04日 04時16分59秒 | ブログ系

 佐賀といえば、皆さん何を思い浮かべるでしょうか?

 超の付くド田舎の地?アームストロング砲を生み出した偉大なる佐賀藩?世界の有田焼?嬉野の女遊び?竹崎のカニ?秀吉も利用した武雄の元湯?はなわが歌うSAGAのテーマソング?
 
 高速を使わないとカラオケに行けない(笑)という話は今や昔の事。これからは佐賀がナウいのだ。

 

佐賀といえば、バルーン祭りだぁ〜

 ところで私に言わせれば、佐賀市こそが、毎年秋に”バルーン祭り”が行われる、世界に誇る地方都市なんですな。
 佐賀空港もできたし、全国の知名度も少しずつ上がってきてるでしょうか。

 ”インターナショナル•バルーンフェスタ”と呼ばれ、アジア最大級の参加機数の熱気球大会。毎年(10/31〜11/4)十数ヵ国の選手が70〜80機(うち日本が50機程度)参加する。1980年から始まったとされますが、最初の頃は今みたいに大規模じゃなかったですかね。
 なお、熱気球世界選手権も1989年と1997年と2016年の3度、熱気球日本選手権を35回中26回開催した。

 佐賀市の年間観光客数の1/4を占める、最も人出の多いイベント。秋季イベントの動員数としては、同時期開催の”唐津くんち”を上回る。

 世界選手権が行われた1989年には117万人の人出を記録(2016の世界選手権では131万)。以降、毎年75〜95万人程度の人出で推移する。地域に与える経済効果は約58.5億円(2008)と試算される。

 しかし、メディアの露出が増えるに従い、規模も大きくイベントも派手になり、渋滞も半端なくなった。故に、私めもここ数年は、TVで見るだけに留まってる。
 それでも美しいものは美しい。それに大川まで行けば、色鮮やかなバルーンが楽しめる。

 私が若い頃は渋滞も少なく、規模は今よりも小さかったが、色鮮やかなバルーンを見ながら、快適なドライブができたものだ。
 
 

SAGA世界熱気球選手権2016

 今年こそはバルーンを近くで見ようかなと思い巡らしてる内に、NHKBSスペシャルでは、佐賀市で行われた世界熱気球選手権(2016)が特集されていた。

 ”熱気球が今、スカイスポーツとして大人気だ。この秋佐賀で世界選手権が開催され、世界トップクラスの100機超が大空を舞った。
 前回チャンピオンは、日本の藤田雄大選手29歳。風だけが動力の熱気球で、天候や地形を読み、風がどう変化するか判断する頭脳ゲーム。そして、急降下など高度なテクニックの勝負。
 番組ではGPSを駆使し、気球の航跡を分析。強豪パイロットたちの知略巡らすハイレベルな激しい闘いを描く、空中戦ドキュメント”

 以上、NHKBS1スペシャル「勝利は風にきけ、2016熱気球世界選手権」より。


 2年に1度、世界を転戦する”FAI熱気球世界選手権”が、今秋佐賀県で開催された。世界選手権が日本で開催されるのは10年ぶりだ。

 今回は、世界31の国と地域から105機の熱気球が参加した。7日間に渡る熱い戦いを繰り広げる。

 ルールは、地上に設けられた目標地点に、どれだけ近くにマーカーを投下するかを競う。風の状態が目まぐるしく変わり、気まぐれで難しいとされる佐賀の空で、世界の強豪たちがどの様な戦いぶりを見せるのか?

 地上や上空からの迫力ある映像に加え、気球や風の動きを立体的に映像化する。3DCGを駆使し、風という目に見えない力を頼りに戦う、熱気球競技の魅力を伝える。

 

熱気球の起源と醍醐味と

 1783年、フランスのモンゴルフィエ兄弟が公開の場で初飛行を成功させた熱気球。優雅に空を舞う姿は馴染みのあるものですが、実際に熱気球を間近に見た人や搭乗した人は、多くはない筈だ。
 ましてや、エンジンもハンドルも無い熱気球がどうして?空を自由自在に移動する事ができるのか?
 
