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茜空日記 goo版

映画と本をこよなく愛するラルゴです。
自然と美味しい食べ物に恵まれた福岡からあれこれ脈絡なく綴ります。

『パーマネント野ばら』 西原理恵子

2009-03-23 00:02:23 | 


前から読みたいと思っていたので、本屋で平積みになった文庫を見つけて即買いました。

象が踏んでも壊れないほど(笑)タフなのに、どこか繊細で傷付きやすい港町の女達がすてきです。けっこうすさまじい話なんだけど、登場人物それぞれに注がれる作者の視線がとても優しくて胸が痛くなります。


西原理恵子の作品ってどれも、人が心の奥底に意識しないまま埋もれさせていた痛みを呼び覚ますようなところがあるんですよね。恩田陸とは違う意味で、この人と同時代に生きていて作品をリアルタイムで読めることに幸せを感じます。

『毎日かあさん』も待望の5巻が出てるようなので、あっちも読みたいなぁ・・・。

『真昼の月~海街diary2』吉田秋生

2008-10-18 00:02:29 | 


すごーーく待っていた2巻がやっと出ました。まとめて読みたくて、雑誌連載分は読むのを我慢していたのでなおさら待ち遠しかったです。

私の好きなシャチ姉こと長女の幸が主人公の話もあって嬉しいな。すずも好きなキャラクターだけど、中学生メインの話が続くと、時々物足りなくなるんですよね。また佳乃が主役の話も読みたいもんです。しかし、三女チカがメインの話だけは何か浮かばない気がする・・・。主役になりにくいキャラクターっつうか^_^;



今回同時発売で『すずちゃんの鎌倉さんぽ』というのも出ました。何でもこれと『海街diary2』両方を買って帯の応募用紙を貼って送ると、抽選でオリジナル・エコバッグが当たるそうです。写真小さいけど、作中に出てくるあの『マタギ酒造』のデザインらしいですね。・・・これは欲しいっ。

当たるとは思えないけど、自分のくじ運を信じて応募してみます!


『ガン病棟のピーター・ラビット』中島梓

2008-10-11 23:05:16 | 
がんシリーズで集めたわけではないけど、たまたま続けて読んだので並べてみました。



言わずと知れた『グイン・サーガ』(あまりの長さに読んだことないけど)の栗本薫さんの別名。ご自身の膵臓ガンの闘病記です。表紙のイラストがよく似てていい感じ。

これってブログの文章を直さずにそのまま本にしてるみたいですね。文章の長さとか句読点が、本に適した文章とブログに適した文章では何か微妙に違う気がします。
「私は○○についてこう思う」というのを「他の人が読んで不快になったらたいへん申し訳ないんだけれどもあえて言わせてもらうなら私は○○についてこう思う」という感じで、読んでる人への長いエクスキューズがやたら多いのもちょっと読みづらいけど(確か以前に2ちゃんねるでバッシング受けたらしいから、そのへん警戒してるのか・・・)自分の病気のこと、見守ってくれる家族や周囲の人のこと、さらにはおそらく未完になるであろう代表作への思いなど、この方らしい言葉で書かれていました。

もう、まかすいこと『魔界水滸伝』の続きはあきらめたから、残りあと1冊になった『六道が辻』シリーズだけでも、せめて完結編を読ませてほしい・・・というのは、ファンとして空しい望みだろうか_| ̄|○
最近は大正浪漫シリーズと銘打った枝葉に行っちゃってるからなぁ・・・。


『がん哲学外来の話』樋野興夫

2008-10-10 12:30:46 | 
たまたま女性週刊誌で見つけて、最近話題になってる本らしいので読んでみました。



書いてあるのは割と当たり前のこと・・・でも、自分のがん、あるいは家族のがんという非常事態になると、その当たり前のことがなかなか出来なかったりするんでしょうね。
もちろんタイトル通りがんにまつわる話なんですが、単純にがんのあるなしに関わらず、人として日頃からどう生きたら良いかの指針にも取れる内容だったような気もします。

日本人の二人にひとりががんになり、三人にひとりががんで亡くなると言われる時代、がんを身近に感じる人もそうでない人も、一読の価値はある本だと思いました。

まぁ、そう思う人が多いから話題になってるんですね。


『そうか、もう君はいないのか』 城山三郎

2008-10-02 23:14:48 | 


ウチの親よりも上の世代で韓流ドラマを地で行くような恋愛結婚なのもすごいけど、ご結婚後も終生・・・・・いえ、死が二人を別っても変わらない絆の強さは、本当に驚くばかりです。次女・紀子さんの後書きにも、そういうご両親への娘としての率直な思いが綴られていました。

最初、見たときは「何だろう、これ?」と思った表紙裏の「ё」の文字の意味も、本文中に出てきます。こんな文字ひとつにも、亡き妻容子さんへの城山氏の愛情がにじみ出ていますね。神様の計らいで二人でオーロラを見る場面も、とても印象的です。

近々TVドラマ化されると聞きましたが、夫妻の役は誰がやってくれるんだろうなーー。楽しみのような、イメージが違ったらがっかりなような。