ソラリアシネマ
実際にこんな少女時代を送った人などそういないだろうに、観る人皆に何となく「これは自分の物語だ」と思わせてしまうのが西原理恵子のすごい所ですね。一見平凡な日常生活からのぞく先の見えない不安感や絶望感など、言葉にするのが難しい思いをうまくすくいとってくれるのが、大勢の人の共感を得る理由かも知れません。
でも、近くの席にいた30~40代母親+10代前半娘の2人組は観終わった後、無言であきらかに「ハズした」感じでした。きっと『西の魔女が死んだ』のような感覚で、母娘で一緒にひたれるさわやかな世界を期待してたんだろうがお気の毒に。西原理恵子ワールドがそんなにさわやかな訳ないやろ(笑)
大後寿々花は、顔だちはごく普通で大人しいのに、妙な迫力や芯の強さを感じさせますね。深津絵里も、やさぐれた仏頂面にふとのぞく少女の顔がすごくいいです。菜都美の自宅兼仕事場の古い一軒家、やたらごちゃごちゃ物が多いけど妙に落ち着く雰囲気で居心地が良さそうでした。
エンディングに流れる『タオ』も映画の世界そのままの感じでなごみます。
『女の子ものがたり』公式サイト