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「博士の愛した数式」面白かったです +2021年追記

2006-07-23 | 映画感想 他

全然期待しないで見たのに、とても面白くて、あったかい良い映画でした。世間では評判あまり良くないみたいですが、私は好きです。
私はこの映画見て、ほんわか優しい気持ちになれたし、みんな良い人ばっかりで、誰も死ななかったし(←これ重要 誰も死なない映画なんて、最近そうそう無いもん)いまどき、不治の病・死亡しない映画で、アイドルor人気スターが出演してない映画で、お客さんそこそこ集められる映画なんて、そう無くないですか?それを思えば、立派な映画だと思います。Hシーンも無いから、安心して子供さんも一緒に見れます☆

まず冒頭、吉岡君(純君)が髪をはねらかせて、√という学校の先生役で登場した時から、何となくこの映画が好きな予感がしてました。
博士役は、寺尾さん。正直、私は寺尾さんは、今でも ルビーの指輪のおじさん というイメージがありまして・・ 今まで色々な映画に出演しているし、日本の映画界?で、知らない内に指折りの役者さんになった感がしますが、どうもあまり好きという・・風に思ったことがなかったのですが、この映画での寺尾さんは、とっても適役だったし、この人好きだな~って思いました。

深津さんが、家政婦派遣会社で、ちょっと難しい?顧客である、寺尾さんちに派遣されて行き親しく心を通わすことになる内容は、ジョゼや、メゾンドヒミコの犬童一心監督の「金髪の草原」で外見は20代でも頭の中は気難しい80才という伊勢谷友介に会いに行く可愛く優しい良い娘(池脇千鶴)を連想させられました。金髪の草原も、結構面白くて良い映画だったと思うんですが、誰一人回りで見た人がいなくて・・・(;。;)金髪の草原の感想

博士の愛した数式で、色々な数にまつわる話が出て来るのですが、どれも面白く、ユニークで、楽しかったー!
それと、深津さんにしても、息子の√にしても、優しい!!!
次の日になってまた同じ質問を繰り返す博士に、うんざりするどころか、心からの笑顔で答えるんですよね。こんな優しい人いるのか~!って位優しくて、心温まりました。特にこの子供の√たるや、ほんっとに良い子だ!純君の北の国からの頃を、ちょっと思い出させられるカワイイ子役の男の子、ちょっと鼻づまり気味のしゃべり方といい、とっても可愛かった。こんな良い子供や、こんなに綺麗で気だての良い女性は、そういないかもしれないけど(ちょっとファンタジーがかってたとしても)私は好きです!。お母さんがある件で息子に謝るシーンがあるのだけれど、そこも好きだったなー。

博士は出来事や、前日あった事などを全部忘れてしまっても、人格というか性質だけは変わらないんですよね。いつも穏やかで優しくて。
ある日、√が学校から帰って来るのにお母さんがここで家政婦してるということに気がついた時、博士はそんな子供を一人にしておくなんて!危ない!とかって、大いに焦って、ここに連れて来なさい!とまで言う、そんなかなり心配性な博士が、結構好きでした。

ただ、過去にあったこと。浅丘ルリ子との間の関係とかが、もうちょっと知りたかったな。そのあたり、もっと解るのかな?と思いきや、あんまり解らなかったし・・・。
出演者全員、演技が上手くて、安心・落ち着いて見られました。立派な役者・女優さんぞろいでした

博士の愛した数式 公式HP
監督 小泉堯史 「雨あがる」「阿弥陀堂だより」の監督さんだったんですね。
以前書いた感想「阿弥陀堂だより」でありますよ
出演 寺尾聰 、深津絵里 、齋藤隆成 、吉岡秀隆 、浅丘ルリ子

・・・・・・・・・・・・・・・
2012年3月追記

博士の愛した数式
15年位前に読んでいたものの感想は書かずにいて、つい先日映画版を再見したら、やっぱりこの作品が好きだなあ!と改めて感じました。
小説も再読したので、少し書き残しておこうと思います。

今回は記憶があいまいになっているところで映画鑑賞⇒小説の順番でしたが、ごっちゃになってしまっています。
普通は原作を映画が上回るって事は滅多にないのですが、本作に限っては映画版が良いって部分も色々ありました。

なんといっても、ルートが数学の先生に現在なっていて、新学期の授業開始日に生徒たちの前で、自分が数学教師になった理由や博士との関係はじめ、彼が数式等を黒板に書いて説明する、という設定になっています。この説明がとても解りやすくて良いんですよね。
こんな先生がいたらなあ・・・と思った人は多いはず。吉岡君とこのルートのキャラも最高に合っていました。ちなみに子役の子と吉岡君が似ているのも良かったです。

★以下ネタバレ★
ラストで、ルートの誕生日パーティで、小説では博士はグローブを、ルートと母からは、博士の大好きな江夏の野球カードを探し出して渡す処が、映画では博士には江夏の28番のジャンバーを渡すという風になっています。