 今回の番組作りも、そんなレベルからのスタートだったという。

 風という変幻自在で不思議な自然現象と、その風を味方につける、緻密で繊細な気球コントロールのテクニック。これらその奥深い魅力を番組ではCGを使い、巧く表現してた。

 熱気球と言えば、優雅に空を漂うイメージだが、105機の巨大な熱気球が一つのゴールを目指し、先を争う姿は、そんなイメージを一変させるものだ。
 上空を覆いつくす無数の熱気球と空気を温めるガスバーナーの轟音。優雅な熱気球が持つ別の顔に思わず魅了される。

 

バルーンフェスタと佐賀平野と

 因みに、バルーン競技には約20種類の種目があり、その種目の1つ1つを”タスク”と言う。
 基本のタスクは、前述した様に、マーカーと呼ばれる砂袋をバルーンの上から所定の目的地(ゴール)に目掛け投げ落とし、その正確さを競う。

 どんなタスクを行うか?1回のフライトでタスクを何回行うか?競技直前までわからない。競技の前に、風や天候の状況で競技委員長が判断するそうだ。

 選手はバルーンに搭乗するパイロットだけでなく、地上からパイロットに風向きや進路を指示し、空を飛ぶ気球を車で追いかけるクルーが必要。1チームは大体4、5名で、これらバルーン競技の選手をバルーニストと呼ぶ。
 ブリーフィング(会議)でタスクを知らされてから、チーム全体で予め収集した気象や地理などの情報を使い作戦を立てるのだ。
 そうガチの頭脳戦なんですな。

 でも何故?そんな大規模な国際大会が佐賀市で行われるの?それは佐賀平野がバルーン競技に適しているからだ。
 
 正確には、この時期は稲刈りを終え、着陸しやすい事、地上クルーが車で付いていける道路などの整備状況が整ってる事、佐賀平野の北側の山から流れてくる風の影響で風の方向が変わり競技難度が高い事、などだ。

 そこで違う楽しみ方をもう一つ。

 バルーンが田んぼなどに着陸すると、地元の人や子供たちが我先にと、パイロットに会いに行く。それはチームの”ノベルティグッズ”をもらう為だ。
 チームカードやバッジなどを用意してるバルーンチームも多いらしく、毎年このノベルティグッズを楽しみに、縦横無尽に自転車を走らせる小学生なども多い。そんな楽しみ方もバルーン祭りの醍醐味の一つなのですな。

 恐るべし佐賀のバルーン祭り!

 

ファンタジーこそが祭りの王道だぁ〜 

 先日は、お祭りはいらないと言ったが。バルーンフェスタみたいな、ファンタジーを提供してくれるお祭りなら、私めは大歓迎である。

 これに対し、花火大会や喧嘩祭りなど、ファンタジーのない派手なだけのお祭りなら、全くの予算と時間の無駄だ。ない方がずっとマシだ。

 佐賀のバルーン祭りには、毎年みんなが酔いしれる。世界中の人たちとの交流もあるし、ワイワイ地酒も飲めるし、肩肘張らず楽しめる。

 地域住民の無理矢理の参加もないし、スポンサーの理由などで廃止になる事もない。
 その上、大都市の花火大会みたいに入場料を取られる事もない。祭りに対する阿呆臭い住民の理解なんか、どっかに吹っ飛びそうな勢いだ。


 ファンタジーと何度も言ったが、バルーンフェスタの大きな見せ場として、土日の夜間に行われる”夜間係留”(写真)も、毎年多くの観客が楽しみに訪れるイベントの一つ。

 バンドの生演奏に合わせ、バーナーの赤い炎に照らされ、バルーンが一斉にライトアップする。暗闇が一瞬にして幻想的な世界へ変わります。背筋が続々っとする瞬間ですかな。
 恋人同士で行けば、その場の勢いで何がデキそうですな(笑)。

