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茜空日記 goo版

映画と本をこよなく愛するラルゴです。
自然と美味しい食べ物に恵まれた福岡からあれこれ脈絡なく綴ります。

2010年度・日本映画ベストテン

2011-01-06 23:49:26 | 日本の映画
NT○さんのご尽力でインターネット復活できたので(もういいって)
新春恒例のベストテン発表にいってみたいと思います。

まずは日本映画から

1位 『今度は愛妻家』
2位 『花のあと』
3位 『犬と猫と人間と』
4位 『ゴールデンスランバー』
5位 『苦い蜜 ~消えたレコード~』
6位 『告白』
7位 『大奥』
8位 『悪人』
9位 『食堂かたつむり』
10位 『ダーリンは外国人』


1位 『今度は愛妻家』
こんな仕掛け、普通なら途中で気がつくし、後で聞いたら「すぐわかったよ」という人がほとんどだったのに、今度に限って私は見事にひっかかってダダ泣きしてしまいました。その結果が邦画第1位(笑)  石橋蓮司を始め脇キャラも良かったです。北見の断ち切れないさくらへの執着をあらわす小道具としての、人参茶の使い方は上手いですね。それにしても皆が即、吐き出すあのお茶、どんだけまずいんだよ^_^;

2位 『花のあと』
北川景子がすごく良かったですね。『間宮兄弟』や『ハンサム★スーツ』のときは、単純に可愛い子だなーくらいの印象だったけど、この映画ではさらにランクアップして凛とした気品と意志のある美しさを感じさせました。初めと終わりに入る藤村志保のナレーションで、あれこれ小言を言いながらも末永く幸せな人生を共に歩んだらしい二人のその後が伝わってきて微笑ましいです。

3位 『犬と猫と人間と』
これを他の映画と同じに日本映画の枠に入れて意味があるのかな?と迷いながらもランクイン。正直、見ていて心が痛む(ついでに胃も痛む)場面もあるけど、もし自分を動物好きだと思うなら、こうして保護や処分の最前線で日々彼らの「命」と向き合う人々が目にしている光景と同じものを見ないで済ますのは、登場する小西さんの言葉を借りると「見なくちゃウソでしょう」ですね。あのシロエモン君、貰い手見つかったのかな・・・?

4位 『ゴールデンスランバー』
相変わらず伊坂幸太郎は苦手だけど、今度のは割合ストレートに楽しめて2時間半近くの上映時間があっという間でした。とは言え、濱田岳のキャラクターに集約されるような、善悪の垣根をあっさり乗り越える伊坂ワールドは、脳みその作りの単純な私には理解不能な闇を感じられて、やっぱりコワイんですけどね~_| ̄|○

5位 『苦い蜜 ~消えたレコード~』
こういうフーダニット方式の推理物は実はあまり好みじゃないけど、これは予想外に面白かったですね。探偵が死んだ親友の無実を晴らすべく、小さな疑問や矛盾をひとつひとつ解き明かして、当時居合わせた人たちの思い込みを正していく様子は、『12人の怒れる男』(オリジナルのアメリカ版の方ね)を思い出しました。最後にパーッと明るく閉めるエンディングも後味がよろしいですね。

6位 『告白』
いやホント、えげつない話だ・・・。原作を読まずに最後がどうなるか知らないまま観たので、余計に衝撃的で何とも言えない気分になりました。好きか嫌いかと聞かれたら嫌いだけど、あまりのインパクトの強さでランクインです。能面のようなマツタカの無表情が怖い・・・。

7位 『大奥』
原作の漫画がとても独創的で奥が深いので、その世界をどこまで映像化できるのか・・・と思ったけど、雰囲気そのままにけっこう良くまとまっていました。この先、逆転大奥の始まりが描かれる怒涛の家光編以降が観たい気がするけど、やっぱり無理だよねぇ・・・?

8位 『悪人』
妻夫木聡の演技がすごくて、姿は彼なのに雰囲気がまるで違うと言うのか、目が祐一にしか見えなくて驚きました。観終わって、結局、誰がいちばんの悪人だったんだろう・・・・・と考えてもすっきり答えは出ないけれど、ただ間違いなくいちばん幸せそうに見えたのは、灯台で二人手をつないで夕陽を見つめていた祐一と光代でした。

9位 『食堂かたつむり』
カラフルなCGやイラストをふんだんに盛り込んだポップでガーリーな雰囲気が、ちょっとほろ苦い物語を程よく甘く味付けしてイイ感じです。「すべての男の心の中には少年がいる」とは良く言いますが、年齢に関係なくすべての女の心の底にもガールが住み着いているんだなぁーと、こういう映画を観るとあらためて思います。

10位 『ダーリンは外国人』
ドラマ仕立てで脚色を加えながらもちゃんと原作の真面目おかしいテイストが生きてるし、本当に大切なのは対○○人ではなく対人間だというテーマも押しつけがましくなく伝わってきます。井上真央ちゃんとジョナサン・シェアは二人並んだ漢字が・・・じゃなくて感じがナイスカップルでしたね。

惜しくも次点・『パーマネント野ばら』『借りぐらしのアリエッティ』『東京島』

『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』

2010-12-12 16:40:29 | 日本の映画
シネリーブル博多駅



たぶん原作は裁判の傍聴で出会った変な人たちの生態をひたすらネタとして挙げてるのだろうと思うけど、この映画版はその内容を盛り込みながらドラマとして上手くまとめてあります。鈴木砂羽のキャラクターはちょっとやりすぎだけどね。

