象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

スマホは人をバカにするは本当か?(更新)〜スマホは学力を破壊する、いやメディアが人をバカにする?〜

2019年06月25日 04時35分39秒 | 健康

 連日、”戦争”ブログにアクセしてくださった方どうもです。戦争の悲惨さや真相に関しては、分厚い洋書が沢山出版されてます。それだけ”戦争捏造国”アメリカ国民の関心が、異常なまでに高くなってきてるという事でしょうか。

 歴史を正しく認識する為にも、こうした気の遠くなる様な長編モノを読む必要がありますが。出来るだけ解る範囲で紹介していきたいと思います。

 

 スマホが子どもの脳に与える影響に関し、「脳トレ」ゲームを開発した東北大学の川島隆太教授が、中学生2万人以上を対象に調査を行った。その調査から解ったのは、”スマホを使用すると偏差値が10下がる”という衝撃の事実だった。
 なぜ?スマホが学力に悪影響を及ぼすのかについて、川島氏の著書「スマホが学力を破壊する」の内容を基にお届けする。


やっぱりスマホは、人をバカにする?

 目の前のグラフは、私をただただ暗い気持ちにさせただけであった。
 そのグラフとは、宮城県仙台市の公立中学校に通う2万2390人が受けた数学の試験結果と、平日の家庭での学習時間の長さ、平日のスマホの使用時間の関係を示したものだった。

 勉強時間が同じでも、スマホを使用する時間の長いほど成績が下がる事が判った。家庭で毎日2時間以上も勉強をしても、スマホを3時間以上使用すると、スマホは使用しないかつほぼ勉強もしない生徒よりも成績が低くなってる。つまり、スマホが2時間を超える勉強の努力を消してしまったのだ。

 さらに深刻なのは、ほぼ家庭で勉強をしない生徒達のデータだ。学校の授業でのみ勉強をしている生徒の事だ。彼らがスマホを1時間以上使用すると、使用時間の長さに比例し、点数が低くなる。つまり、スマホを使用した事で、学校で学んで得た記憶が消えてる可能性がある。

 この調査は、東北大学が仙台市教育委員会と共同で行う「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」の一環で行われ、子ども達の学習意欲の向上を、脳科学や認知科学や心理学の側面から明らかにしようとしたものだ。2010年より行われ、毎年7万人以上の市立小中高校に通う生徒全員のデータの解析をしている。

 

”スマホが学力を破壊した?” 

 この原因として最初に考えたのは、睡眠時間の減少だ。スマホを長時間操作すれば、夜遅くまで起き、睡眠時間は短くなる。
 文部科学省の全国学力調査結果から、睡眠時間の短い生徒の学力が低い事は解ってる。また、睡眠不足が細胞内でエネルギー産生を行うミトコンドリアの機能を低下させ、学力低下の一因と考えられてる。

 2014年度以降の調査の結論から言えば、睡眠の影響の可能性はほぼ否定された。十分に睡眠をとっていようが、睡眠不足であろうが、スマホ等の使用時間が長ければ長いほど成績が下がる事が証明されてしまったのだ。

 これらのデータで、スマホの使用による成績の低下は、学習時間とも睡眠時間とも直接は関係してない事が判った。つまり、単にスマホ等の使用が直接、成績に影響を与えてる可能性が高いという。

 

SNSは脳を破壊する?

 次いで考えたのが、スマホ等を使用したから成績が下がったのではなく、元々成績の低い生徒達は、スマホへの親和性が高いのではないか?という事だ。その結果、
①スマホ等を使用しないと、良い成績が向上していく。
②スマホ等を使用し続けると、悪い成績がさらに悪くなる。
③スマホ等の使用を開始すると、良かった成績が低下する。
④逆に使用を止めると、成績が向上する。

 の4点が明らかになった。つまり、元々成績の低い生徒達のスマホへの親和性が高いのではなく、スマホ等を使用しているから学力が低下してるのだ。

 では、スマホの何が学力低下をきたしているのか?調べものや学習の為の使用と、ゲームプレイや動画視聴では影響が異なるのか?
 結果は、LINEに代表されるインスタントメッセンジャーの使用が、最も学力低下の影響が強い事が判った。つまりSNSが、動画視聴やゲームよりもずっと悪影響を及ぼしてたのだ。

 事実、LINE等を全く使わない群が50.8だったのに対し、1時間未満の群は50.2、同1~2時間は47.7、同2~3時間は45.1、同3~4時間は43.0、そして同4時間以上は40.6となった(2017)。つまり、偏差値で10以上の差が出る結果となった。

 

”ながら”スマホの重罪とは? 

