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茜空日記 goo版

映画と本をこよなく愛するラルゴです。
自然と美味しい食べ物に恵まれた福岡からあれこれ脈絡なく綴ります。

『サニー 永遠の仲間たち』

2012-06-09 17:22:33 | 外国の映画
Tジョイ博多



中年女性の友情の話でどうしてPG-12なんだろう?・・・と不思議に思ったけど、まるでガールズ版『ビーバップ・ハイスクール』のような喧嘩に次ぐ喧嘩ノリでレート指定にも納得! 韓国の少女たち、いや元・少女たち、アンタら血の気多すぎるやろう(笑) でも、彼女たちのいかにも韓国的な強さと明るさと口の悪さが現実の苦しさや悲しみを中和してくれて、そこがこの映画の魅力でもあるんですよね~、きっと。韓国で大ヒットしたというのもよくわかります。現在と少女時代の場面の入れ替わりが自然でテンポ良くて、細かいところだけど監督のセンスを感じました。

細かいと言えば、反りの合わなかった高校時代のナミとスジが屋台で深酒してべろべろに酔っぱらって打ち解けるシーンがあったけど、韓国の屋台はホントに高校生に酒なんか出すのかな・・・? まさかね(笑)

病室のベッドで4人ごろごろ寝そべって過激なおしゃべりに興じたり、失恋した帰り道のベンチで泣きじゃくる少女のナミを、大人のナミがそっと抱き締めたりと、印象的で好きなシーンがいくつもあったけれど、チュナの遺影の前で『SUNNY』を踊るラストは特に格好良くステキで、あのシーンのためだけでももう1回観てもいいと思ったくらいです。

メンバーが7人もいると、主人公のナミ、姉御肌のリーダー・チュナに、太めのチャンミ、謎めいた?美少女のスジ・・・以外は、さすがにパンフレットで確認しないと、誰が誰かよくわからない(笑) 整形美人のファン・ジニが「面影すらないわ~!」と他メンバーからゲラゲラ笑われていたのはウケたけど・・・。それにしても、現在のサニーメンバー皆(チャンミ除いて)年齢不詳に若くてキレイすぎる! 特に、ナミ役のユ・ホジョンとチュナ役のジン・ヒギョンはめちゃくちゃ美しかったです。韓国の美魔女軍団おそるべし。

『サニー 永遠の仲間たち』公式サイト


『宇宙人ポール』

2012-03-20 12:01:28 | 外国の映画
Tジョイ博多

観たのは去年の年末だけど、とても好きな作品なので今ごろレビュー書いてみます。



『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン』がファンキーで面白かったサイモン・ペッグとニック・フロストの待望の最新作。いろーんな映画のオマージュを盛り込みつつ(私にはわからないネタもいくつかあったんだろうな~と思うと少し悔しい)主人公2人・グレアムとクライヴ+宇宙人の友情と成長の物語になってるところがB級映画の王道をちゃんと押さえていてステキです。SFオタクの2人が憧れのアメリカにやって来たのはいいけど、行く先々でゲイカップルの新婚旅行に間違われて「・・・・・」になるところに繊細さを感じたりしてw でもその後、ルースと親しくなるグレアムにクライヴが軽く嫉妬したりする描写は友情以上・ゲイ未満という微妙なニュアンスで・・・男心はやっぱり繊細なんですね。



タイタニックのネタがあの手垢のついた有名なシーンじゃなくてデッサンのシーンなのも、新鮮かつグレアムがイラストレーターなのを上手く活かしてあって面白いし。しかし、ポールのヌードデッサンって見たいですか?誰か見たい人いますか?_| ̄|○

ポールが乗り物全般(ここポイント)の運転が下手だという伏線もよく効いてるし、予告にもあった死んだ小鳥を再生させるシーンは心に残る名シーン(迷シーン)だと思います。それにしても、シガーニー・ウィーバーをあんな役どころで使う大胆さ・・・(笑) クスクス失笑させられたり、「ここでこう来るかー!」と爆笑させられたり、ジーンとさせられたりした後で、すごーく幸せな気分になれた1本でした。1年の終わりをこんな映画で締めくくれたら、何か来年も楽しい年になりそうな気がするなぁ・・・と思ったのを、レビューを書きながら思い出しました。


『宇宙人ポール』公式サイト

『灼熱の魂』

2012-03-18 15:16:19 | 外国の映画
中洲大洋



『瞳の奥の秘密』のように、最近のアカデミー外国語映画賞はレベルが高いから要チェックだけど(『灼熱の魂』はノミネートのみ)、この作品もずっしり重く見応えがありました。母・ナワルのパートと双子の子供たちのパートが交互に繰り返されるのが最初わかりにくかったけど、そのうちどうでも良くなるのは物語にぐいぐい引き込まれていくからですね。

