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茜空日記 goo版

映画と本をこよなく愛するラルゴです。
自然と美味しい食べ物に恵まれた福岡からあれこれ脈絡なく綴ります。

『必死剣鳥刺し』(ちょっとネタバレ)

2010-07-13 00:57:23 | 日本の映画
ユナイテッドシネマ・キャナルシティ



いちおう最近映画になった藤沢周平作品はほぼ観てる(と思う)けれど、その中では世知辛さナンバーワンでしたね。テーマを付けるなら「上司は選べない」だったりして。上の命令でやむなくご別家・帯屋隼人正(吉川晃司)と対峙する主人公・兼見三佐エ門(豊川悦司)だけど、誰がどう見ても藩主より帯屋の方が言うことがまともで人格者なんですよねぇ。そんな藩主でも仕える以上は絶対の存在で、虫けらのように扱われても命を捧げる他には道がないところに悲哀と虚しさがつのります。最期の最期に『必死剣鳥刺し』で一矢報いられたけど、とてもスッキリしたとは言えなくて、せっかくだからバカ殿も道連れにしたれよ・・・と皆思ったはず。

姪の里尾役の池脇千鶴は相変わらずの地味顔だったけど、彼女って口数が少なくても中身がいっぱい詰まってそうな雰囲気がありますね。吉川晃司も竹刀を連想させるような、細身だけど力強い身のこなしがすごく格好良かったです。どう見てもトヨエツより彼が強そうに見えたのに、よく勝てたなートヨエツ・・・なんて言ったらいけないのか(笑)


『必死剣鳥刺し』公式サイト

『苦い蜜 ~消えたレコード~』

2010-06-28 16:43:12 | 日本の映画
ソラリアシネマ



こういうフーダニット方式の推理物は、実はあんまり好みじゃないのですが、これは思ったより面白くて拾いものでした。探偵が1年前の事件で犯人と思われた死んだ親友の無実を晴らすべく、小さな疑問や矛盾をひとつひとつ解き明かして、当時居合わせた人たちの思い込みを正していく様子は、『12人の怒れる男』(前にブログの記事に書いたニキータ・ミハルコフ版じゃなくて、オリジナルのアメリカ版の方ね)を思い出しました。最後にパーッと明るく閉めるエンディングも気持ち良かったですね。

テンポの早い会話のやり取りだけで推理が展開してどんどん話が進む中で、バイトの頭弱そうな女の子(ゴメン)が絶妙なポイントで「えー、それどういうことなんですかぁ?」と言いだして、誰かが彼女のためにそれまでの要点を整理して、同時に観客が置いて行かれないようにしてくれるパターンはけっこう良いアイディアかも。悔しいのは終わりの方でちょっと寝オチしてしまって、肝心の謎解きの一部をスルーしてしまったこと。最近、このパターンが多くて反省_| ̄|○


主人公の探偵(金子昇)はイケメンだけど小ぎれいであんまり探偵っぽくないので、もうちょっと風采の上がらない人にした方がリアリティが出たりして。とは言えあれだけのセリフの量は大変だったでしょうね~(^^;)


『苦い蜜』公式サイト


『トロッコ』

2010-06-20 23:42:42 | 日本の映画
ソラリアシネマ



前半、兄弟が少しずつ向こうの生活に馴染んでいくゆっくりなテンポが心地よかったのですが、それが後半になっていろんな出来事が起きて急にバタバタするのがちょっとだけ違和感でした。樹を植える老人との交流のエピソードなど、もう少しじっくり描けばもっと余韻が残ったんではないかと思うんですけど。でも、台湾の田舎の風景や、兄弟のお祖父ちゃんの住む古いけど風通しのよい暮らしやすそうな家の佇まいは、台湾に行ったこともないのに何だか懐かしい感じがしますね・・・。

兄弟の兄・敦役の子が、絵に描いたような可愛らしい子役でなく、どこにでもいそうな普通の男の子なのが良かったです。


『トロッコ』公式サイト

『Flowers フラワーズ』

2010-06-15 00:04:13 | 日本の映画
天神東宝



日曜日の朝イチの回に行ったら、思ったより混んでませんでした。これはゼッタイ『告白』にメインターゲットの女性客が流れてますよ。1週遅れの公開時期はちょっと失敗かも・・・。

画面を昭和初期、昭和40年代、現代で色味や雰囲気を変えて時代の違いを表現しているのは面白いなぁと思いました。特に40年代の街並みは、細かいところまで凝っていて観ているだけで楽しいです。でも、肝心のストーリーは「女性に元気を与える映画」の割に、描かれる女性キャラクターたちにあんまり新鮮味がないような気もするんですよね。ヒロイン6人で描きこみも6等分のせいか、これ!って印象に残る人がいないし。むしろ、奏(鈴木京香)と佳(広末涼子)の父親役を二人で演じた井ノ口快彦(昭和40年代)と平田満(現代)や、翠(田中麗奈)の担当するエロ作家の長門裕之のような、脇の男性キャラクターの方が良かったです。


『FLOWERS フラワーズ』公式サイト

『告白』

2010-06-11 16:56:01 | 日本の映画
天神東宝



異様に細かいカット割り+意味ありげにスローを使いすぎの映像がえんえんと続くので、観ていて相当疲れました。ああいう作りの映像は短い秒数のCFならまだしも、何十分も見せられると正直うっとおしいのが先に立ちます。しかも前半のほとんどが予告で観たシーンなのもどうにかして欲しいですね(あの詰め込みすぎの予告はどう考えても失敗作だ)。やっと面白く感じられたのは、予告にないシーンが増えて森口の復讐が具体的な形を取り始めた後半に入ってからでした。それにしても、えげつない話ですねー。原作を読まずに最後がどうなるか知らないまま観たので、余計に衝撃的で何とも言えない気分になりました。好きか嫌いかと聞かれたら嫌いだけど、観た後の印象の強さはかなりのものです。森口、いくら何でももうちょっと手段選べよ・・・と思ったけど、あのA・Bに対して手段など選んでいたら、到底、思い知らせることは出来なかったんでしょうねぇ。

松たか子の演技は、最後まで無表情で丁寧な言葉づかいを崩さない中に、底知れない怒りや悲しみを感じられて怖かったですね。オーディションで選ばれたという生徒役の子たちも、体当たりの演技で頑張ってます。いやー、あのシーンもこのシーンもなかなか迫力がありました。


『告白』公式サイト