 海外で行われた高校生や大学生を対象とした調査研究でも、SNSの使用時間が長い生徒の学業成績が低い、教科書を読む時に注意散漫になりやすい、読解力が低い、などネガティブな影響が沢山報告されている。

 これには、何かをしながら同時にSNSを利用する”マルチタスキング”が問題ではないか?と議論されてる。
 特に、TVやパソコンやスマホなど、複数のメディア機器を同時に利用する”メディア•マルチタスキング”のネガティブな影響に注目が集まっていた。

 そこで”メディア•マルチタスク”の観点から調査結果を眺めると。何とスマホ等を所持する7割以上の中学生が、家庭で勉強中にスマホ等を操作している事が判明した。実に3割以上の生徒は、学習中にゲームで遊んでいたのだ。

 ヒトは弱い生き物である。スマホを持ってしまったら、いけないと思ってても、勉強中にゲームで遊んでしまう。そして、それ以上に”メディア•マルチタスキング”の学力への影響は深刻であった。

 
 ゲームに限らず、学習中に音楽を聴いてもLINE等を操作しても、成績は大きく低下した。また操作するアプリの数が多ければ多いほど、成績が低下する事も判明した。海外の研究でも、青少年のメディア•マルチタスキングに関しては、学力の他認知機能も低下する、社会性に悪影響を与える、記憶力を低下させるなど、ネガティブな影響を論じる論文が沢山ある。

 このネガティブな影響は、全ての年代の方々にあてはまる。明るい将来を担保する為、自制心を持ち、スマホの使用は1日1時間以内とするのが望ましいだろう。でも多分絶対に無理!スケベ親父に”お触りパブ”へ行くなというのと同じだろう(笑)。

 スマホを代表とする情報通信端末が広く普及した事で、人類と社会、文明の破壊が一気に進みだしたのではないか。特にヒトの心の内なる破壊が、すでに深く静かに始まっているのではないか。破壊が非可逆的になる前に、社会全体で歯止めをかける必要がある。

 以上、PRESIDENTOnline「”スマホが学力を破壊する”コレだけの理由」より抜粋でした。

 

スマホが悪いのか?メディアが悪いのか? 

 スマホの使用の増加が青少年少女の脳に多大なる負荷を掛けてるのでは?という報告もあるが。実際はその逆だと私めは思う。

 事実、SNSをしてる時は脳は大して働いていないという。つまり、脳が陶酔状態になってる訳だ。薬物をアルコールや睡眠薬と混ぜる事で陶酔の効果が瀑増する様に、メディア•マルチタスキングによって脳みそが麻痺する。それまで勉強した記憶がブッ飛ぶのもこれで証明できるかな。

 つまり、SNSのやり取りや写真や動画の絶え間ない視聴が、脳に多大なるダメージを与えてるというより、全くその逆で脳を陶酔させ、腐らしてるのかもだ。
 故に川島博士も、それらの行為が脳の健全な発育を阻害する可能性があるかもと語る。
 
 故に、SNSやLINEというよりもメディア機器そのものに原因があると思う。スマホでなくともTVやラジオや音楽プレーヤーと付き合う時間が長すぎれば、脳に障害を与える可能性が高いかもだ。確かに、イヤフォンで長時間音楽聴いてると”脳がフヤケた”感覚に陥る。
 
 現にSNSではないが、それよりも遥かに”ハマる”とされるオンラインゲームの中毒者の脳は変形してるとされる。特に判断を掌る前頭前野が正常に育っていないと。

 

今更スマホをやめろと言われても

 しかし、スマホはとても便利な道具だ。あらゆる娯楽や教養や情報を、タダで私たちに提供してくれる。それはとても面白い有意義な経験でもあり、役立つもの。

 より良い便利な生活をする上で、スマホはなくてはならないものだ。しかし、別の見方をすれば、スマホはあまりに”ハマる”ものであり、私たちの貴重な時間を奪うだけでなく、健全な身体やメンタルまでごっそりと奪い去る。故に多大なる影響を与える恐れもある。