傍聴って何だか楽しそう・・・と思ってしまうけど(本当にこういう傍聴マニアっているんだろうか)美人検事マリリンの言葉を借りれば「他人の人生を高みから見物」して面白がってるような後ろめたさは確かに感じますね。その主人公の後ろめたさを上手く活かした後半の盛り上がりとその意外な結末も、観る人によって好き嫌いはあるだろけど私はひねりが効いていて上手いなぁと思ってしまいました。イイ味を出していた傍聴仲間の西村さん役の螢雪次郎は、これの前に観た『酔いがさめたら、うちに帰ろう』にも出ていたのに後から気が付きました。期せずして螢雪次郎祭り(笑) ※私たち映画(オタ)仲間内では同じ俳優の出る別の映画を1日に続けて観る事を「○○祭り」と呼びます。めっちゃローカルルール・・・。

でも、ひとつだけ楽しんで観る気になれなかったのが交通事故の裁判の傍聴で、遺影を抱いた被害者の両親が陳述しようとして嗚咽ばかり繰り返して一言も喋れないのを、面白おかしく描いてるところ。ああいうのを笑いを取るネタとして使われるのは、かつて友人(当時10代)を交通事故で亡くした事のある者として、「これのいったいどこが笑える訳?」と何とも言えない気持ちになりました。あそこさえなければ全体を通して普通に面白かったのに・・・とちょっと残念。


『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』公式サイト

『酔いがさめたら、うちに帰ろう』

2010-12-12 15:14:10 | 日本の映画
シネリーブル博多駅



何かから逃げるように(でもその「何か」の正体はわからない)アルコールに溺れ、必死の思いで立ち直り家族の元に戻ってきたときには、体は腎臓ガンに蝕まれて・・・と言葉にするとこの上なく悲惨で深刻な状況なのに、画面に漂う不思議な明るさと穏やかな諦観は、長くて深いトンネルをくぐりぬけてきた人だけが身につけられる明るさなのかも知れない・・・と思いました。最後に探し物は見つかったの?と鴨志田さんに聞いてみたいです。

永作博美のちょっとふてぶてしくて飄々とした雰囲気は良かったけど、浅野忠信はあのつるりとした端正な顔立ちで失禁しても血を吐いてもイマイチ薄汚れた感じがしないところが、ちょっとイメージが違うかな?せめて無精ひげなり生やしてむさ苦しくしてくれた方が雰囲気が出たと思うのに・・・。『毎日かあさん』の長瀬正敏と永作博美の組み合わせでこちらを観てみたかったりもします。


『酔いがさめたら、うちに帰ろう』公式サイト

『大奥』

2010-10-11 23:56:38 | 日本の映画
中洲大洋



原作の漫画がとても独創的で奥が深いので、その世界をどこまで映像化できるのか・・・と思ったけど、雰囲気そのままにけっこう良くまとまっていました。と言っても、今回映画化されてるのは比較的コンパクトに完結してる1巻部分だけですけどね。この先、逆転大奥の始まりが描かれる家光編が観たい気がするけど、2巻以降はそう簡単に映像化できそうもない気も・・・。

謎の疾病による男性人口の減少で、好む好まないに関わりなく社会の実権を握って男性化していく女たちと、閉ざされた空間の中で次第に女性化?していく大奥の男たちの対比は、女から見るとその鮮やかな逆転ぶりがいっそ気持ち良いくらいだけど、これを男性の視点で見るとかなり居心地の悪い話だろうなぁーーというのは想像に難くないです。

それにしても、杉下の阿部サダヲや藤波の佐々木蔵乃介など、キャスティングのはまりっぷりはさすがですね。特に加納久道の和久井映見が、すごくイメージ通りで驚きました。唯一ちょっと違うなと思ったのが吉宗の柴咲コウ? 気が強くて聡明そうな雰囲気はあったけど、もっと地味でその辺にいそうな感じの人が希望だったのに(苦笑)


『大奥』公式サイト

『悪人』

2010-10-03 17:08:34 | 日本の映画
天神東宝



先に読んだ原作は、祐一や光代を始め登場人物たちの閉塞感がくどいほど描かれていて、重くて息苦しい救いのない話に思えましたが、映像になるとイメージが広がるのか、思っていたほど息苦しさは感じずに観られたような気がします。灯台のシーンは文章から想像していたのよりはるかに美しくて解放感のある景色で、こんなきれいな場所がよくあったもんだと感心しました。これも映像の持つ力ですね。
福岡・佐賀・長崎と北部九州ジモティには馴染みの深い場所でのロケなのも親しみが増す感じです。特に福岡で撮影されたシーンは、けやき通りや三越前、東公園など誰でもよく知っている場所なので映画好きの友達の間でも話題になりました。佳乃が置き去りにされる場面などはどれだけ人気のない場所か見当がつくだけに、増尾の身勝手さに唖然とさせられますが・・・。



どのキャストもイメージに合ってハマっていたけど、妻夫木聡はひときわすごくて、姿は彼なのに雰囲気がまるで違うと言うのか、目が祐一にしか見えないんですよね。普段は意志の強い役柄が多い満島ひかりも今回はまるで雰囲気が違って、本人にまるで悪気はないけれど、ドライブ中に増尾をイラつかせる佳乃の俗っぽいキャラクターがリアルでした。

観終わって、結局、誰がいちばんの悪人だったんだろう・・・・・と考えてもすっきり答えは出ないけれど、ただ間違いなくいちばん幸せそうに見えたのは、灯台で二人手をつないで夕陽を見つめていた祐一と光代でした。


『悪人』公式サイト