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茜空日記 goo版

映画と本をこよなく愛するラルゴです。
自然と美味しい食べ物に恵まれた福岡からあれこれ脈絡なく綴ります。

さよなら、ブラッドベリ

2012-06-09 16:03:52 | 
数日前の朝刊で『SFの巨匠レイ・ブラッドベリ 死去』のニュースを知りました。91歳になられていたんですね。



 初めて読んだブラッドベリは『とうに夜半を過ぎて』 怖くて美しくて、ときどきちょっと皮肉が効いていて、とにかく今までに読んだことのない作風に心を掴まれて、他のもむさぼるように読みました。『火星年代記』に『刺青の男』に、『たんぽぽのお酒』、『太陽の金色の林檎』・・・数え上げたらきりがないくらい、どの作品もとても好きです。

 この人の作品は訳にも恵まれていますよね。『オクトーバー・カントリー』を『10月はたそがれの国』と邦題をつけるセンスが何とも言えません。タイトルを見るだけで、イリノイの夜道を自転車で駆け巡る少年ダグラス・スポールディングの姿が脳裏に立ち上るような気がします。

 タイトルや詳しい中身は忘れてしまったけど、ある作品の中で「『グッドバイ』という言葉は、もともと『神とともに居ませ』という意味がある・・というやり取りをした後で、『その言葉本来の意味で、グッドバイ』」と別れを告げるくだりがありましたので、それに倣って・・・

「グッドバイ、ミスター・ブラッドベリ。たくさんの美しい物語をありがとう。私たちはあなたの事を忘れません」

『萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ』 吉永南央

2011-11-14 23:14:41 | 


観音様が見下ろす街で、コーヒー豆と和食器の店『小蔵屋』を営む気丈なおばあさん、杉浦草。人々を暖かく見守り続ける彼女は、無料のコーヒーを目当てに訪れる常連たちとの会話がきっかけで、街で起きた小さな事件の存在に気づく。オール読物推理小説新人賞受賞のデビュー作を含む「日常の謎」を解く連作短編集。(裏表紙より)

と書いてあると、いかにも可愛らしくほのぼのしたコージーミステリーを想像するけれど、読んでみたら予想を裏切るハードボイルドなお話でした。第1話の『紅雲町のお草』、ある家で起きている(かも知れない)事件を気に懸けて夜毎に様子を見に行くお草さんが、若い警官から認知症の徘徊に間違われて屈辱的な目に遭ったりする場面は、ほのぼのでは済まない展開です。この年代の女性がこういう経験をするのはかなり耐えがたいと思うのですが、それでもお草さんは真実の追求をあきらめません。その理由は・・・うーん、そういう事でしたか。


私はあまり詳しくないけど、どこかで読んだハードボイルドの定義って、「過去に傷を負った主人公が、プライドをぼろぼろにされていったんは叩きのめされて、それでも執念で立ち上がって敵に立ち向かう話」だったと思うんですが、それならやっぱりこれは立派なハードボイルドですね。たまたま主人公がお婆さんなだけの。とは言え、お草さんの店の従業員・久実や出入りのトラック業者・寺田や主人公の少女時代からの親友の由紀乃など、お草さんを囲む脇キャラクターがほのぼのしてるから、そんなにハードボイルド臭くはない・・・でも、よーく読んだら何気にハードボイルドなのが、この作品の魅力だと思います。


シリーズ第2作『その日まで』も刊行されているので、読むのが今から楽しみ~。


長らく更新を滞っている間に、カウンターが180000に到達していました。
有りがたいやら申しわけないやら・・・・・でも、ありがとうございます。
仕事は相変わらずハード+11月頭にひいた風邪が長引いてゲホゲホしてましたが、
8割がた復活しました(^_^)v

『ちよちよ』4巻 森名リリー

2011-05-11 11:10:33 | 


えらく出ないなぁーーと思っていたら、途中で連載雑誌が変わったりと紆余曲折があったようです。読者としては読めればどこでもいいんだけど。

今度の表紙は、ちよ@火の鳥変身バージョン・・・?


うーーーん、相変わらずのパワフルな馬鹿馬鹿しさがステキです。薫子の「残念すぎる」美人っぷりをみると意味なく元気が出ますねぇ(笑) 三太の愛すべきヘタレっぷりも健在。ちよと礼華のセレブ同士の友情に(少し)じーんと来ました。エリートの秘めた恋はたぶん100年たっても叶わないんだろうなぁ・・・。


『シンプルに生きる』 ドミニック・ローホー

2010-11-28 14:50:12 | 


巷で話題になってかなり売れているみたいなので、(図書館で借りて)読んでみました。「変哲のないものに喜びを見つけ味わう」と副題がついています。『断捨離』のフランスバージョンみたいなものかな? どうでもいいけど、冒頭の「シンプルに生きるための37カ条」が項目が多すぎて覚えられない(^^;) 37もある時点で、すでにシンプルじゃないやろと(笑) やっぱり私にはオリヴィア・ジュールズの「生きるためのルール16カ条」くらいがちょうど良いです~。  

全体として、禅問答みたいでもうひとつ意味がわかりにくい文章もあるし、ファッション・美容の項は内容が今さらで、他にもっと詳しい本がいくらでもあるけど、人付き合いや時間・お金の管理など、もしかしたらこれは参考になるかも・・・と思わせる箇所もありました。

これからの生活、ひいては人生において要るものと要らないものは何だろう?と、じっくり考えることは、突き詰めていけば自分はどんな人間で、どういう状態を快く、どういう状態を不快に感じるのかを、今一度ゆっくり見つめ直すことでもありますね。私も含めてその辺をよくわからないままに何となく日々を送っている人、けっこう多いかも知れないです・・・。


『またね、富士丸。』 穴澤賢

2010-11-03 22:46:03 | 


昨年10月の富士丸くんの急逝から1年。ブログではあえてほとんど語られなかった飼い主・穴澤さんの当時の状態や断ち切りがたい丸への愛惜の思い、そして喪失の痛みを自分の一部として少しずつ取り込んでいくまでの心の動きがリアルに綴られています。急死からブログで公表されるまでの1週間こんな事があっていたのか、とか、同じマンションの別の部屋に引っ越しした理由はこういう事だったのか、とブログの読者として気になっていた部分もかなり明らかになりました。

それにしても、慟哭って言葉はこういう状態を表すためにあるんですね(本当に「慟哭」には犬の文字が入ってるし)。うーん、ここまでの激しい痛みと喪失感をペットロスとひとことで呼べるのだろうか・・・、もちろんペットロス以外の何物でもないのだけど。
3月に亡くしたリオの事を思い出しながら読んでしまうだろうな・・・という予想に反して、実際には5年前に父を亡くしたときの事をより強く思い出しながら読んでいました。帯に『誰にでも必ず訪れる、愛する者への「サヨナラ」がここに。』とあるように、人・動物関係なくかけがえのない大事な存在を失った経験のある人なら、少なからず共感を覚える箇所があるかも知れません。


追記:引っ越しで古い部屋を片付けていて、残った丸毛を発見するところは胸をぎゅーっと締め付けられました。ウチも以前は家じゅう至るところに舞っているリオ毛に「もー、掃除が大変なんだから」とブツブツ文句を言っていたけど、製造元がいなくなってからは当たり前だけど少しずつそういう事もなくなっていって、今ではたまにカーペットに白い毛を見つけると捨てるのがもったいなくて大事に取っておくようになりました(^^ゞ