 そういう私は、スマホを使う様になってからパソコンを一切使わなくなった。音楽も聞かなくなった。”ながら”もしなくなった。
 PCと長時間戯れてた頃は、動画や音楽やゲーム、そしてCG制作と、マルチタスクの常連でもあった。 
 お陰で頭がおかしくなりかけた。いやその前に身体がおかしくなりかけた。

 今の私はスマホだけの、ピュアでシンプルなシングルタスク型人間だ。お陰で肩は凝らないし、目も疲れない。ヘッドフォンで音楽を聴く事もなくなった。逆にスマホのお陰で、素数定理やゼータ関数や解析接続をも何とか曲がりなりに理解出来る様になった。算術アレルギーの若い頃には、考えられなかった事である。

 それにスマホのお陰で、書くという習慣が蘇った。携帯はツール、PCはデスクというイメージとは異なり、”スマホはメモ帳”という感覚が強い。また自然と戯れる事が好きになった。珍しい植物は直ぐに検索出来る。全てはスマホのお陰である。スマホが私の生活スタイルをシンプルにしてくれたのだ。いやそう思いたいだけか。

 脳に対する負担を考えると、主観的だが良い悪いは別にして、数学が一番負担が掛かると思う。数理系のブログを書く時は、他のブログを書く時よりも10倍以上の負担が脳に掛かる様な気がする。故に、川島氏が数学の試験を実験の材料にしたのは、全くの正解だと思う。

 

最後に

 スマホを1時間以内と制限するよりも、オンラインゲームやSNSやメールやスマホアプリの閲覧を制限すべきだ。
 その代り、学習や検索目的でのスマホの使用は認めるべきだ。古書や分厚く難しい本を読む時に、スマホでの検索は大きな助けになる。事実、リーマン予想の理解やバルザックの古書の熟読は、スマホなしには不可能だった。

 教育や教科書や教師の指導だけでは、完全な知識の修得には限界がある。そんな時、スマホの検索ツールは異常なまでの威力を発揮する。
 つまり、”スマホとハサミは使いよう”なのだ。


 最後に、大先輩ディリクレに出会った時のリーマンの言葉で締め括る。

 ”ディリクレは私に、僅か2時間程を割いてくれました。その時の助言がなかったら、図書館で長い時間掛けて探さなければなかったでしょう。お陰で一日中本と籠ってる時より、ずっと勉強が捗りました”



8 コメント

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メディアが人をバカにする (hitman)
2019-06-25 07:47:16
続けてです。

私も一時はスマホゲームやアプリにハマってました。でも今はやめてます。長時間やると吐き気がするんです。それでやめたんですが、脳に悪影響を及ぼすんですか。アララ納得です〜(+_+)

ゲーム特にマルチゲーのコミュニケ系はアカンのですね。でもスタンドアロンのシムゲーは良さげですがね。

スマホも検索や学習に特化したモデルを作れば、安いのが作れそうですが。

最後のリーマン先生の言葉にはグッと来ました(*_*)
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象転さんへ。 (テレビとうさん)
2019-06-25 08:10:57
スマホで数学の勉強をしている「生徒の成績」が判らないので、スマホ自体に人を「バカにする性能」があるかどうかは判りませんが、それでも、SNSには(未来系の)語学力を上げる機能があるかもしれませんし、ゲームには(未来系の)戦闘能力を上げる機能があるかもしれません。

この調査は「電卓を使う人は、暗算の能力が劣る。」「ワープロで文章を書くと、筆文字が下手になる。」の類の、調査結果かもしれません。

しかし何故、多くの人に「不要とされる数学」を調査対象にしたのかが理解できません。スマホが人格や精神性に与える影響を調査結果は無いのでしょうか?

