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茜空日記 goo版

映画と本をこよなく愛するラルゴです。
自然と美味しい食べ物に恵まれた福岡からあれこれ脈絡なく綴ります。

『ディア・ドクター』

2009-06-29 23:41:39 | 日本の映画
ユナイテッドシネマ・キャナルシティ



いやー、すごく面白くて観応えがありました。過疎化地域の医療問題をからめたりして話としてはけっこう重いのに、ところどころに混じえたユーモアがよく効いていて決して暗くはないんですよね。でもって、くすくす笑いながら観ているうちに、気がつくと伊野同様、いつの間にかのっぴきならない所まで来てしまって、おい、この状況どうすんだよ・・・と、呆然とする感じでした。

笑福亭釣瓶がものすごく良かったです。人当たりの良さや頭の回転の早さ、その下に見え隠れする微妙な陰りなど、彼を想定して書かれたのかと思うくらい自然な演技でしたね。余貴美子や香川照之も抑えた演技で存在感がありました。あと、井川遥がきれいでしたね~。この人、元祖癒し系グラドルで人気のあった頃より、今の方がだんぜん良いです。物語の鍵を握る八千草薫も、年齢を超えた可愛さがありました。この人にキャラクターとしての魅力がないと、映画全体に説得力が欠けますからね・・・。


初日15時50分の回はほぼ満員で、上映直前までざわざわしていたので「上映中に喋る人がいたら嫌だなぁ」と心配していたのですが(最近多いんですよ、これが・・・)実際の上映中はおかしいシーンで笑い声は起こるものの、それ以外の私語をする人はまったくいなくて、全員映画に引き込まれて真剣に観ているのが伝わりました。映画が本当に面白いとこうなるんですね。


『ディア・ドクター』公式サイト

『クローンは故郷をめざす』

2009-06-23 22:38:04 | 日本の映画
シネリーブル博多駅



内省的というか観念的というか寓話的というか、とにかくつかみどころのない内容に、「そのうち寝る、きっと寝る」と思いながら観ていたのに、いっこうに眠くならないのが不思議でした。自分でも気がつかない奥の方で「共鳴」していたのかも知れませんね。話としてはぜんぜん似てないけど、物悲しさ、一抹のこわさ、美しさを同時に感じるところに、『雨月物語』を勝手に連想してしまいました。万人受けはしなさそうですが、ふとした拍子に記憶に立ち上ってきそうな作品です。



お母さん役の石田えり、包み込むような雰囲気が良かったです。主演の及川光博は、本人と2人のクローンの微妙な演じ分けがものすごく自然で、正直こんなに上手い俳優だとは思っていませんでした。ラストの彼には私も「おかえりなさい」と声をかけたくなりました。

秋からの『相棒season8』も楽しみです。


『クローンは故郷をめざす』公式サイト

『60歳のラブレター』

2009-06-09 00:44:31 | 日本の映画
中洲大洋



いくつかのエピソードが、タイトルの「ラブレター」につなげるために取ってつけたようだったのは気になるけど、全体として女の目から見てそんなに嘘くささがない点では、そこそこ良かったんじゃないかなーと思います。

メインの中村正俊と原田美枝子の熟年離婚夫婦のすったもんだはありがち~?でしたが、原田美枝子のヘンに若作りしない年なりの自然な美しさは、同性から見てやはり心地よいもんですね。イッセー尾形と綾戸智恵の組み合わせは、そのまんま地でやってるような綾戸さんを、自然にフォローする感じのイッセーさんの婦唱夫随っぷりがステキでした(笑) 井上順のイイ年をしてちょっと気弱なやもめ医師もなかなか良かったです。戸田恵子も、もう決して若くはない女の孤独や純情が良く出ていて共感はしたけど、最近似た感じの役が多いかな~。


『60歳のラブレター』公式サイト

『重力ピエロ』

2009-06-03 00:21:33 | 日本の映画
KBCシネマ



俳優の組み合わせ(父・小日向文世、兄・加瀬亮、弟・岡田将生)もこれ以上ないくらい最高だし、映画としてはすごく良かったです。回想シーンの母・鈴木京香も合わせて、ステキな最強の家族でした。吉高由里子も、あんな役で可哀想に(笑)・・・と思いながらも、妙に憎めなくておかしかったです。

ただ、残念なことに、伊坂幸太郎の小説自体がどうも苦手なんですよね。『オーデュポンの祈り』と『ラッシュライフ』の2册は読んだことがありますが、それ以上、他の作品に手を出せなくて・・・。物語としてはすごく面白いし独創的だし人気が高いのも納得ですが、エンターテイメントとして純粋に楽しむには、伊坂ワールドの内包するダークな部分がどうしても私には怖すぎるんです。

見かけによらずチキンな私?^_^;


『重力ピエロ』公式サイト

『THE CODE -暗号-』

2009-05-20 00:00:23 | 日本の映画
シネリーブル博多駅

あの『探偵事務所5』シリーズの久々の劇場版。しばらく見ない間にずいぶん探偵の数が増えとるなぁーーと思ったら、ネットシネマで何作も作られてたんですね。

レトロでカッコいい昭和の香りが漂う前半はテンポも良くて面白かったけど、裏切り裏切られのクライムサスペンスになった後半は逆に先が読めてちょっとトーンダウン。オマージュのつもりだろうけど、宍戸×松方の老老対決は間延びがするからいっそない方が良かったんじゃ・・・(往年のファン、すいません)。この2人の見た目年齢と映画の設定上の年齢差がまるでかみ合ってないのも混乱の元ってゆーか^_^;



尾上菊ノ助はおっとりした育ちの良さそうな雰囲気が、暗号にはピカイチ、でもそれ以外(暴力とか女とか・笑)にはイマイチな507によく合ってました。



稲森いずみは歌姫を演るには肝心の歌がキビしかったけど、一見はかなげな悪女を熱演してました。こういうファムファタルは、女優なら一度は演ってみたい役ですよね。あの顔だちとほっそりした体型にチャイナドレスがよく似合ってました。大河ドラマの和装も美しかったし、コスプレの映えるタイプなんでしょうね~。うらやましい・・・。

『THE CODE -暗号-』公式サイト