そして小説では、誕生日パーティ(ろうそくが足りないのをルートが買いに出かけ、すぐ戻らなかった間に博士がケーキを落としてしまうというエピソードがある)の数日後に博士が専門の医療施設に入る事になってしまいます。記憶が80分どころか、新しい記憶を留める事全然出来なくなってしまったからでした。

そこの施設に長い年月、ルートが22歳になるまでの10年間程、度々訪れて面会し、交流は続きました。博士は施設で首からその江夏のカードを生涯ずっとぶら下げていた、って風になっています。なので小説での現在は、もう博士が亡くなっています。

映画の方は、海岸のキラキラ光る中、キャッチボールをする大人のルートと博士、それを微笑んで見つめている母と義姉、というシーンで終わっています。
以上

小説では深く掘り下げて書かれてなかった未亡人(義姉)と博士の関係が映画では、少し突っ込んで解る様になっていました。

映画の薪能とは、『江口』という演目だったそう
西行法師と歌を詠み交わした遊女の江口の君のこの世に執着していた霊魂が、悟りを開いてあの世に行けた、みたいなお話です。
なので、未亡人が、あのカードを博士が出した後、すっと気持ちがふっきれて、母屋との間の木戸を開けておく、という展開になったのと重ねている処があるかも・・という説があるみたいです。

 タイトルになっている博士の愛した数式「オイラーの法則」について
映画では、前半部分で未亡人が記憶力を失う前の博士から受け取ったであろう手紙に
eiπ =-1と、書かれています。
2人の間の赤ちゃんを失った悲しみと、これからもずっとその悲しみを抱いたまま生きるという悲しい文面でした。

そして後半、再度同じような公式が登場しますが、若干変わっているんですね。
かつてのはマイナス1だったのが、プラス1=0へと。

小説でも同じシーン(後半に義姉とルートとお手伝いさんと博士が同席中、ちょっと言い争いになっている)で、博士が「子供を苦しめちゃいかん」と、その場の悪い雰囲気を終わらせるがごとく、メモに書いて出す、って処で登場します。
 eiπ + 1 = 0
その後、義姉の態度が急に変わり・・・という展開になっています。

この数式の意味については、ネットで色々調べたところ、
博士、家政婦、ルート、未亡人の関係を表すもので、バラバラのものが一緒になって0になる(上手く行く)って前向きで明るい意図のあるものだったらしいです。

阪神について
誕生パーティーの日付である9/11日は、92年の阪神にとって、重要な分岐点になる試合があった日で、それ以後長年阪神は不振だったようです。映画では5/18日に変更になっていましたが・・。
阪神ファンの人ならば、この小説を1.5割増しで楽しめたでしょうし、その92年の試合を覚えている人ならば、設定をここに小川さんがしたことに、反応出来たでしょう。

映画では、薪能を見ている観客の一人に小川洋子さんがいたことに今回気がつきました。

2005年に最初に映画を見た感想



小川洋子さんの他の本の感想
「密やかな結晶」
「小箱」
「約束された移動」
「あとは切手を、一枚貼るだけ」
「口笛の上手な白雪姫」
「シュガータイム」
「不時着する流星たち」
「琥珀のまたたき」
「注文の多い注文書」
「いつも彼らはどこかに」
「ことり」「とにかく散歩いたしましょう」 感想
「最果てアーケード」「余白の愛」小川洋子
刺繍をする少女
人質の朗読会
妄想気分
原稿零枚日記」
「ホテル・アイリス」「まぶた」「やさしい訴え」
「カラーひよことコーヒー豆」
小川洋子の偏愛短篇箱
猫を抱いて象と泳ぐ
「偶然の祝福」「博士の本棚」感想
妊娠カレンダー、貴婦人Aの蘇生、寡黙な死骸 みだらな弔い
薬指の標本 5つ☆ +ブラフマンの埋葬
「おとぎ話の忘れ物」と、「凍りついた香り」、「海」
「ミーナの行進」「完璧な病室・冷めない紅茶」感想


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2 コメント

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安定感抜群 (現象)
2006-07-23 23:59:07
人が死んで悲しいのは当たり前、

そんな大イベントは心が動かされて当然なわけで、

誰も殺さず心揺さぶられて、立派な映画でしたね。

尺の問題からか、浅丘ルリ子との関係など、

描写をはしょっちゃってるかなぁと思えたところもありましたが、

安心して見られる作品でした^^ノ
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現象さん☆ (latifa)
2006-07-24 21:52:00
こんばんは~現象さん

安定感抜群っていうのが、可笑しい^^、上手いこと言い当ててますネ

昨日、面白かったので、家族にもお薦めして、見せたんです。我が家では、みんな凄く良かった!って評判良かったです。

でも、世間では、いまひとつ評判良くないみたいですね・・・。

サヨナラcolorは全然ダメだったけれど、こちらは、私の好みに合ってたみたいです。やっぱり人それぞれ好み千差万別ですね~
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