学問はその分野ごとに1%未満の天才がいるだけで発展可能で、その結果は時宜にスマホ検索で人類には十分役に立つと思います。
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スマフォの有害性 (トンネル)
2019-06-25 09:12:32
初めまして。福岡市内の大学で教鞭をとっている者ですが、私の学科では、学内でのスマフォの使用者は、他の学科と比べ非常に少ないのですが、それでも、成績の優秀者とそうでない学生の間では、スマフォの使用時間とその使用目的に差がある様です。
優秀な学生は、その使用を学業に関係する事に限っている様です。私は、スマフォを使いませんが、電車での通勤時、どの様な事にスマフォを周囲の人が使っているか?
チラッと除き見る事がありますが、そのほとんどが時間つぶしの内容の様です。
他にやる事がないのか?といつも、思っています。先にも述べましたが、有用な利用までを非難するものでは、ありません。
授業中でも、調べて見なさいと学生に言う事があります。
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hitmanさんへ (lemonwater2017)
2019-06-25 10:17:21
私もスマホゲーは具合が悪くなります。脳トレも頭が痛くなります。ソリティアをやると不思議と昔の事を思い出す。それでブルーになる。
アプリに関しては単なる毒ですね。

ゲームもPC版のスタンドアロン型のシムゲーは楽しいんですが、自分の時間を奪い去り過ぎるので、もう辞めました。

でもスポーツゲームは結構やりましたね。ゴルフに野球にレースに、でも不思議とバカにならなかったかな。

でもPCに比べるとスマホは使用時間が極端に少なくなりました。
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TVとうさん (lemonwater2017)
2019-06-25 10:18:54
研究結果は100%近く当たってると思います。

ただ、今更スマホをやめろと言われてもね。
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トンネルさん (lemonwater2017)
2019-06-25 10:21:34
稚拙なブログにコメント頂いて誠に恐縮です。

多分学力が高い生徒ほど、スマホの使用時間は少ないと思います。知的人種ほど自分の時間を大切にしますから。

ただ殆どの人は、スマホを単なる時間潰しに使うのでしょうが。スマホのこれからの在り方として、学術系や数学の記述に特化したスマホの開発を望みますが。
実際に開発されてるアプリは幼稚な玩具ばかり。これじゃ、開発する側もバカになりますかね(笑)。

でも日本の若者の学力を向上させるには、藁(スマホ)をも掴むしかないのかなです。
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大論争 (paulkuroneko)
2019-06-25 15:35:01
何だかこの話題は大論争を生みそうです。
私も非国民と言われそうですが、スマホは人を間接的にダメにすると思います。でもこれだけ広まってしまったら後には戻れません。

要はスマホの使い道でしょうか。私もボクシングの動画とかよく見ますが、TVみたいに長くは見れません。

暇つぶしに使う点でも無視はできないです。
ただ、FacebookやTwitterは制限すべきで、なくなった方がいいかなとも思います。この2つは人を確実に馬鹿にします。

ただそれ以上に、スマホは人間を弱くする様な気がします。内向的な人はより内向的になり、精神に病を抱えてる人はより深刻になる。

実際、自殺サイトなんて冗談の領域を遥かに超えてますから。

スマホは我々の生活スタイルを一変させ、娯楽の王道に君臨しました。スマホが高度化すれば大げさに言えば、人の精神性や道徳や倫理まで変えてしまうかもしれません。

故にスマホの機能や性能を制限し、学習などに特化したシンプルな機能のスマホの開発が必要と思います。この点では転んだサンと同意見です。

一時期メディア機器から発せられる電磁波の悪影響も噂になりましたが。もっと人はメディアに触れるよりも、自然に触れた方が強くなれると信じたいですね。

でもこうやってスマホを叩いてる自分がいるから不思議です。
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paulさんへ (lemonwater2017)
2019-06-26 06:38:46
コメント遅れてスミマセン。

スマホは善か?悪か?大論争を呼び起こしそうですが。”SNSはもうやめた”で検索すると結構引っ掛かりますね。

厳密にはスマホの害ではなく、ネットワークコミュニティの害と言った方が誤解はないですかね。

特に、FacebookやTwitterなどのチャット系のSNSはね。百害あって一理なしとは言えなくも、そうなる可能性もなくはないか。

PCゲームも一時はマルチゲーが世界中に繁殖してましたが。今ではスタンドアロン型のシムゲーに取って代わりつつあります。

結局、ネットを使ってまでも友達が欲しいって事に尽きるんですが。そういう私もネットを始めた当初はSNSで知り合った友人が神様に見えましたもの。

猫の写真なんかインスタなんかで沢山出回ってますが、庭先にいる野良猫の方が余計に可愛く見えますかね。

”一見は百SNSにしかず”なんで事で(笑)。
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