 夜のバルーンは昼に比べ、それだけで異常なまでに幻想的です。遠くからでもうっとりできますな。
 
 それ以外にも、バルーンが地面スレスレを移動し、鍵を拾い上げる”キー•クラブ•レース”トライアル•バイクショー(昔はなかった様な)などのイベントも用意されてる。

 会場内に設置される、”ご当地”屋台がズラリと並ぶ「うまかもん市場」には、佐賀県内外のご当地グルメや特産品などのブースも展示される。

 ただ、天候と渋滞が唯一の欠点だが。期間中はな〜んと、「JRバルーンさが駅」を臨時開設してくれる。
 普通列車だけでなく、殆どの特急列車も停車するから、遠くから来る人は公共交通がオススメかな。
 
 もっと詳しい事は、”バルーンフェスタ”で検索すると一杯出てきますから、何も心配いらんです(笑)。
 多分、日本一のお祭りだと思う。オリンピックも佐賀でやれば、エエンじゃがの〜。夜のバルーンを見ながらの開会式なんて、見てみたいの〜。
 


最後に

 お陰で経済効果は60億円近く、花火大会みたいに規模が大きくなるだけ支出も増えるという致命傷もない。むしろ収入が増えすぎて、SAGAバンザイってとこか。

 ただ昔の記憶では、これらの様々なイベントはなかった様に思う。規模も凄く大きく、期間も長くなり、イベントも多種多様に様変わりしたようだ。

 バルーンフェスタが近づくと、佐賀市の街並みが少しずつ様変わりし、それを見てるだけでも楽しいもんだ。


 毎年毎年、別モノの様に鮮やかに進化していくSAGAバルーンフェスタには、全くの脱帽だが。

 お祭りの王道が佐賀にはある。



4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
佐賀と言えば (paulkuroneko)
2019-09-04 15:13:16
佐賀と言えば、有田陶器市に行った事があります。でも、道路が一本道だったのでとても混雑してました。

バルーンフェスタという最大規模の祭典もあったんですね。何だか見てみたくなります。ただ、今から申し込んでもホテルとか満杯でしょうか。
返信する
paulさんへ (象が転んだ)
2019-09-04 15:40:09
特に今年は40周年記念なので、例年以上に混雑するかもですが。ホテルは心配しなくてもいいかなです。
ただ、車での移動は何処も混むので、JRを利用できる近くのホテルがいいかな。

サイトで下調べすれば間違いないでしょうか。但し、10/31〜11/4と書きましたが、10/30は準備に当てられ、11/5は閉会式が行われます。この2日も結構楽しいです。

因みに私は、河川敷の農道で車を待機させ、風に流れてくるバルーン待ちですかな。色んな楽しみ方がありますので、今から待ち遠しいですね。
返信する
秋の夜空に熱気球 (hitman)
2019-09-04 18:53:31
もう花火も神輿もフンドシもペット写真もウンザリってことで。
何事もシンプルとファンタジーが一番ってことですね。

秋の夜空に熱気球ですか、俳句がいくつか詠めそうです。
田舎でもこんな世界規模のお祭りに恵まれてるとはこれこそ贅沢の極み。

柳川には川下りがあり、久留米には300年以上も続く花火大会があり、隣町にはソフバン2軍の本拠地がありと、理想的な田舎って感じですよ。

ううう羨ましい。
返信する
hitmanさんへ (象が転んだ)
2019-09-05 03:06:04
柳川も佐賀も元は何にもなかった所なんです。私の田舎は厳密には立花藩ではなく、蒲池藩(松田聖子の直属の祖先)ですが。その蒲池藩もすぐに久留米の方に逃げ去っていきます。立花藩に吸収される形で柳川に移植されたんですが。佐賀県も佐賀藩が廃止になり、一気にスラム化します。

一時はどうなる事やらでしたが、佐賀空港が出来、新幹線船小屋駅が出来、僅かですが少しずつ開けつつありますが。まだまだですね。

バルーンフェスタもまだ渋滞が課題で大半は解決できてない。バイパスくらい通せよって言いたいんですが、まだまだ資金繰りがキツイんでしょうね。
返信する

コメントを投稿