それにしても波乱の、いや激動の人生を送った女性でした。ポスターのキャッチコピーにもあったけど、自ら命を絶つ方がよほど簡単かも知れないあの状況で生き続けるというのは逆にすごい。あの強さは女だからこそでしょうか。そう言えば、ナワルの双子の子供のうち、母の遺言を実行するのに及び腰でなかなか行動に出ない息子・シモンと反対に、娘・ジャンヌは耳を塞ぎたくなるような母の過去を知っても、それでも積極的に足跡を辿ろうとしてますね。やっぱりここの家系は遺伝的に女の方が強いんだ・・・と、ひとりで納得。

心ならずも過酷な運命に翻弄されて・・・というよりは、その気性の激しさと鉄の意志で自ら過酷な道を歩いているように見えるナワル。あの乾燥した灼熱の土地が、人の心や生き方も厳しくしていくのかな・・・。子供の父親に宛てた手紙の痛烈さと、息子に宛てた手紙の無条件に包み込む深い愛情。この落差が彼女の複雑な内面をよく表しているように思えました。


『灼熱の魂』公式サイト

外国映画ベストテン

2012-01-09 15:43:20 | 外国の映画
続いて外国映画の部

4位以下はいちおう順位を付けてはみたものの、私の中ではほぼ同列です。

1位 『英国王のスピーチ』
2位 『ミス・ギャングスター』
3位 『ソーシャル・ネットワーク』
4位 『ミッション8ミニッツ』
5位 『アリス・クリードの失踪』
6位 『コンテイジョン』
7位 『アメイジング・グレイス』
8位 『ゴーストライター』
9位 『わたしを離さないで』
10位 『SOMEWHERE』


今年の観賞本数は例年より少なめの60本でした。今の仕事に就いて最初の1年、シフト制の細切れの休みのペースに不慣れで、くたびれた時は無理に映画に出かけずに本数をセーブしていたのが響きましたね~。来年はもう少し時間を貪欲に使って80本くらいは観たいと思います。

『アリス・クリードの失踪』

2011-08-28 09:43:31 | 外国の映画
ソラリア・シネマ



状況が二転三転四転して最後までまったく先が読めない展開とか、妙~~に濃密な緊張の漂う空気感とか、往年の名作『ユージュアル・サスペクツ』を連想させるような、見応えのあるクライム・サスペンス。手錠に銃弾や、何気なくポケットに入れた携帯。さらにはふと口にしたセリフまですべてが重要な伏線になるから、一瞬も気を抜かずに観ておかないと後悔します。西日本新聞の映画コラムにもあったけど、『アリス・クリードの失踪』というタイトルの本当の意味も、映画の終わるときにやっと「ああ、そういう事か」とわかるんですよね・・・。甘いようなほろ苦いような、何とも言えない余韻の残るエンディングでした。

ダニーにヴィック、そして人質のアリスの3人がそれぞれの状況で見せる表情や雰囲気の変化がすごくて目が離せません。特にアリス役のジェマ・アタートンは文字通り身体を張っての大熱演ですね。女優ならこういう役は演じ甲斐がありそうだわー。もし日本で映画化するならやっぱり菊池凛子あたりかしら。



そうそう、本編とは関係ないけど字幕の翻訳もけっこう力が入ってましたね。英語がそんなにわかる方ではないけど、ところどころセリフそのままでなく、より凝った意訳っぽい言い回しもあってセンスを感じました。(以下、伏字部分は反転してお読みください)戸田奈津子じゃこうは行かないだろうなぁ~(ゴメン) そう言えば最近、映画館の「字幕/○○○○」で戸田先生のお名前を前ほどお見かけしませんね。世代交代が順調に進んでいるのでしょうか(笑) それとも私がハリウッド大作系をあんまり観ないせいかな ちなみに『アリス・クリード~』の字幕は太田直子さんという方でした。


『アリス・クリードの失踪』公式サイト


追記
ここ数年、『シネテリエ』『シネリーブル』とミニシアターの閉館が相次ぐ中、少し前の新聞記事で「『ソラリアシネマ』閉館」のニュースを知りました。福岡の映画ファンにとっては劇場で観られる映画の本数が減ってしまう悲しい事態です。博多シティに新しくできた『Tジョイ』には期待していたのですが、フタを開けてみると既存のシネコンとほとんどラインナップが変わらないから、正直あってもなくてもあんまり関係ないのよね~。